松屋はキムカル丼の復活発売するも客単価・客数共にマイナス…牛丼御三家売上:2012年8月分

2012/09/06 06:45

[吉野家ホールディングス(9861)]は2012年9月5日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2012年8月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス0.6%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年8月における売上前年同月比はマイナス6.8%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス6.4%の動きを見せている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家の昨今における動きを確認すると、2011年9月には前年発売した「牛鍋丼」をリニューアルすると共に、「追っかけ」のバリエーションを変更(【吉野家、「牛鍋丼」を新味に・「おくらとろろ」「とろりチーズ」を「追っかけ」に追加】)。これらの動きを受けて客単価は大きく上昇していたものの、11月にはそれも失速。昨月2011年12月分では【吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」 、販売累計数300万食突破】にもある通り同年12月8日から発売を開始した新メニュー「焼味豚丼 十勝仕立て」 が好評を博して客数・売上共に5か月ぶりに前年同月比でプラスに転じた。

今回の2012年8月分では前月7月に続き売上を(ギリギリではあるが)前年同月比でプラスに押し上げている。

↑ 牛丼御三家2012年8月営業成績
↑ 牛丼御三家2012年8月営業成績

吉野家について昨年同月と比較すると、一年前における客単価前年比がマイナス3.6%で、それと比較した上のものであるとはいえ(反動があるため数字的には多少有利に働く)、鰻丼の値上げと『焼味ねぎ塩豚丼』『ねぎ塩豚焼定食』の価格は確実に客単価の引き上げに貢献している。【吉野家の『焼味ねぎ塩豚丼』『ねぎ塩豚焼定食』合わせて300万食突破】にもある通り新商品の『焼味ねぎ塩豚丼』などは集客効果も高く、他の二社と比べると客数の減少具合も最小限に留まっている。

松屋のキムカル丼松屋は客数と客単価のバランスを取る姿勢が巧みで、客単価が不調気味でもその分客数がカバーをし、売上高を積み増し、安定的な売上を継続するスタイルを踏襲している。しかしここ数か月ばかりは客数の減退が目立ち、客単価の勢いにも陰りを見せている。【松屋、キムカル丼を8月23日から復活販売】にもある通りキムカル丼の復活発売や、【店舗数の1000店突破】【券売機の改善】など細かいポジティブなニュースは相次いでいるが、今の所成果は表れていない。

すき家は【牛トロたっぷりチンゲン菜がしゃきしゃき感を追加・すき家で「牛トロ丼」発売開始】【すき家、プリンなどオリジナルスイーツを発売】などにもある通り、多方面で客単価の引き上げを模索しているが、その分客数の減少が目立つ形となった。

8月分を各社一言ずつでまとめると、「吉野家…客数わずかに減るも客単価の堅調さで売り上げはトントン」「松屋…新メニューの展開や券売機の改良など地道な歩みは続くも客単価は微減、客数減少も大きく、売り上げはマイナス」「すき家…客単価は上昇中、客数減少幅大きく、売り上げもマイナス」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年8月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年8月)

2011年3月以降は東日本大地震・震災による直接的影響に加え、消費マインドの変化、活力向上祈願も兼ねた安売りセールの連発などで、客単価や客数、そして売上も大きく変化している。特に毎月のように繰り広げられた安売りキャンペーンは「牛丼なのにチキンレース」というあまり笑えない状況を生み出し、さすがに昨今では沈静化を見せている。この数か月はそれらの「無理な前進」の後遺症のような低迷ぶりが目に留まる。特に客数動向の点で、前年同月比マイナスが続いているのが気になるところ。

昨今では吉野家の『焼味ねぎ塩豚丼』やすき家の積極的スイーツ展開のように、各社ともブランド力の回復や客単価の引き上げなど、現状を打破するのが目的のさまざま施策を打ち出している。これらの動きが逆に客足を遠のかせているとしたら、皮肉な面もあるというものだ。


■関連記事:
【牛丼御三家の店舗数推移をグラフ化してみる(2011年12月版)】

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