日本で「現金・預金」が大幅増加、米では株式も増加へ(日米家計資産推移:2012年2Q分)

2012/09/30 12:00

日本銀行は2012年9月26日、2012年第2四半期(4-6月)における資金循環の日米比較に関するレポートを公開した。それによるとアメリカは「現金」や「株式・出資金」などが増え、「債券」や「投資信託」などが減少、合計額も前四半期より減ったものの、家計金融資産合計50兆ドルは維持した。一方日本は「株式・出資金」「投資信託」が大きく減り、「現金」が大幅に増加する動きが確認できる(【リリース掲載ページ】)。

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今リリースは日本銀行が年4回定期的に速報値として発表しているもの。それに伴い以前掲載した記事から連携・連動させる形で色々とグラフ化・考察を行っており、今回はその最新版データに基づいた記事となる。

まずは直近、2012年第2四半期(2Q)時点での、日米の家計における資産構成比率。日本が「現金・預金」に大きく傾倒している一方で、アメリカが「株式・出資金」や「投資信託」「債券」を大量に保有している図式に変わりは無い。なお今回も前回同様に、数回前から元資料に掲載されるようになったユーロエリア(今回から日米と同じ期間、つまり今件は2012年2Q分のデータ掲載となったようだ)についても、参考の形で掲載した。

日米欧家計金融資産構成比率比較(2012年2Q)
↑ 日米欧家計金融資産構成比率比較(2012年2Q)

3国・地域とも「保険・年金準備金」の比率はほぼ同じであること、「現金・預金」と「投資信託」「株式・出資金」などの有価証券保有比率がユーロ圏は日米の中間にあることなど、興味深い傾向が確認できる。

これをいつもの通り日米別に、その推移をグラフ化する。まずは日本。構成比率と絶対額の推移を確認する。

日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2012年2Q)
↑ 日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2012年2Q)

日本の家計金融資産構成推移(1997年-2012年2Q)(単位:兆円)
↑ 日本の家計金融資産構成推移(1997年-2012年2Q)(単位:兆円)

直近数年(2008年前後)で「現金・預金」の比率が大きく伸びたのは、貯金額そのものが増えたのも多少はあるが、それ以上に株価の低迷によるところが大きい(相対的に「現金・預金」比率が上がったという理屈。また損切りによるポジション整理も多分にある。「株式・出資金」の額・比率が同じタイミングで大きく減少していることからも、その動きが理解できる)。もう少し詳しい挙動(四半期単位)を知りたいところだが、残念ながら現時点においては、合間を埋めるデータ(2007年-2008年)を見つけ出すことはかなわない。

今期においては冒頭で触れたように、「株式・出資金」が大きな減少を見せ、同時に「現金・預金」が増えている。「投資信託」も減少しているところから、リスク資産から資金が逃避した動きと見受けられる。もっとも2Qで「現金・預金」が上昇するのはこの数年の定例行事的な流れなので、それほど驚くものでは無い。

一方アメリカ。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2012年2Q)
↑ 米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2012年2Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2012年2Q)(兆ドル)
↑ 米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2012年2Q)(兆ドル)

アメリカの該当期においては、株価動向はやや軟調に推移したものの、「株式・出資金」は大きく増加。ただし「債券」などが減っている。また「現金・預金」の絶対額もここ数年来の傾向に従う形で漸増中。

グラフには記載していないが、家計金融資産の総額は2012年2Q時点で日本が1515兆円、アメリカが51.9兆ドル。これはそれぞれ直近前期から(日本)プラス0.13%・(アメリカ)マイナス1.14%の変移となっている。今回期では為替レートの問題が多分にあるため、両国間の額面での単純比較は難しい。もっともそれぞれの国において3か月でどれだけ家計の金融資産の評価額が積上げされたは把握できる。なお冒頭でも触れたように、アメリカの家計金融資産合計額は、前期に続き大台の50兆ドルを突破している。インフレによるところも小さくないが、資産「額」のふくらみぶりが理解できる。

記事執筆時点では欧州の債務危機問題の懸念は一向に回復せず、さらに新興国の情勢不安も相まって、為替レートは大きく変動、それに伴い株価も低迷の動きを見せている。景気動向が実態として家計の金融資産にどこまで影響を与えるのか、次回の発表内容が気になるところだ。


※2013.06.25.更新
今件記事は説明が多分に重なる部分などを省略した簡略版です。全体版及び最新版については【日米家計資産推移(日銀)最新記事】にて掲載しています。

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