コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)(最新)

2017/09/13 05:08

2017-0912【コンビニの商品種類別売上の変化をグラフ化してみる】で解説した通り、日本のコンビニエンスストアでは「たばこ」が売り上げの上で小さからぬ割合を示している。それゆえに最近のたばこ販売本数の減少傾向にコンビニ側でも焦りを覚え、コーヒーやドーナツに代表されるような代替商品の開発に躍起となっている。今回は各種公開データを基に、素朴な疑問「コンビニでは1日あたり何箱たばこが売れているのか」の実情について試算を行うことにする。

スポンサードリンク


たばこの売上は23.9% by ローソン


「コンビニの消費種類別-」で用いたローソンの最新版統合報告書(アニュアルレポート)には、たばこの売上比率について「たばこの販売構成比は3.9%」(直近年度)と表内に明記されている。これは以前の記事でグラフ中に示した通り。また同じくローソンではこの売上額は4873億円とある。

↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)
↑ 商品群別売上高構成比率推移(連結・チェーン全店、ローソン)(再録)

↑ 商品群別売上高推移(連結・チェーン全店、ローソン)(億円)(再録)
↑ 商品群別売上高推移(連結・チェーン全店、ローソン)(億円)(再録)

少なくとも年ベースでは売り上げをかさ上げし、その伸び率は他商品区分と比べて高い領域で推移。結果として全売り上げに占めるシェアは伸びつつあった。

ただし2013年(ローソンでは2月末締めのため、今件グラフにおける各年は、その年の2月末までの値。マイナス1年の年度の値でもある。例えば2013年なら2012年3月から2013年2月までの2012年度)以降になると、各年の報告書では「たばこのセールスが減退している」などの表記が見られ、たばこの販売「数」の減退が生じていることが確認できる。2014年は実際に売上・比率ともに大きく減退した。2015年は消費税率引上げに伴う駆け込み需要、そして単価引上げで売上も底上げされ、前年比ではプラスに転じている(2年前比ではマイナス)。その後直近の2017年では売上こそ前年比で増加に転じたが、シェアは減退しており、この売り上げ増加がたばこそのものの活況化によるものではなく、店舗数の増加に伴う結果であることが分かる。

また【メビウスなどのたばこが4月1日から値上げへ】などにもある通り、税率とは別に2016年4月からたばこ価格が一部で引き上げられ、例えば主力銘柄のメビウスは430円から440円と10円の値上げがなされている。今件の各値は2月末までの算出のため、2016年分ではなく2017年分で反映されたため、それも売り上げ金額の増加一因なのだろう。他方【たばこの「わかば」「エコー」など一部銘柄が4月から値上げ】で触れているが、2017年4月から一部銘柄の値上げが実施されており、こちらは2018年分での計上となる。ただし銘柄数は限定されているので、売上に与える影響も大きなものではないことが予想される。

一日どれだけたばこが売れているのかを概算する


「たばこの売上は全体の23.9%」。この値が判明していれば、あとは1店舗あたりの1日平均売上を確認することで、平均的な店舗における「たばこの日次販売額(平均日販)」が計算できる。そしてたばこの平均単価は約450円なので(2017年2月末時点では主要銘柄のセブンスターが460円、メビウス(旧マイルドセブン)が440円。間を採ると450円)、その金額で割り算をすれば「どれだけの個数が」売れたのかも(概算ではあるが)把握できる。

「平均日販」こと1日の店舗単位での平均売上は、アニュアルレポートでは無く決算短信の補足資料中に表記を見つけることができる。それによると2016年度(上記グラフでは2017年に該当)は全店で54万0000円(「売上及び商品の状況(国内コンビニエンスストア)」の「平均日販」から取得)。ちなみに既存店だが客数は819人/日、客単価は608円/人。

よって、1店舗あたりの1日のたばこ販売額と箱数は、

・54万0000円×23.9%=12万9060円(/日)

・12万9060円÷450円=286.8箱(/日)

と算出でき、1日に約287箱のたばこが売れている計算になる。お客の中にはカートン(10箱入り)で買う人もいるのでさほどの量では無いようにも見えるが、【「コンビニでたばこを買う時、ついでに何を買う!?」をグラフ化してみる(最終結果)】で見る限り、1つか2つのみ購入する人が多いことから、相当な数の「たばこ購入者」を、コンビニでカバーしている計算になる。

仮に販売箱数の約半分がカートン買いで、残りの半分はすべて1人が2箱の形で買われたとすると、(143.4÷10)+(143.4÷2)=86.04人となり、コンビニ(今件ではローソンだが)の1日の来場客数819人のうちほぼ1割ほどが、たばこ購入による来店となる。売り上げだけでなく、来店機会の観点でも「たばこ」がコンビニを支えている実態が改めて認識できる値である。

とはいえ、ここ数年の試算結果と比較すると、

・2013年時点
 …340箱/店・日
 …来場客数の11.7%がたばこ購入起因

・2014年時点
 …306箱/店・日
 …来場客数の10.7%がたばこ購入起因

・2015年時点
 …303箱/店・日
 …来場客数の11.0%がたばこ購入起因 

・2016年時点
 …298箱/店・日
 …来場客数の10.8%がたばこ購入起因

・2017年時点
 …287箱/店・日
 …来場客数の10.5%がたばこ購入起因

との結果となり、たばこ値上げの影響が出る以前でも、明らかにたばこの販売における勢いが衰えているのが確認できる。

直近発表分は一部銘柄の価格引き上げが売り上げ増に寄与したものの、店舗における全売上シェアは縮小しており、販売数も減っているとの試算結果が出ている。来年以降、売上・購入者のさらなる減少は容易に想像できる。コンビニ各社がプライベートブランドのスイーツや惣菜、ドリップコーヒー、ドーナツなど、汎用的で来店機会を生み出しやすい商品開発に熱意を払っているのも、十分理解できる次第である。


■一連の記事:
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)】
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(下)】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー