災害廃棄物の処理・処分は約1/4に留まる…震災がれき処理動向(2012年8月31日時点)

2012/09/16 12:00

震災の復興状況を確認することもあり、当サイトでは【東日本大震災における犠牲者数をグラフ化してみる】などのように、統計値上から東日本大地震・震災における被害状況をまとめている。今回はいわゆる「震災がれき」(災害廃棄物等……災害廃棄物と津波堆積物)の処理動向を調べてみることにした。

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文中・グラフ中にある「産業廃棄物」「津波堆積物」など用語の定義は一覧ページ【震災がれき処理の現状をグラフ化してみる(復興庁発表)】上の解説部分で確認してほしい。

まずは災害廃棄物等の仮置き場への搬入状況。災害現場から災害廃棄物等はひとまず仮置き場に移され、そこから各種処分が行われる。何はともあれまずは仮置き場への移動が必要なのだが、全体では災害廃棄物が82.9%・津波堆積物は54.4%に留まっている。

↑ 災害廃棄物等の仮置場への搬入状況
↑ 災害廃棄物等の仮置場への搬入状況

再計測や新たな廃棄物の発生で数字が上下することはあるが、現時点でもなお2割近くの災害廃棄物・5割近くの津波堆積物が現場に残されていることになる。資料ではこの件について「浸水している農地において重機作業が困難」「損壊家屋等の解体量が多く、 大規模な建物が含まれ解体に時間を要する」など、進捗状況の遅れの理由の一端を説明している。

続いて処分がなされた災害廃棄物等の動向を記したグラフ。「処分」には対象の状況によって多種多様な手法があるが、埋め立て処分の他に再生燃料として用いたり、素材として売却処分・再利用が行われている。

↑ 沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)
↑ 沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)

↑ 沿岸市町村の津波堆積物処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)
↑ 沿岸市町村の津波堆積物処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)

仮置き場への集約率と比べ、処理・処分済み率が随分と低い様子がうかがえる(特に津波堆積物処理がほとんど進んでいない)。これは処理・処分に時間がかかること、それぞれの被災県内での処理では追いつかない一方、県外での処理・処分には「さまざまな」障害があり、大きな期待がよせられないことを起因としている。

復興庁には2011年12月時点から災害廃棄物等の搬送動向が記録されているが、処理・処分動向が掲載されるようになったのは2012年2月14日分・津波堆積物にいたっては2012年7月31日分からである。そこで記録があるものにつき、処理状況を折れ線グラフ化したのが次の図。一番右、2012年8月31日時点は、震災からほぼ1年半経過していることを前提に確認してほしい。

↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況
↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況

直近の2012年8月31日時点で災害廃棄物の処理・処分は約1/4、津波堆積物にいたっては1割にも届いていない。単純計算をすると(震災直後の混乱期における処理不可能状況を半年とし、現在まで約1年の処理期間が得られたと仮定する)、このペースでは災害廃棄物の処理が終了するのはあと3年、津波堆積物は10年強かかることになる。時間が進むにつれて処理に慣れが生じる一方、現場からの回収・処理の難易度が上がる対象も増えてくるため、この試算もあながち的外れではないものと考えられる。

最後に、やや蛇足になるが、現時点での処理状況を一目で把握できるように、各県ごとの災害廃棄物・津波堆積物の処理済み・未処理トン数と、双方を合わせた総重量に対する処理進捗状況を計算したグラフをあげておく。

↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)
↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(トン)

↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(対全体進捗比率)
↑ 沿岸市町村の災害廃棄物等処理の進捗状況(被災三県・県ベース・2012年8月31日時点)(対全体進捗比率)

いわゆる「震災がれき」の処理進捗がよく把握できるはずだ。現場で作業をする方の労苦がしのばれると共に、「さまざまな」障害による遅延の「現状」が見て取れよう。

※注意:トン数上の誤表記が確認されました。2012年9月30日付発表分のデータ解析記事【震災がれき処理の現状をグラフ化してみる(2012年9月30日時点)】で修正を行います。比率換算部分には変更はありません


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