コミックが驚異的な伸び…出版物の種類別売上の変化(前年比)(最新)

2021/12/05 02:40

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2021-1202昨今は「出版不況」「書籍不況」なる言葉も日常化し、紙媒体に関しては書籍に限らず新聞、そして手帳などの文房具ですら、ビジネスの上で厳しい状態が続いている。これもひとえにデジタル機器の普及に伴う、利用者側の購入・利用性向の変化によるもの。今回はその中から特に景況感の上で取り上げられることが多い出版物の売上状況について、主要種類別に関する動向を、日販の「出版物販売額の実態」最新版(2021年版)を基に確認していくことにする。

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出版物の分類別、売上高の前年比を記したのが次のグラフ。前年2019年分(今件では年度算出ではなく年算出、1月から12月の集計であることに注意)と比較するとプラス分類数は4つ。「コミック」「児童書」「学参」「ビジネス」がプラスを示している。なお分類中「実用書」は「地図旅行」も含んでおり、「学参」は「辞典」も含み、「事典」「日記」「手帳」「その他」をまとめて「総記」と呼んでいる。

↑ 分類別売上高前年比(2020年)
↑ 分類別売上高前年比(2020年)

プラスの分類のうち「コミック」は先行記事でも言及しているが、定番の「ONE PIECE」「進撃の巨人」はもとより、「鬼滅の刃」が大いに値をけん引したものと考えられる。全体でもプラスを示したのも、恐らくはこれによるものだろう。例えば【紀伊国屋書店の2020年ベストセラー】のコミック部門では、上位24位まですべてが「鬼滅の刃」の単行本で占められている。第25位にようやく「ONE PIECE」の第95巻が入るほど。

「児童書」「学参」「ビジネス」が堅調な値を示したのは、新型コロナウイルスの流行で在宅勤務や在宅学習が推し進められたことにより、在宅時間が増えたことや、自己学習の必要性が増したのが原因だろう。特に「児童書」「学参」は学校で授業を受けられない子供を案じ、保護者が大いに買い進めたものと思われる。

「雑誌」のマイナス8.7%をはじめ、「実用書」のマイナス7.7%、「新書」のマイナス6.1%など、マイナスの分類には大きな下げ幅を示しているものが多い。プラスを示した「コミック」「学参」などと対照的な動きを見せており、二極化のような雰囲気なのが興味深い(実際には小幅のマイナスの「文芸」「総記」、わずかなプラスの「専門」と併せ、三極化と表現すべきかもしれないが)。



2014年分までの記事ならばこの後に、書店面積別の動向分析が入るのだが、「出版物販売額の実態」の2016年版(2015年分)からは関連値が非公開となってしまい、言及ができなくなってしまった。小規模、個人経営の書店の閉店が相次ぐ中で、状況把握には大いに役立つ内容だっただけに、残念でならない。


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(C)日販 営業推進室 出版流通学院「出版物販売額の実態2021」

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