東日本大震災における犠牲者の「原因」をグラフ化してみる

2012/09/16 19:30

治療厚生労働省は2012年9月6日、2011年の人口動態統計(確定数)の概況を発表した。人口動向を多方面の切り口から見たデータが盛り込まれた統計資料だが、今回はその中から、2011年3月に発生した東日本大地震・震災における死亡者について、その死因を確認していくことにする(【発表リリース】)。

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今回挙げた数字は市区町村に届け出られた死亡届などを基に作成された人口動態調査死亡票に、東日本大震災による死亡であると考えられる記載が確認できたもの。つまりまだ死亡届が出されていない、あるいは行方不明者などは該当しない(【2012年8月3日時点で(PDF)】届け出のあった行方不明者数は2903人・未届け者は不明)。

先日【東日本大震災における犠牲者数をグラフ化してみる】でも解説したが、調査期間(2011年中)において震災起因で死亡が確認された人数は1万8877人。そのうち大半を、他の統計などで「被災三県」と表することがある岩手県・宮城県・福島県で占めている。グラフを生成しても、その異様さが一目で分かる。

↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)
↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)(再録)

これら犠牲者の死因はすべて「損傷、中毒及びその他の外因の影響」に該当するが、その細部について分類コード別にあてはまるものを複数該当項目につき、カウントしたのが次のグラフ。「●」は全体(大項目)、「()」はその直上にある項目の下位層的な項目を意味する。

↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)(死因別・複数該当)
↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)(死因別・複数該当)

大きく目立つ項目は2つ。つまり「部位不明の体幹もしくは肢の損傷又は部位不明の損傷(のうち損傷、詳細不明)」「外因のその他及び詳細不明の作用(のうち溺死及び溺死に至らない溺水)」が圧倒的多数を占めている。前者は地震そのものによる建物などの損壊に巻き込まれた事例が想定されるが、その後に津波に巻き込まれた事例、あるいは津波により「そのような状態」に陥った可能性も否定できない。

一方後者、「外因のその他及び詳細不明の作用(のうち溺死及び溺死に至らない溺水)」はほぼ全員が津波を起因とするもの。複数要因(例えば津波に流された先での部位損傷)もあるが、多くは津波による犠牲者であることがあらためて確認できる。

この結果について、死亡者数全体に占める比率計算をしたものが次のグラフ。

↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)(全体に対する比率、死因別・複数該当)
↑ 東日本大震災による死亡者数(人口動態調査より。死亡届等が基。同震災による死亡と考えられる記載があったもの)(全体に対する比率、死因別・複数該当)

死者の7割強、約3/4は津波によるもの。約2万2000人が津波で犠牲となった1896年の明治三陸地震と比較すれば数こそやや少ないものの、いかに津波の被害が大きいかがあらためて理解できるというものだ。


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