かつてデパートの売れ筋商品…スーパー・デパートの衣料品の移り変わりをグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/09/15 06:50

デパート衣料品売り場2012年9月7日に掲載した記事【百貨店やスーパーの分野別売上高推移をグラフ化してみる(2012年7月分まで版)】において、過去に掲載した百貨店やスーパーの分野別売上高推移の記事の内容について、最新値を反映させて再精査を行った。それに伴い経済産業省の商業動態統計調査の結果を用いて小売業に関係して書き上げたいくつかの過去記事でも、直近の最新値に反映させたものへと更新、再精査を行っている。今回はかつてデパートの売れ筋商品だったスーパー・デパートの衣料品の移り変わりをグラフ化した過去の記事を対象に、現在確定値が公開されている2011年分までを反映させたものに更新する。

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データの取得元は「百貨店やスーパーの分野別売上高推移をグラフ化してみる(2012年7月分まで版)」の時と同じく【経済産業省の商業動態統計調査】【統計表一覧】。百貨店とスーパーの合計、それぞれ別個のデータが記載されている。当サイトで業界団体(日本チェーンストア協会)発表の売上高を定期更新している「チェーンストア」とは、「百貨店」か「デパート」の違いがあるが、表記上の違いでしかないと見なしてよい(【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】で説明しているように「日本チェーンストア協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者がデパート、日本百貨店協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者が百貨店」という程度)ので、同一視して問題ない。

また先日の記事にある通り、百貨店とスーパーの主要品目別売り上げを見ると、1990年代前半をピークに、衣料品の売り上げは減退。直近2011年では金額にしてピーク時の半額、店舗売上全体に占めるシェアは20ポイント近く減っている。

↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比(兆円))
↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比(兆円)(再録)

ちなみに主要品目の区分構成は【利用上の注意】に記載されているが、今回スポットライトをあてる衣料品においては次の通り。

紳士服・洋品……紳士服、下着類、ワイシャツ、ネクタイ、靴下など
婦人・子供服・洋品……婦人服、子供服、下着類、ブラウス、靴下など
その他の衣料品……呉服、反物、寝装具類、和装小物、タオルなど
身の回り品……靴、履物、和・洋傘類、かばん、トランク、ハンドバッグ、裁縫用品、装身具(宝石、貴金属製を除く)など

それでは早速、「衣料品」項目における、各種細部項目の構成比。元々「婦人・子供服・洋品」の比率が高かったものの、近年においては10ポイントほどの増加が見られる。それと共に「身の回り品」もじわじわと上昇を見せている。

↑ 百貨店+スーパーにおける衣料品項目内主要品目別売上構成比
↑ 百貨店+スーパーにおける衣料品項目内主要品目別売上構成比

男性向けの衣料品の割合が継続して減っているのは、やはり紳士服チェーン店などの進出が大きな要因だろう。この数年では「比率の上では」やや戻しを見せているが、全体額が減っている以上、男性向けの売り上げが伸びているわけではない。むしろ他の項目の減少度合いがより大きく、相対的なシェアが伸びているに過ぎない。

↑ 百貨店+スーパーにおける衣料品項目内主要品目別売上構成(兆円)
↑ 百貨店+スーパーにおける衣料品項目内主要品目別売上構成(兆円)

デパート紳士服売り場むしろリーマンショック以降の急激な減少ぶり、特に「婦人・子供・洋品」の縮小ぶりが著しいのが目に留まる。紳士服などはデパート以外では代替が利かない事例もあるが、婦人服や子供服は容易に廉価店への切り替えができる。懐具合の冷え込みから、百貨店などからこれら婦人向け・子供向けの購入者が足を遠のかせてしまったことがうかがい知れる。

そしてまた、先の「デパート全体としての売上構成の変化」と同様、1990年代前半が一つのターニングポイントだったことが分かる。衣料品部門における売上総計はもちろんだが、「紳士服・洋服」の項目で特にその流れが強く出ている。上記にあるように紳士服チェーン店の展開など競合の登場・躍進はもちろんだが、いわゆる「バブル崩壊」が大きな構造変化の引き金となったことは容易に想像できる。そして絶対金額の面では直近のリーマンショックが第二の引き金となった感は否めない。

衣料品における売買動向の縮小として、流れ的には男性関係、そしてその他衣料品周りが先行して大きな客の引きがあり、現在は女性や子供関係、身の回り品が続いているというところだ。



【若者は専門ビル・中堅層はネット通販…秋冬ファッションアイテム、どこで買う?】の調査結果からも分かるように、比較的減少比率の低かった装飾品周りでも、デパートなどは後回しにされる傾向を見せている。そしてリーマンショック、さらには震災を経て、人々の消費性向は大きな変化を見せている。断続的な、そしてネガティブな環境変化を認識した上で、どのような手を打って状況に対応していくか、早急な模索が求められよう。

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