続く節電要請・逃げる企業…関電管轄内企業の「今後も節電継続」の場合の対応は?

2012/09/08 19:30

節電大阪商工会議所は2012年9月6日、同年9月6日に終了した関西電力管轄内の夏期節電要請期間(2010年夏期比で10%減)にあたり、商工会議所に属する企業へ行った、節電周りの調査結果を発表した。それによると調査母体においては、仮に来年以降も今夏と同様の節電要請が続いた場合、「対応策として」人件費以外のコストカットを検討する企業が3割近くに達することが分かった。また他電力管轄での生産を行う・拡大するなど「他地域への移転」は2割近く、「海外への移転」は1割強の企業が検討すると回答している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2012年8月23日から9月3日にかけて大阪商工会議所の役員・議員会社に対して行われたもので、有効回答数は82社。

今夏において関西電力管轄では、2010年夏比で10%減の節電「要請」が行われた。この「要請」に対し、企業側ではどのような対応をしたのかを聞いた結果が次のグラフ。「照明機器の調整」「空調調整」が上位2位で、それぞれ9割を超えていた。

↑ 関西電力管轄内事業所で実際に実施した今夏節電対策(複数回答、1割以上回答項目)
↑ 関西電力管轄内事業所で実際に実施した今夏節電対策(複数回答、1割以上回答項目)

次いで多いのは「OA機器の調整」。プリンタなどへの不使用時の電源オフやバッテリー活用、待機電力を使わないための小型外付けスイッチの採用などがそれ。さらにLEDなどをはじめとした「省エネ設備・備品への切り替え」が続く。上位項目はいずれも「普段から良く使う」「すぐに実施できる、さらに上位3位に限れば「経費がかからない」というメリットがあげられよう。

これらの節電アクションだが、多かれ少なかれ企業には負担となっている(【「無理してない」その言葉を企業の前で言ってみたらどうかしら】)。もちろん負担は少ない方が良い。そこで仮に来夏以降も今夏のように、2010年夏比で10%減の節電「要請」が行われた場合、企業としては「その節電要請に対して」どのような対応を取る、取らざるを得ないと判断するだろうか。

↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)
↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)

特に対策は取らない、つまり今夏の節電を経験した上で、新しいアクションを起こすほどのものではないと判断によるもの。これが29.3%。

一方で何らかの行動を検討する企業では、人件費以外のコスト削除を選ぶところが多くなる。大きな問題となるのはむしろその右横の項目で、「他電力管轄での生産実施・拡大(国内他地域への移転)」「海外生産の実施・拡大(海外移転)」を検討する企業が18.3%、14.6%にも達している。さらに「海外からの部品調達比率拡大」「国内他電力管轄からの部材調達比率拡大」まで合わせると、「検討」段階ではあるものの、少なからぬ企業が全体、あるいは一部を関西電力管轄外に移動させることを考えている結果となる。店舗・工場移転はもちろん、調達元を関電管轄から別管轄に移動しただけでも、関電管轄内の経済には打撃となる。

これを企業の規模・業態別に見たのが次の図。

↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)(企業規模別)
↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)(企業規模別)

↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)(企業業態別)
↑ 今夏(2010年夏比10%以上)のような節電要請が今後も(関西電力管轄で)続いた場合に検討する対応策(複数回答)(企業業態別)

当然至極の話ではあるが、(移動などの対応が可能な体力のある)大企業・(大きな影響を受けやすい)製造業者ほど積極的な「避難」行動を模索しているのが分かる。企業規模別では中小企業の2-3倍ほどの値が大企業につけられているし、製造業には非製造業と比べ大きな違いを見せている。特に製造業では「引っ越し」先が国内外を問わず、(一部)移転を4割近い企業が考えており、同地域内の製造業が危機的な状況にあることが理解できる。



今件はあくまでも「検討」であり、「絶対に実行する」ではない。一方で節電要請の内容次第で、大きく値は上下していくことは間違い無い。中には「地域密着型の業態なので移転は無理」とする企業もあるだろうが、「18%が国内他地域への移転・依存度拡大」「15%が海外への移転・依存度拡大」を考えているという事実は、特に製造業に対する「節電」の影響力の大きさを改めて認識するのには、十分すぎる値といえよう。


■関連記事:
【関電管轄に15%節電「要請」…今夏電力需給対策発表】(※後に大浜原発3号・4号機の再稼働により、10%節電要請に変更)

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