「国内政治情勢」も懸念材料(2012年9月個人投資家動向)

2012/09/18 06:45

【野村證券(8604)】のエクイティ・リサーチ部は2012年9月14日、個人投資家の投資動向に関するアンケート調査とその結果の分析報告レポートを発表した(【ノムラ個人投資家サーベイ・2012年9月発表分、PDF】)。「ノムラ個人市場観指数」は前回から転じる形で下落の動きを見せている。株価の先行きに対しては、小幅な上昇を見込む意見がもっとも多く、先月とほぼ変わらない回答率を示している。

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今調査は1000件を対象に2012年9月4日から9月5日に行われたもので、男女比は79.9対20.1。年齢層は40代がもっとも多く29.0%、次いで50代が28.7%、60代以上が25.5%など。金融資産額は1000万円-3000万円がもっとも多く29.3%、500万円-1000万円が21.2%、300万円-500万円未満が12.6%と続いている。投資経験年数は5年-10年未満以上がもっとも多く27.6%を占めている。次いで10年-20年未満が25.9%、20年以上が23.4%。投資に対し重要視する点は、概ね長期投資がもっとも多く46.1%と半数近くを占めている。ついで配当や株主優待が27.7%となっており、テクニカルや値動き、高い利益成長といった項目より安定感を求めているのはこれまでと変わりなし。

詳細はレポートを直にみてほしいが、概要的には

・投資指数は49.8ポイント。前回から1.8ポイントの下落。3か月後の日経平均株価の見通しについて、上昇を見込む回答比率は合計で74.9%に(前月比0.9ポイントマイナス)。最大回答率を示した「1000円程度上昇」(58.8%)の回答率は前月比2.0ポイントマイナス。
・市場に影響を与え得る要因としては「国際情勢」を挙げる人がトップに。一方で「国内政治情勢」を挙げる人が前月比で8.7ポイント上昇。
・魅力的な業種は「医薬品」「素材」「消費」の順。「運輸・公共」「金融」「電気機器・精密機器」はマイナス。
・ドル円相場は前回より多少ながらも円安ドル高に振れるとの考えが増え、選択肢の中では最多意見に。
・オーストラリアドルに対する注目度が増加し、主要通貨の中では一番人気。日本円はやや減少。
・もっとも注目を集めた金融商品は「預貯金」。前月とほぼ変わらず。「株式」のDI値は大きく減少。金と債券が上昇。
という形に。

気になる「保有したい、注目していきたい銘柄」だが、今月も前回同様トップは定番の【トヨタ自動車(7203)】だった。

上位を占める銘柄はそれだけ注目を集めていることに他ならない。今回は上位陣銘柄は先月からあまり動きが無く、1位から4位は順位までがまったく一致している。相場環境に大きな変化がない証ともいえよう。

昨今では世界的な気象動向の変化に伴い、食料の減産が懸念され、穀物や砂糖などの価格が高騰の動きを見せている(【20年あまりの世界の食料価格の推移をグラフ化してみる(2012年8月分反映版)】)。また【国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化してみる(2012年9月15日版)】でも触れているが、アメリカでQE3(量的緩和第3弾)の実施が決定したため、今後はさらに円高・ドル安が進行することが予想される。それに伴い輸出関連銘柄は一層厳しい立場に置かれる可能性が出てきた。

今調査は、金融資産を多く抱えている高齢層が中心の調査結果。当然、日本国内における各種市場との連動性も低くない。今後も有益な検証素材として、各値の動きを注意深く見守っていかねばなるまい。

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