モバイルでの米地域情報活用傾向

2012/10/09 06:35

モバイルクーポンアメリカの大手調査機関【Pew Research Center】は2012年9月26日に、同国での地域社会と情報伝達・取得様式に関するレポート【How people get local news and information in different communities】を発表した。今回はその報告内容から、自分が住まう地域のニュースに関して、インターネット上での共有(情報を得るだけでなく、他の人に知らしめたり付加価値をつけたり、新たに情報を投稿する)しているか否かについて見ていくことにする。

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今調査は2011年1月12日から25日にかけてアメリカ合衆国内に居住する18歳以上の男女のうち、RDD方式で選択された電話番号にかけた人を対象に、通話インタビュー形式にて行われた。有効回答数は2251人。そのうち固定電話を用いていた人は1501人、携帯電話で回答した人は750人(うち332人は固定電話無し)。調査対象母集団のうちインターネット利用者は1762人。各結果には2010年の国勢調査結果に従ったウェイトバックが行われている。

今報告書では居住地域の様式・開発度を4つのタイプ「大都市」「大都市付近の近郊」「小都市、街」「地方」に区分している。しかし設問・報告書にはそれらを区分する明確な定義は無く、回答者がこの4区分の中から「自分の判断に従い」回答している。世間一般の常識として浸透している区分で答えていると考えれば、まず間違いはない。

↑ あなたはどのタイプの環境に住んでいるか
↑ あなたはどのタイプの環境に住んでいるか(再録)

デスクトップやノートパソコンと比べ、機動性が高く利用ハードルも低いタブレット機や携帯電話・スマートフォンなどのモバイル端末。これらの所有について聞いたところ、大都市ではなく、大都市付近の郊外(大都市近郊)の方が高い値を示す結果となった。

↑ モバイルやタブレットを持つ人の割合
↑ モバイルやタブレットを持つ人の割合

地方より都市圏の方が高い値なのは、単純に構成世代構成の老若によるもの。つまり都市圏には若年層、地方には壮齢層・高齢層の比率が高い(今報告書別項目で確認できる)。そして大都市よりも大都市近郊の値が上を示している件に関しては、世代構成比で「大都市近郊では中堅層(特にX世代:35-46歳)の割合が他の地域よりも多い」ことに由来する。金額的な自由度の点で、若年層(18-34歳、Y世代と呼ばれている)よりも上位につけているからだと考えられる。タブレット機やスマートフォンなどに興味を持っていても、それを手にするお金が無ければ入手はできず、当然使うことはできない。その点ではY世代よりもX世代の方が有利であり、保有率が高いのも納得がいく。

その金銭的な自由度の高さは、モバイル端末を使って行うニュースチェック、その他便宜を得るための行動度合いにも反映されている。

↑ モバイル端末を用いたニュースチェック(モバイルやタブレット機を持つ人限定)
↑ モバイル端末を用いたニュースチェック(モバイルやタブレット機を持つ人限定)

このグラフの回答者は「モバイル端末を持っている人限定」であり、モバイル端末の利用率そのものには左右されないことに注意してほしい。そのような条件があってなお、居住地域周辺の小売店や安売りクーポンなどの点では、大都市以上に(金銭的に余裕がある)大都市近郊の人が、積極的に利用しているのが分かる。そもそも購入するつもりがなければ、クーポンの取得などするはずもない。

また、地方までも含めて地域の様態別に見ると、ほとんどの項目で「地方ほど低い」一方、「地域の天候」ではどの地域でも同じ程度の利用率があること、「緊急情報」「スポーツ」にも地域を問わず需要が存在していること、「ネットサーフィン」では大きな開きが出ていないことなど、「地域様態」によって変化が生じるもの、ほとんど生じないものとがあり、興味深い。

今後はスマートフォンやタブレット機などが中堅層から壮齢層、そして高齢層にも少しずつ浸透していくにつれ、地方でもモバイル・タブレット機の利用性向が高まるものと思われる。その時、今件のような調査ではどのような変化を見せるだろうか。同じような動きが日本でも推定されるだけに、気になるところではある。


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