3DS LLの発表で買い控え発生か、全世界で四半期売り上げは186万台…ニンテンドー3DS販売数動向(2012年度1Q)

2012/07/26 06:45

[任天堂(7974)]は2012年7月25日、2012年度(2013年3月期、2012年4月-2013年3月)第1四半期決算短信を発表した。為替差損やニンテンドー3DSのソフト・ハード両面での売れ行き不振などから内容は思わしいものではなく、四半期単位での赤字計上は続いている。今回はそれらの業績はさておき、前四半期記事に続く形で、ニンテンドー3DSの販売動向をまとめ、グラフ化してみることにする。

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データの取得場所の解説、対象としている機種(3DSシリーズ)の概要などは一連の記事まとめページ【定期更新記事:ニンテンドー3DS販売動向(任天堂)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

今回発表されたデータを元に、先の記事と同様に同機の販売動向をグラフ化したのが次の図。なお元データは万台単位までの表記で、今回はその値を差し引きしているため、項目によっては実数値と2-3万台程の差異が生じている場合がある。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)

現時点で発売開始からの累計販売台数は、全世界で1900万台。今期に限れば186万台。現時点で今期販売目標台数が1850万台(全世界)であり、その約1割という計算になる。このようにグラフ化すると、改めて(値下げ効果も大きいが)年末商戦の大きさが確認できる。なお最初の期「2010年4月-2011年3月」は一年分の時間区分ではあるが、発売日が2011年2月26日以降(日本での発売が世界で最初)のため、実質的に他の期同様四半期と見て問題は無い。

そして直近の2012年度第1四半期(2012年4月-6月)においては、売上はやや低迷。「その他」地域で前期比プラスを見せているが、あまり思わしい状況とはいえない。もっとも昨年同期と比較すると、むしろ多少ながらもプラスであり、季節属性的には健闘していると解釈することもできる。

これを販売時期に区分し、それぞれの時期における各地域での販売数を積み上げた形にしたのが次のグラフ。2011年度第1四半期の不調ぶり、そして値下げ効果と年末商戦効果が2011年度第3四半期の大きな上昇気流となったこと、さらにはその反動で次の四半期が再び大きく落ち込んだのが良く分かる。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(期別推移)

日本での値下げ発表は2011年7月28日、値下げ開始は同年8月11日。値下げ発表後は買い控えが起きるので売上はそれ以前より落ち、そして第2四半期における値下げ効果が発揮された時期は2か月足らずでしか無い(日本国内の話)。にもかかわらず販売台数は日本国内だけで4倍強(21万台→87万台)に達している。そしてそこからさらに3倍以上もの売上が第3四半期に発生しており、年末商戦の勢いが改めてうかがい知れる。その分、第4四半期の失速ぶりが目立つ。

今回発表分の2012年度第1四半期ではさらに落ち込みが見えるが、これは前述したように「季節属性」によるところが大きい。そして今四半期の末にかけて新型(3DS LL)の噂が流れたり公式発表があったことで、買い控えが起きたのも作用していると考えられる。

最終的な2012年度期における販売目標台数に対する、進捗状況結果をグラフ化したのが次の図。

↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年4月-2013年3月期における目標販売台数1850万台に対する達成状況)(第1四半期時点での同期内販売累計)
↑ ニンテンドー3DS本体販売動向(万台)(2012年4月-2013年3月期における目標販売台数1850万台に対する達成状況)(第1四半期時点での同期内販売累計)

達成率はおおよそ10%。月日の長さだけで考えれば25%に届いていないと目標達成は難しいことになる。もっとも今記事冒頭や以前から繰り返している通り、任天堂のハードは年末商戦で大きく伸びるのに加え、今期では7月28日から新型の「ニンテンドー3DS LL」が登場、そして3DSとの相乗効果が狙える新型家庭用据え置き型ゲーム機「Wii U」を年末展開として控えており、今回の「期内目標に対する達成率約10%」は想定の範囲内という解釈もできる。



前四半期の記事でも触れているが、3DSの採算性の問題については目途が立っており、先日のロイター電【任天堂の4─6月期は営業赤字103億円、「3DS」逆ざやは解消へ】によれば、「4-6月の営業赤字の要因となった3DSの逆ざや(売れば売るほど単品単位での利益面において赤字になること。要は価格以上に費用がかかっていること)は、現時点で製造している分においては、完全に解消したという」とのことで、少なくとも営業成績上の懸念の一つは払しょくされつつあるようだ。

また、繰り返しになるが、そして前回の記事でも任天堂の岩田社長が語っていたように、「Wii U」の年末発売が予定されているため、例年以上に「年末商戦の比重が高くなる」。その「Wii U」と連動する3DSも大きく動く可能性が高い。見方を変えると、次四半期の第2四半期(2012年7-9月期)までは、3DSの動きも鈍いものになる可能性は高い(3DS LLでどこまで持ち直せるか、引き上げるかが見もの)。

さらに利用者の支配時間・可処分所得の視点でライバルの立ち位置にある、スマートフォンをはじめとしたモバイル機は、さらに売れ行きを伸ばし、普及率を押し上げている。ユーザー層が完全に一致するわけではないが、影響が生じていることも間違いない。これらの周辺状況の中、ニンテンドー3DS売れ行きを示していくのか、気になるところだ。


■関連記事:
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