書店数とその坪数推移をグラフ化してみる(最新)

2018/10/10 05:10

2018-1006インターネット通販が普及し、さらには電子出版も本格的な浸透が進む現在においても、紙媒体による出版物を購入するメインの流通ルートとして君臨しているのが書店。しかしながらその書店も、状況の変化に合わせて、あるいは流される形で、他の類似業界同様に集約化・大型化の傾向が見受けられる。今回は日販の「出版物販売額の実態」最新版(2018年版)から取得した最新値などを基に各種グラフを生成し、その状況を確認していくことにした。

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まずは書店数と総坪数の推移。右側の坪の軸は「変化を分かりやすくするために最下層がゼロではなく84万坪」であることに注意してほしい。

↑ 総書店数・総坪数(各年度末集計値)
↑ 総書店数・総坪数(各年度末集計値)

いくつもの資料・記事で記している通り、「書店数の減少」「総坪数の増加」の流れがかつてはあったことが確認できる。ところが2010年度をピークにその流れは変わり、店舗数だけでなく坪総数まで減少しはじめている。1年だけなら単年でのイレギュラーな動きとの解釈もできるが、直近の2017年度に至るまで継続して小さからぬマイナス方面への変化が生じている以上、トレンドが変わったと判断した方が妥当ではある。

タイミングから察するに、スマートフォンの普及に伴い出版物を取り扱う本屋の需要減少が加速したか、震災で痛手を受けた本屋が閉店を余儀なくされたなどが主要因として考えられる。または既存店舗の集約・大型化が一段落ついたのかもしれない。あるいはそれら複合的な要因が偶然にも畳み掛けるように同時に生じた、その可能性が一番高そうだ。

店舗数の減少は以前から継続中でその勢いは強い。この数年は総坪数こそ減っているものの、それでも1店舗あたりの平均面積は増加中のさなかにある。あくまでも単純計算でしかないが、書店数・総坪数、この2つの数字から1店舗あたりの平均坪数を算出すると、「書店の大型化」(大型店舗のみが生き残る、新設店舗の大型化、既存店舗の拡張、etc.……)の動きが見える。

↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数
↑ 単純計算による1店舗あたりの平均坪数

結論としてもこれまでの各関連記事とほぼ同じ。すなわち

「店舗数減少」

「1店舗あたりの平均売り場面積の増加」

「書店の集約化・大型化」(方法は様々)

と箇条書き可能な傾向が見受けられる。

他方「出版物販売額の実態」ではなく経済産業省の商業動態統計を基に、同様の総書店店舗数と売り場面積の動向を確認すると、この傾向がここ数年(グラフでは2004年度から)の間のみではなく、1990年初頭から起きていたことが分かる。また店舗あたりの売り場面積の拡大は、データが取得可能な1972年以降継続しての動きであり、加速中であることも把握できる。

↑ 総書店数・総売り場面積(経済産業省・商業統計調査より)
↑ 総書店数・総売り場面積(経済産業省・商業統計調査より)

↑ 書店1店舗あたり平均売り場面積(経済産業省・商業統計調査から試算、平方メートル)
↑ 書店1店舗あたり平均売り場面積(経済産業省・商業統計調査から試算、平方メートル)

現時点で最新公開値となる2016年では、2014年で落ち着いたかと見られた店舗数の減少度合いが再び加速、逆に総売り場面積は増加し、書店1店舗あたり平均売り場面積は跳ね上がる形となった。店舗の大型化、集約化、淘汰は大きく進んでいるようだ。



収録されている期間の店舗数・坪数の推移について、前年度比を示したグラフを生成すると次の通りとなる。

↑ 総書店数・総坪数(前年度比)
↑ 総書店数・総坪数(前年度比)

経済動向全体、あるいは業界内(電子書籍関連の可能性が一番大きい)における変化とともに風向きが変わる可能性はあるが、グラフから動きを推測する限りでは、店舗数の減少はまだ沈静化する動きは無い。そして総坪数は2011年度以降前年度比でマイナスに転じ、下げ幅を次第に大きなものとしつつある。今後もこの流れは止まらず、書店の数は減少を継続することだろう。


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(C)日販営業推進室出版流通学院「出版物販売額の実態2018」

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