ギリシャはほぼ100%、エジプトも上位10位圏内に(国債デフォルト確率動向:2012年8月)

2012/08/15 12:10

2010年12月に掲載した、国債・公債のデフォルト確率上位国をグラク化し分析した記事で説明したように、、経済動向を推し量るのを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2012年8月分として、15日時点の数字についてグラフ化を試みることにした。

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国公債のデフォルト確率を意味するCPD(5年以内のデフォルト可能性)の細かい定義、データの取得場所、各種概念は一連の記事まとめ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説しているので、そちらで確認してほしい。

今件のグラフは日本時間で2012年8月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。今回はいくつかの国で順位変動があり、さらにアイルランドが上位10位圏から離脱、代わりにエジプトの姿が確認できる。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2012年8月15日時点)

しばらく前に「デフォルト扱いされて『確率』の上で100%となり掲載対象外になった」「CAC(ギリシャ債務交換において発動された集団行動条項)でランキングのはるか下までCPD値が減少した」のいずれかの理由で10位内からは脱落していたギリシャはその次の月、何も無かったかのように高値で復活した経歴を持つ。今月は先月よりもほんのわずかながらCPDの値を下げているが、すでに98%を超えており、誤差の範囲でしかない(「98%を超えて」を「49/50を超えて」と分数で表現すると状況が良くわかる)。

また先月でも指摘したが、上位陣は【若年層の失業率、スペイン52.7%・ギリシャ52.8%、共に悪化中…ヨーロッパの失業率をグラフ化してみる(2012年6月分)】などでも示しているように、失業率の高い国と一致する事例が多く、財務状態と雇用市場の連動性を改めて知る事ができる。ただし今月はヨーロッパ勢は幾分ではあるが、状況の改善が見られる。特にスペインは、失業率の点ではEU内で最悪の値を示しているものの、CPDでは(EU外も合わせて)9位、先月からは状況改善の兆しすら見られる。

キプロス中央銀行ヨーロッパ諸国が幾分値を下げる(=リスク軽減の兆し)中で、グラフの上でギリシャの隣に位置することが多いキプロスは、値を微妙に上げている。同国は場所的関係もありギリシャとの取引が多く、ギリシャの財政破たんに伴いリスクを積み増す状態となっている。また同国は6月25日にEUに対して救済を求めており、状況の悪化が懸念されている。

今件については先月末の【内閣府による『今週の指標』中「キプロス財政の現状について」】で詳しく解説されているが、現在(EUからの支援に先立ち)同国内の財政状態の審査が行われている最中とのこと。特に同国では「金融資産の総資産がキプロス自身のGDPの7倍以上にのぼる」額であり、今後の動向が気になる。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2012年第1四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt Credit Risk Report、PDF)】で確認できる。それによると、CPDは8.0%・格付けはa+で順位は16位。2011年第4四半期の値がCPD値11.2%・格付けaa-・順位20位なので、状況は改善、世界各国との相対的なリスクも低下している。来月の今頃には第2四半期レポートも確認できるはずなので、いかなる変化を見せるのかに注目したい。

日本の企業動向、株式市場にも大きな影響を与えている、そしてCPDの動きにも(間接的に)影響を及ぼしているといえる(ユーロ安はユーロ圏の財政が不安定化しているのが最大要因。そして財政不安状態はそのままCPDの上昇につながる)ユーロ動向だが、1ユーロ95円内外をつけたあとに多少の戻しを見せている。しかしこの数年の区切りでは、もみ合いながらの下落のさなかにあるように見える。今後各種情勢の回復、つまりユーロの安定に伴うユーロ高を期待できるような、財政危機の打開方向は見えてこないため、再び95円を割り込んだ展開となる可能性も高い。

↑ ユーロ変移(対円、終値、2011年1月3日-2012年8月14日)
↑ ユーロ変移(対円、終値、2011年1月3日-2012年8月14日)

このような状況だからこそ失業率の動向と合わせ、債券リスクに絡むCPDの値は、各国の経済情勢をかいま見る有効な指標の一つとなりえる。今後も失業率同様、CPD値には注意深く監視の目を向けたいところだ。


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