公立学校の給食費未納状況をグラフ化してみる(2014年)(最新)

2014/01/27 08:30

文部科学省は2014年1月23日、2012年度における学校給食費の徴収状況に関する調査結果の概要を発表した。それによると、学校給食を実施している公立学校では41.5%の小学校、58.5%の中学校で学校給食費が未納の児童生徒がいることが分かった。児童数比率ではそれぞれ0.8%・1.2%となっている。前回調査(2010年度分)と比較すると小中学校共に状況の改善が確認できる(【発表リリース:学校給食費の徴収状況に関する調査】)。

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学校給食費未納問題は改善の方向へ


今件直近調査分については小中学校約29000校のうち583校を抽出し、2012年度(2012年4月-2013年3月)の学校給食費の徴収状況を調査している。過去データもほぼ同じ条件下での調査が実施されている。

それによれば小学校412校のうち、学校給食費の未納児童生徒がいた学校は171校、中学は171校中100校。小学校で4割強、中学校では6割近くの学校で未納問題が体現化している。

↑ 学校給食費徴収状況(小学校)
↑ 学校給食費徴収状況(小学校)

↑ 学校給食費徴収状況(中学校)
↑ 学校給食費徴収状況(中学校)

実際の未納生徒数は小学校で1153人・中学校で757人(今調査母体学校内)。未納生徒がいなかった学校も合わせた、全生徒数比はそれぞれ0.8%・1.2%となる。金額ではそれぞれ0.4%・0.6%。人数比より金額比の方が小さく、給食費の低い学校・事例で未納が多めであることがうかがえる。

「0.8%・1.2%」との値はあくまでも「未納生徒がいない学校も合わせた生徒数」に対する比率。概算だが「未納生徒が”居る”学校生徒数」では、それぞれ1.7%・2.0%となる。

また2年前の前回調査の結果と比較すると、未納生徒比率、未納額共に減少しており、学校給食費の未納問題は数字の上では改善の方向にあると見ることができる。

教師の認識でも状況改善の兆し


この未納児童生徒に対し対応している教師・学校側の認識による、生徒の未納の主な原因としては、「経済的な問題」が4割、「保護者の責任感・規範意識」が6割という状況。

↑ 未納児童生徒の主な原因についての「教師による」認識(未納児童生徒対応の教師回答)
↑ 未納児童生徒の主な原因についての「教師による」認識(未納児童生徒対応の教師回答)

小学生保護者よりも中学生保護者の方が、多少ながらも「保護者の責任感・規範意識」によるところが大きい”と教師などが認識している”事例が多い。また、前回調査と比べると、小中学生共に経済的な理由による事例比率が減り、保護者自身の責任感などによるとするものが増えている。

最後に、前回調査の2010年度時点と比べ、未納状況が増えたか減ったかについて、2012年度時点で未納事例を持つ学校に聞いた結果が次のグラフ。

↑ 2010年度の状況と比較した未納の児童生徒数推移(2012年度時点で未納児童生徒がいる学校限定)
↑ 2010年度の状況と比較した未納の児童生徒数推移(2012年度時点で未納児童生徒がいる学校限定)

2010年度時点では存在して、2012年度時点でいなくなった学校もありうるが、2年前から状況が継続している学校では、小学校はやや増加し、中学校では減少している感はある。

文部科学省では今回の調査結果を受けて、以前から行っている各種通知に従う形で、補助制度の活用や啓蒙活動を継続すると共に、説得に応じない保護者へはやむを得ない法的措置も含め、適切な対応を求めている。また児童手当法に基づいた天引きの仕組み導入にあたっても、各部局との連携を図るよう指示している。

一部報道機関では今回の発表を受けて、ことさらに未納の概算額(調査対象学校内では4534万9000円。学校全体数比率から逆算すると全体では約22億6000万円)を強調する向きもある。事由の比率では確かに親のモラル低下が懸念されるが、全体額、発生比率共に改善の動きを示しているのは、上にある通り。誤った印象により惑わされず、正しい事態把握を願いたい。


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