コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)(最新)

2018/08/26 04:58

2018-0819【コンビニの商品種類別売上の変化をグラフ化してみる】で解説した通り、日本のコンビニエンスストアでは「たばこ」が売上の点で小さからぬ割合を示している。それゆえに最近のたばこ販売本数の減少傾向にコンビニ側でも焦りを覚え、コーヒーやドーナツに代表されるような代替商品の開発に躍起となっている。今回は各種公開データを基に、素朴な疑問「コンビニでは1日あたり何箱たばこが売れているのか」の実情について試算を行うことにする。

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たばこの売上は25.2% by ローソン


「コンビニの商品種類別-」で用いたローソンの最新版統合報告書(アニュアルレポート)には、たばこの売上比率について「たばこの販売構成比は25.2%」(直近年度)と表内に明記されている。これは以前の記事でグラフ中に示した通り。また同じくローソンではこの売上額は4986億円とある。

↑ 商品群別売上高構成比率(2013年まではチェーン全店・2014年以降は単体、ローソン)(再録)
↑ 商品群別売上高構成比率(2013年まではチェーン全店・2014年以降は単体、ローソン)(再録)

↑ 商品群別売上高(2013年まではチェーン全店・2014年以降は単体、ローソン)(億円)(再録)
↑ 商品群別売上高(2013年まではチェーン全店・2014年以降は単体、ローソン)(億円)(再録)

少なくとも年ベースでは売上をかさ上げし、その伸び率は他商品区分と比べて高い領域で推移。結果として全売上に占めるシェアは伸びつつあった。

ただし2013年(ローソンでは2月末締めのため、今件グラフにおける各年は、その年の2月末までの値。マイナス1年の年度の値でもある。例えば2013年なら2012年3月から2013年2月までの2012年度)以降になると、各年の報告書では「たばこのセールスが減少している」などの表記が見られ、たばこの販売「数」の減少が生じていることが確認できる(2013年から2014年にかけての減少はグラフ注記にもある通り取得値対象の変更によるもの)。

2017年以降は再びわずかながら増加を示しているが、これは「コンビニの商品種類別-」でも解説している通り、加熱式たばこの盛況ぶりによるところが大きい。また、店舗数が増加していることも小さからぬ要因だろう。

一日どれだけたばこが売れているのかを概算する


「たばこの売上は全体の25.2%」。この値が判明していれば、あとは1店舗あたりの1日平均売上を確認することで、平均的な店舗における「たばこの日次販売額(平均日販)」が計算できる。そしてたばこの平均単価は約450円なので(2018年2月末時点では主要銘柄のセブンスターが460円、メビウス(旧マイルドセブン)が440円。間を採ると450円)、その金額で割り算をすれば「どれだけの個数が」売れたのかも(概算ではあるが)把握できる。

「平均日販」こと1日の店舗単位での平均売上は、統合報告書ではなく決算短信の補足資料中に表記を見つけることができる。それによると2017年度(上記グラフでは2018年に該当)は全店で53万6000円(「売上および商品の状況(国内コンビニエンスストア)」の「平均日販」から取得)。ちなみに既存店だが客数は804人/日、客単価は616円/人。

よって、1店舗あたりの1日のたばこ販売額と箱数は、

・53万6000円×25.2%=13万5072円(/日)

・13万5072円÷450円=300.16箱(/日)

と算出でき、1日に約300箱のたばこが売れている計算になる。お客の中にはカートン(10箱入り)で買う人もいるのでさほどの量では無いようにも見えるが、【「コンビニでたばこを買う時、ついでに何を買う!?」をグラフ化してみる(最終結果)】で見る限り、1つか2つのみ購入する人が多いことから、相当な数の「たばこ購入者」を、コンビニでカバーしている計算になる。

仮に販売箱数の約半分がカートン買いで、残りの半分はすべて1人が2箱の形で買われたとすると、(150÷10)+(150÷2)=90.05人となり、コンビニ(今件ではローソンだが)の1日の来場客数804人のうち1割強ほどが、たばこ購入による来店となる。売上だけでなく、来店機会の観点でも「たばこ」がコンビニを支えている実態が認識できる値である。

とはいえ、ここ数年の試算結果を確認すると次の通りとなるが、たばこ値上げの影響が出る以前から、たばこの販売における勢いが衰えているのが確認できる(2014年分から計算の上での指標が単体のものとなったため、グラフの上でイレギュラーが生じている)。

↑ コンビニでのたばこ販売動向(ローソン)
↑ コンビニでのたばこ販売動向(ローソン)

直近年でやや持ち直しの動きが生じているのは、統合報告書でも言及されている通り、加熱式たばこの盛況ぶりが影響しているのだろう。

今年の10月には主要銘柄の値上げが決まっており、今後も数年かけて随時値上げが予定されている。売上・購入者のさらなる減少は容易に想像できる。コンビニ各社がプライベートブランドのスイーツや惣菜、ドリップコーヒー、ドーナツなど、汎用的で来店機会を生み出しやすい商品開発に熱意を払っているのも、十分理解できる次第である。


■一連の記事:
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(上)】
【コンビニでは1日何箱たばこが売れているのかを計算してみる(下)】

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