主要テレビ局の直近視聴率をグラフ化してみる(2012年8月時点)

2012/08/14 12:00

先日までにテレビ局のキー局における決算短信が次々に発表され、各種データの精査が可能となった。色々と気になるデータが目に留まったが、中でも一番注目したのは、視聴率周りの動向。半年ほど前にまとめたキー局の視聴率は、どのような変異を見せているのか。今回も合わせ、関連するいくつかの「テレビ視聴率周辺」の記事を、最新の状況を反映したもので再構築することにした。各局の主力販売商品となるテレビCM枠の価値を裏付ける視聴率は、各局でどのような違いを見せているのだろうか。

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視聴率については以前【「テレビをつけている時間」と「視聴時間」、「視聴率」を考え直してみる】で詳しく解説したが、日本では現在ビデオリサーチ社のみが計測を行っている。各局の短信に掲載されているデータもビデオリサーチ社提供のため、どの局の短信資料で発表された数字でも、基本的に同じものとなる。

なお地デジ化の際、新聞のテレビ欄などにおけるキー局の並びも変更されたため、本来一連の記事のテレビ局順も変更すべきとの意見もある。しかし並びの違いで数字に変化が起きるわけではないこと、そして何よりも過去の記事との混乱を避けるため、順列はそのまま維持してグラフ化を行う。

そこでまずは現時点で直近に該当する、2012年3月期(2011年4月-2012年3月)通期における視聴率をグラフ化したのが次の図。データそのものは【TBSホールディングス・決算説明会資料集ページ】内にある【2012年3月期通期決算説明会配布資料(PDF)】から取得した。また、通期分と上期分があれば、逆算して下期分の値も算出できるため、参考資料として下期分のグラフも併記しておく。

↑ 2012年3月期・通期視聴率(2011/4/4-2012/4/1、週ベース、ビデオリサーチ)
↑ 2012年3月期・通期視聴率(2011/4/4-2012/4/1、週ベース、ビデオリサーチ)

↑ 2012年3月期・下期視聴率(2011/10/3-2012/4/1、週ベース、ビデオリサーチ)
↑ 2012年3月期・下期視聴率(2011/10/3-2012/4/1、週ベース、ビデオリサーチ)(概算値)

テレビ東京は在京キー局とはいえ、他局と比べて放送エリアの問題や放送内容の特異性もあり、視聴率が低めなのはある程度仕方のないところ。それを除けば、TBSが主要キー局では視聴率が一番低迷している。いわゆるゴールデンタイム・プライムタイム双方で10%台(10%以上11%未満)なのは(テレビ東京以外では)TBSのみ。季節属性を無視し、単純に前半期(2012年3月期の上期)と比べても、ゴールデン・プライム双方で0.1ポイントずつ低下している。もっともこれでも前年通期比では0.2-0.3ポイント状況は改善されているのだから、まだ良しとすべきだろう。

ゴールデンタイムに限定すれば日テレがトップ、次いでフジテレビ、テレビ朝日、そしてNHK。前回記事(2012年3月期の上期分)と比べると、テレビ朝日の健闘と、NHKの後退が目に留まる。多分にこの時間帯で放映されている、色々と話題をかもしている大河ドラマの視聴率動向が影響を与えているとも考えられる。

視聴率の変移を前年(同期)比で表すと次のようになる(通期計算の比較のため、比較対象は2011年3月期”通期”のもの)。

↑ 2012年3月期通期・視聴率前年(同期)比(週ベース、ビデオリサーチ)
↑ 2012年3月期通期・視聴率前年(同期)比(週ベース、ビデオリサーチ)

あまりにもよく分かる形で、キー局の直近動向が反映されている。日テレは前回記事の上期同様、ゴールデンタイム・プライムタイムでは健闘しているものの、全日ではマイナスの動き。TBSの堅調さは前回参照した資料にも明記されているが、上期に「JIN-仁-」をはじめとしたドラマにヒット作が続出したのが最大要因。下期はやや落ち込んだが、レギュラー番組の堅調さ(例えば「ぴったんこカン・カン」は通期視聴率が15.0%を挙げている)が、通期での低下を最低限のものに押しとどめている。

フジ・テレ東・NHKは押し並べてマイナス。特にNHKはゴールデン・プライム双方で0.3ポイントの下げを示しており、「質のNHK」らしからぬ動きといえる。

もう少し期を細かく区分、あるいは中長期的な流れを見ると、少し異なる姿を見せる面もあるが、大勢としてはこのような流れの中にあると見てよい。この視聴率の変化動向が、今後のテレビ放送事業にどのような影響を及ぼすのか、気になるところだ。

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