2012年7月の熱中症での病院搬送者、2万1082人に

2012/08/18 06:30

総務省消防庁は2012年8月17日、同年7月における熱中症による全国の救急搬送の状況(確定値)を発表した。それによると同年7月における熱中症による救急搬送者は2万1082人となり、昨年2011年の7月での数字1万7963人と比べ17.4%の増加が見られたことが分かった。例年と比べて日照時間が長く、猛暑となったこと、気流の影響などもあり、高温となった時期が多かったのがプラスに働いたようだ(【発表リリース、PDF】)。

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今年の7月は前半から中旬にかけて梅雨前線が停滞し、一部地域で大雨が降り、甚大な災害も発生。中旬以降は晴れの日が多くなったが、それでも一部地域では再び湿った気流の影響により雨がもたらされることとなった。気温は2010年の「酷暑」ほどではないものの、平均と比べて高い日が続き、さらに西日本地域における節電要請も熱中症リスクを上乗せする形となった。

今回の発表によれば、2012年7月の全国における熱中症による救急搬送人員(要は救急車で医療機関に搬送された人)は2万1082人となり、昨年2011年の7月における1万7963人の17.4%増という値になった。

↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員(2010-2012年、各7月、人数比)

新生児・乳幼児では人数は減少しているが、それ以外の階層では増加している。そして前年比を算出すると、成人(18-64歳)の増加が一番大きい。働き人が多い世代の熱中症の増加は、職場での無理がたたっている可能性が高く、注意を要する。

就労世代の熱中症患者の増加に伴い、搬送時の初診傷病程度も変化。全体に占める軽症者の比率が増加しているのが確認できる。ただし人数としては中等・重症・死亡事例も昨年比で増加している事実は忘れてはならない。

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2012年、各7月、人)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2012年、各7月、人)

↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2012年、各7月、人数比)
↑ 熱中症搬送人員初診時傷病程度(2010-2012年、各7月、人数比)

軽 症:入院を必要としないもの
中等症:重症または軽症以外のもの
重 症:3週間の入院加療を必要とするもの以上
死 亡:医師の初診時に死亡が確認されたもの

「中等症」とは上記説明から「3週間未満の入院を必要とするもの」となる。それだけ搬送時に状態が悪化していたことを考えると、本人が無理をしていたか、あるいは発見が遅れたことが想定できる(入院の必要性の有無という点では、軽症と中等症との差は大きい)。患者全体に占める就労世代の比率が増えれば、そのような事例が増加する結果となるのも理解はできる。

リリースでは今回の状況を受け、「熱中症を予防するには、暑さを避け、こまめに水分を補給し、急に暑くなる日には注意することなどが必要」「高齢者は温度に対する皮膚の感受性が低下し、暑さを自覚できにくくなるので、屋内においても熱中症になることがあるので注意が必要」と呼びかけている。

自分自身はもちろんのこと、身の回りに該当しそうな人がいた場合、積極的に声をかけるなどして、事象の発生を極力防ぐ努力をして欲しいものである。【東京都荒川区が実は先進的な節電方法「クーリングスポット」を実行していた件について】で紹介したような、公的機関における「クーリングスポット」へ誘うのも一つの手といえよう。

なお8月に入るとお盆休みに入ることや、気温が一時的に穏やかになったことを受け、熱中症による救急搬送数も低下している。【熱中症による搬送者数、1週間で3186人に(8月6日-8月12日)】でも記したように、直近週の8月6日-12日では3186人が救急搬送されており(速報値)、7月23日-29日の9066人をピークに、少しずつ減少を見せつつある。

↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2012年・人)
↑ 熱中症による救急搬送状況(週単位・速報値・2012年・人)(再録)

盆休み明け以降、残暑による熱中症の再増加が気になるところ。東京では8月16-17日にかけて平均気温が相次いで30度を超え、特に17日は最高気温が35.7度となり、8月では初の猛暑日を記録している。くれぐれも注意してほしい。

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