出版物の種類別売上の変化をグラフ化してみる(前年比)(最新)

2019/09/26 05:17

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2019-0923昨今は「出版不況」「書籍不況」なる言葉も日常化し、紙媒体に関しては書籍に限らず新聞、そして手帳などの文房具ですら、ビジネスの上で厳しい状態が続いている。これもひとえにデジタル機器の普及に伴う、利用者側の購入・利用性向の変化によるもの。今回はその中から特に景況感の上で取り上げられることが多い出版物の売上状況について、主要種類別に関する動向を、日販の「出版物販売額の実態」最新版(2019年版)を基に確認していくことにする。

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出版物の分類別、売上高の前年比を記したのが次のグラフ。前年2017年分(今件では年度算出ではなく年算出、1月から12月の集計であることに注意)と比較するとプラス分類数は3つ。「コミック」「文学」「ビジネス」がプラスを示している。なお分類中「実用書」は「旅行地図」も含んでおり、辞典(「学参」には集計されない)・事典・日記・手帳・その他をまとめて「総記」と呼んでいる。

↑ 分類別売上高前年比(2018年)
↑ 分類別売上高前年比(2018年)

プラスの分類のうち「コミック」は毎度お馴染みの「ONE PIECE」「進撃の巨人」がセールスで上位に連なっており、これらの名作が全体をけん引したものと考えられる。「文学」は当初発行は2015年だったが実写映画化に伴い文庫本化された「ラプラスの魔女」や、若年層にヒットした「君たちはどう生きるか」がプラスに影響したのだろう。「ビジネス」は「大人の語彙力ノート」「AI vs.教科書が読めない子どもたち」などだろうか(「ラプラスの魔女」は「文庫」に該当するのかもしれないが)。

2018年は前年比でわずかにマイナスとなったが、「児童書」は長年にわたりポジティブな値をはじき出している。一方で同じように健闘を続けている「学参」(学習参考書)は大きなマイナス。2017年において「ざんねんないきもの事典」や「うんこ漢字ドリル」などのヒットが大きなけん引役となりプラスを示したが(プラス7.8%)、その反動が表れたものと思われる。

「文庫」以外も「雑誌」「新書」「実用書」など、マイナスの分類には大きな下げ幅を示しているものが多く、プラスの分類やマイナスでも下げ幅が小さい「児童書」「総記」などと対照的な動きとなっており、二極化のような雰囲気を見せているのが興味深い。



2014年分までの記事ならばこの後に、書店面積別の動向分析が入るのだが、「出版物販売額の実態」の2016年版(2015年分)からは関連値が非公開となってしまい、言及ができなくなってしまった。小規模、個人経営の書店の閉店が相次ぐ中で、状況把握には大いに役立つ内容だっただけに、残念でならない。


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(C)日販営業推進室出版流通学院「出版物販売額の実態2019」

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