各国の固定電話と携帯電話の普及率推移をグラフ化してみる(先進諸国編)(2016年)(最新)

2016/08/04 05:04

【国際電気通信連合(ITU: International Telecommunication Union)のデータ項目ページ】では原則年1回のペースで、ITU加盟国における携帯電話やインターネットなどの電気通信関連の統計データを集計した上で更新・公開している。これは諸外国の通信機器の普及推移、さらにはインフラの浸透状況を概略的に把握できる値として、世界各国において指標の一つとして用いられている、貴重なデータである。今回はその中から、独断と偏見ではあるがいくつかの「先進諸国における、固定電話と携帯電話の普及率の推移」を抽出し、その動向について精査を行うことにした。

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「先進(諸)国」には色々な定義、見方がある。今回は単純にG7各国との区切りを用いることにする。さらにアメリカ合衆国は【米電話普及率推移(最新)】にもあるように、ほぼ同義の定点観測記事を(CDCからのデータではあるが)展開しているので、今回はデジタル系の他記事でもしばしば登場する日本・イギリス・ドイツ・イタリアの4か国に対象を絞ることにする。

なお今件における「固定電話普及率」は世帯ベースではなく個人ベースなことに注意してほしい。そして1世帯に固定電話を複数台契約する状況はあまり想定できず、100%到達は困難な実情を留意しなければならない。

最初は日本。

↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(日本)(-2015年)
↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(日本)(-2015年)

携帯電話の普及率は順調に上昇を続け、2011年でついに100%を超えている。そして2015年ではさらに数字を上乗せして125.1%に。一方で固定電話はほぼ横ばいから漸減傾向に。2009年時点で数字が大きく跳ねているが、これは2008年まではIP電話を除外しており、2009年からカウントしたことが原因である。このまま進めば固定電話普及率の5割切れもそう遠い未来の話では無い…と思われるのだが、案外低下率は低め。それどころか直近の2015年では2014年に続きいくぶんの前年比で上昇すら見られる。恐らくはこの領域をしばらく維持するのだろう。

続いてイギリス。

↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(イギリス)(-2015年)
↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(イギリス)(-2015年)

イギリスは2009年時点で携帯電話普及率は飽和状態に入ったように見える。それ以降はほぼ横ばいの値を示し続けている。一方で固定電話の普及率は少しずつだか確実に減少し、直近2015年では52.7%。ただし2000年時点では59.8%とやや高めだったこともあり、半数切れにはもう少し時間がかかりそう。日本の方が早いかもしれない。

次いでドイツ。

↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(ドイツ)(-2015年)
↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(ドイツ)(-2015年)

ドイツもイギリス同様、固定電話の普及率が元々高く、下げ幅も小さめ。2015年でも数年来の下げ基調の継続の中にあるが、それでもまだ54.9%も有している。一方で携帯電話の普及率もイギリスに似た形で2008年で頭打ち。

ただしドイツの場合は先行記事で解説の通り、2009年から2010年にかけて契約数のカウント方式に変更があり、それが携帯電話普及率下落の要因となっている。他方、2013年以降の減退はそのような方式変更によるものは無く、純粋な減少。また固定電話の値で2009年時点に上昇が見られるが、これは日本の事情と同じで、IP電話の数を加えたのが原因。

最後にイタリア。

↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(イタリア)(-2015年)
↑ 固定・携帯電話普及率推移(契約数/人口)(イタリア)(-2015年)

【インターネットと携帯電話の普及率を世界の他国と比べてみる】で解説した通り、複数のSIMカードを携帯電話に用いる契約事例が多いイタリアだが、今件は契約数でカウントしているため、当然携帯電話の普及率も高いものとなる。2000年時点ですでに携帯電話普及率が74.1%に達し、固定電話は47.7%と低め。そして2007年で早くも携帯電話普及率は飽和状態となり、固定電話は漸減を続けている。

2010年以降はスマートフォンの普及に伴うものと思われる、携帯電話の普及率増加の兆しが見えた。しかしながら2013年以降は再び失速の動きに転じている。

ともあれ数字の限りでは、今回の4か国の中で一番「進んでいる」のがイタリアではある。


今件記事ではG7の中でも特に目に留まった4か国をチェックした。新興国側では同様に数か国を選んだ上で、別記事で紹介・更新を行う。大きな流れに差異は無いものの、「程度」や「タイミング」でその国独自、あるいは新興国ならではの動きが確認できるので、ぜひ一覧記事【逐次新値反映記事:ITU発表データによる諸外国携帯電話やインターネット事情】経由で確認をしてほしい。


■関連記事:
【世界中で減少する固定電話、増加する携帯電話…固定・携帯電話の普及率をグラフ化してみる(2012年発表版)】
【携帯・PHSなど合わせて154.0%の普及率…総務省、2016年3月末の状況を発表(2016年)(最新)】
【世界地域別インターネットの普及率などをグラフ化してみる(2016年)(最新)】

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