小学生向けだけでなく幼稚園児向け雑誌も下落のさなか…「小学1年生」-「小学6年生」などの部数動向(2012年4-6月分)

2012/08/18 06:50

先日掲載した記事【少年・男性向けコミック誌の部数変化をグラフ化してみる(2012年4月-6月データ)】などをはじめ複数の記事で、【社団法人日本雑誌協会】が発表した、2012年4月から6月分の主要定期発刊誌の「印刷証明付き部数」を元に、いくつかのグラフを生成し、状況の解説を行った。一方、【「小学五年生」「小学六年生」が休刊・来年春に学習まんが誌「GAKUMANPLUS」を創刊へ】【「小学三年生」「小学四年生」来年2月売り号で休刊】で報じている通り、小学生向け雑誌「小学五年生」「小学六年生」はすでに休刊・「小学三年生」「小学四年生」も2012年2月売り号で休刊となった。そこで今回は2008年春以降の「小学一年生」-「小学六年生」だけでなく、【その他色々な雑誌部数の変化をグラフ化してみる(2012年4-6月データ)】で説明しているように、一部幼稚園児向け雑誌も含め、グラフ化を試みることにした。

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データの取得場所の解説、「印刷証明付部数」など用語の説明、諸般注意事項は一連の記事まとめ記事【定期更新記事:雑誌印刷証明付部数動向(日本雑誌協会)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

2008年4-6月以降3か月単位で「小学一年生」-「小学六年生」の「印刷証明付き部数」の推移を示したのが次のグラフ。「小学五年生」「小学六年生」は休刊により、2009年7月-9月のデータが最後となっている。また上記にある通り「小学三年生」「小学四年生」も2012年2月売り号で休刊しており、部数データの提供も2011年10-12月の時点でストップしてしまった。さらに「GAKUMANPLUS」は名前だけで判断すると今件記事からは除外されるのだが、「小学五年生」「小学六年生」の統合・刷新版の立ち位置にあるため、あえて反映させている(こちらもすでに休刊済み)。

↑ 小学一年生-六年生の印刷証明付き部数推移
↑ 小学一年生-六年生の印刷証明付き部数推移(2012年4-6月期まで対応)

学年が上がるにつれて学習学年誌から離れる(他の雑誌・媒体に目が移る)のは容易に想像ができるが、それにも増して「小学五年生」「小学六年生」が部数的に元々かなり危ない領域に達して「いた」ことが確認できる。そして、同じような流れを「小学三年生」「小学四年生」も見せており、動向が懸念されていた。その懸念通り両誌とも、「小学五年生」「小学六年生」と同じ道をたどる事となった。

一方で「小学一年生」「小学二年生」はいわゆる季節変動によるぶれも大きいが、それなりに部数を示していたものの、2010年以降は下値を模索中。前回記事の直前期では前年同期比でも大きな伸びを見せ、「やや風向きが変わってきた雰囲気」と評したものの、今期では再び大幅な下落。前年同期比でそれぞれマイナス18.5%・マイナス8.2%という、好ましくない値を示している。経験則からは「5万部が最終防衛ライン」に見えるが、「小学二年生」はそれに迫りつつある。

さて、【その他色々な雑誌部数の変化をグラフ化してみる(2012年1-3月データ)】にもある通り、同一ジャンルでの継続確認誌が2誌のみというのはあまりにも物足りないため、前期から定期チェック記事では幼稚園関連の3誌を追加している。こちらでも同様に「入学準備学習幼稚園」「幼稚園」「たのしい幼稚園」の3誌をチェック用雑誌として追加しており、それを含めたグラフを生成する。タイトルに「など」が入っているのが、幼稚園周りの雑誌を含めた証。

↑ 小学一年生-六年生などの印刷証明付き部数推移
↑ 小学一年生-六年生などの印刷証明付き部数推移(2012年4-6月期まで対応)

幼稚園関連の雑誌では「小学●年生」のような季節属性はほとんど見られず、「たのしい幼稚園」が横ばい、「幼稚園」「入学準備学習幼稚園」が漸減しているのが分かる。子供向け雑誌が厳しい状況にあるのは、何も小学生対象に限ったものではない。特に後者2誌はこの5年間でそれぞれ約半数に部数を落としており、早めに手を打つ必要性があるように見える。

これを「現在も発売中」の雑誌に限り、整理したのが次のグラフ。

↑ 現存「小学●年生」シリーズと幼稚園回り(一部)の雑誌・印刷証明付き部数推移
↑ 現存「小学●年生」シリーズと幼稚園回り(一部)の雑誌・印刷証明付き部数推移

やはり「小学二年生」と「幼稚園」「入学準備学習幼稚園」がやや軟調。「小学●年生」シリーズの「5万部が最終防衛ライン」が他誌に通用するとは考えにくいが、「入学準備学習幼稚園」はかなり焦りを覚える領域に達している(もっとも同誌は季刊誌であり、他誌と比べて印刷部数に関する制限もゆるいのかもしれない)。

元々少子化、さらにはメディア環境の大きな変化という厳しい舞台下での戦いではあるが、だからこそダイナミックな変化が求められている。妙な大人サイドの独りよがりに走らず、子供本人、そして保護者の双方が喜んで手にとれるような雑誌作りを目指し、良い数字が出ているものには素直に「良い所取り」を模索すべき。

特に「小学●年生」で現存している二誌「小学一年生」「小学二年生」は今期の落ち込み具合が気になるところ。次期の動向次第では、大規模なテコ入れが不可欠と判断されるに違いない。

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