女性中高齢層で減少傾向に足踏み感…年齢階層別成人喫煙率をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/07/30 05:26

先に【2016年の全体喫煙率19.3%、男性は史上初の3割未満・女性はわずかに増加(JT発表)】で伝えたように、JTは2016年7月28日に、2016年分となる「全国たばこ喫煙者率調査」の結果を発表した。この発表資料には年齢階層別の喫煙率も掲載されており、当サイトが中期的に定期更新している「世代別喫煙率推移」(JT発表資料ベース)の各値も、最新値を盛り込むことが可能となった。そこで今回はその反映をした上で、最新の喫煙率状況を中長期的な流れで把握できるグラフを作成し、状況を精査することにした。

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今回入手したデータを元に、1965年以降版、そしてもう一つ別途のグラフとして、最近の動きが良くわかるように取扱い範囲を2001年以降に限定した版が次の図。

↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(-2016年)
↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(-2016年)

↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2016年)
↑ 性別・年齢階層別喫煙率の推移(JT調査から)(2001年-2016年)

JT側では2006年前後に調査方法を変更しているが、それについては「調査方法の変更により直接の連続性はない」と説明している。しかしその変化内容を確認すると、2006年以降は調査母体数をほぼ倍増し、回収方法を「訪問回収」から「郵送回収」に変更したことに限られていた。訪問と郵送による回収率・回収応答者傾向の違いはあるが、両調査結果の質の大勢には影響を与えないものと推定できる(実際、回収率の変化もほとんど見られない)。

そこで今件においては「2006年以前・以後のデータに直接的な連続性はない」ものの、「喫煙率の動向を推し量る中長期的な観点でのデータ検証上では、その誤差は無視・容認できるもの」と定義し、精査を行う。

さて今回2016年分を反映させたが、一年で大きく状況が変わることは無く、

・男性は減少傾向。特に50歳以降の高齢者、また最近では20代の若年の喫煙率減少が著しい。

・女性は1980年前後を境に「高齢層>若年層」から「高齢層<若年層」に。

・女性は高齢者の喫煙率は減少傾向にあるが、50歳以下、特に20代から30代の喫煙率が前世紀末では上昇していた。中でも20代はこの40年で喫煙率が2倍増になった。

・今世紀に入ってからは女性で「若年層…横ばいか減少」「中堅から高齢層…横ばいか微増」となり、前世紀末期とは逆の動きを示している。中でも20代は減少を続けている。

などの傾向が見られる。

他方、上記グラフでは分かりにくい部分もあるが、ここ数年に限ると、男女ともに若年層の喫煙率の減退と、特に女性における中堅層以降の足踏み感、むしろ上昇の気配が見受けられる。単年ならばイレギュラーと解釈することもできるのだが、女性は40代以降で4、5年に渡る横ばい感、50代ではさらに上昇機運が確認できる。今件は喫煙者数ではなく喫煙率であり、高齢層人口の増加との直接的な関連性は無いが、注視すべき動きには違いない。

↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2011年-2016年)
↑ 性別・世代別喫煙率の推移(JT調査から)(2011年-2016年)

女性において若年層にあたる20代、30代はともかくも40代以上で喫煙率の減少に足踏み感、さらには反動の兆しが見えるのには大いに留意が必要である。人口比では高齢層の方が多い以上、その層で喫煙率が減少しなければ、今後全体の喫煙率も横ばい、さらには上昇を示す可能性が出てくる。今回2016年において女性全体では前年比でわずかながら上昇したのも、極論としては中堅層以降の上昇ぶりが起因となっている。

中堅層以降の喫煙率の減退が下限に達した可能性もあわせ、今後とも注意深く動向を見守りたい。


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