米国でも状況は変わらず・失業がもたらす生活環境や心境の変化

2012/09/30 07:00

失職アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年8月31日、アメリカにおける「中流階級」「中流意識」に関する調査報告書【Public Says a Secure Job Is the Ticket to the Middle Class】を発表した。今回はその中から、「直近で失業経験を持つ人が抱く心理や生活環境の変化」について見ていくことにする。

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今調査のうち最新のものは2012年7月16日から26日にかけてアメリカ国内に住む18歳以上の男女に対して電話の音声(英語とスペイン語)によるインタビュー形式で行われたもので、有効回答数は2508人。固定電話による回答者は1505人で携帯電話は1003人。国勢調査の結果に基づいたウェイトバックがかけられている。

先日【米国いわく「安定した職」が中流階級へのチケット】で触れたが、自らが「中流階級」となるのに必要な条件として、9割近い人が「安定した仕事」を挙げている。

↑ 「中流階級」と見なされるには何が必要か(米、2012年7月)
↑ 「中流階級」と見なされるには何が必要か(米、2012年7月)(再録)

それでは逆に、仕事を失うことが、どれだけ心理的・周辺環境的に不安定な状況となるのか。それを垣間見ることができるのが今回の項目。調査母体を「過去1年間に解雇されたり職を失った」か否かで区分し(該当する人は15%。ただし「経験がある」だけの区分であり、現在再就職出来ているか否かまでは尋ねていない)、それぞれに生活環境上でのマイナス的要素を提示し、該当するか否かを聞いた結果が次のグラフ。

↑ 過去一年間で次のようなことが起きたか(過去一年間に職を失ったか否か別)(米、2012年7月)
↑ 過去一年間で次のようなことが起きたか(過去一年間に職を失ったか否か別)(米、2012年7月)

自らの家計の出費セーブを経験している割合は、就業継続中の人と比べて26ポイント増し。各種支払系のトラブルでは2-3倍近くの比率で経験していることが確認できる。職を失えば安定的な収入源が絶たれ、その結果さまざまなお金周りの騒動に巻き込まれてしまう。負の連鎖が起きるようすが容易に想像できる。そして「安定した仕事」を(平穏無事・安定の代名詞たる)「中流階級へのチケット」として憧れるのも容易に理解できる。

さらにこれらの連鎖が波及して、心理的にもマイナスの影響が及ぼされることになる。

↑ 健康的・精神的にどのような状況か(過去一年間に職を失ったか否か別)(米、2012年7月)
↑ 健康的・精神的にどのような状況か(過去一年間に職を失ったか否か別)(米、2012年7月)

特に幸福感を実感できない人の比率が2倍以上の差異がついている点が目に留まる。上記にあるようなトラブル、さらには再就職の困難さに直接ストレスを覚える他に、医者へ足を運ぶのをひかえたり、食事の量・質の悪化で健康状態が悪化するなど、間接的な影響による「アンハッピー化」の面も多分に考えられる。

今件結果からは「安定した仕事」がいかに大切か、そして平穏無事な日常生活の代名詞ともいえる「中流階級」に必要な条件であるのかが、改めて認識できよう。


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