アメリカの中流意識

2012/08/27 12:00

中流アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年8月22日、アメリカにおける「中流階級意識」に関する調査報告書【The Lost Decade of the Middle Class】を発表した。今回はその中から、実際にどれ程の人が「自分は中流階級にある」との意識を持っているのかについて、スポットライトをあてていくことにする。

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今調査のうちPew Research Centerが調べた部分については、同社が2012年7月16日から26日にかけて、RDD方式で選ばれたアメリカ合衆国内に住む18歳以上の男女2508人に対して、電話の音声にて英語・スペイン語を用いて行われたもの。調査結果には国勢調査を基にしたウェイトバックがかけられている。

今項目では厳密には「上流」「中の上流」「中流」「中の下流」「下流」に区分されており、そのうち「上流」「中の上流」を「上流」、「中の下流」「下流」を「下流」にまとめている。

全体では約半数の49%の人が「自分は中流階級にある」という意識を持っていた。「上流」は17%、「下流」は32%となる。

↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2012年)
↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2012年)

男女別ではあまり変化はないが、女性がやや中流意識が強い。そして世代別では上流意識者にさほど違いはないものの、歳を経るに連れて中流意識者が増え、下流意識者が減っているのが分かる。見方を変えれば、若年層ほど下流意識が強くなる。

そして世帯収入別に見ると、収入が多いほど、上流意識が強くなり、下流意識が弱くなる。年収10万ドル以上の世帯構成員の場合、下流意識を持つ人は6%でしかない。3万ドル未満の人は過半数、6割近くが自分自身を下級階層と見ている。また、学歴も高学歴ほど上流意識が強くなるが、これは年収と多分に連動性を持つことが最大の要因だと考えられる(高学歴ならば高年収足りえるという次第)。

自分がどの立ち位置にいるかは多分に年収(お金)が左右することを再認識させる結果だが、他方で時代の流れと共に全体的な意識は下級意識化しつつある。

↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2008-2012年)
↑ 自分は上流・中流・下流のどの階層にいると思うか(米、2008-2012年)

これが単に社会構造・環境上の意識変化を起因とするのか、それとも年収と階層意識との連動性から「年収が減っているので下流意識を持つ人が増えたのか」までは、今件報告書の該当項目では言及されていない。ただし3年で若年層が急増したわけではないことを考えると(つまり「若年層は下流意識保有者が多い」ことから、3年間で若年層が急増すれば、全体における下流意識保有者も増えるはず)、経済の不安定化が少なからず作用している感は否めない。

年代的にも2008年がリーマンショック前後、2012年が金融不況からようやく抜け出始めた雰囲気がみられる状態にあること(表現を変えれば長い不況のさなかにある・あった)を考えれば、納得はできるというものだ。


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