積極利用の若年層、ほとんど使わぬ高齢者…米テレビ視聴と携帯電話の「ながら関係」をグラフ化してみる

2012/07/23 06:35

テレビの未来像アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年7月17日、同国のテレビ視聴と携帯電話利用に関する報告書【The Rise of the “Connected Viewer”】を公開した。今回はその中から「テレビ視聴中における携帯電話の利用スタイル全般と、スマートフォン・一般携帯電話による利用頻度の違い」について見ていくことにする。

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今調査はアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対して2012年3月5日から4月3日にかけて、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による口頭インタビュー(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2254人。固定電話で出た人は1351人、携帯電話は903人(うち410人は固定電話なし)。調査結果の素値は国勢調査結果によってウェイトバックがかけられた上で、各種計算が行われている。

先行する記事で触れているが、テレビ視聴中の「ながら携帯利用」の事例として7つほどの項目を挙げ、それらのうちいずれかの行動をしたか否かを聞いたところ、全体では半数強の52%が「経験あり」と回答していた。

↑ 過去30日間においてテレビを観ている最中に、一息入れたり情報を入手したり、他人と意思疎通をするために携帯電話を使った人の割合(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)
↑ 過去30日間においてテレビを観ている最中に、一息入れたり情報を入手したり、他人と意思疎通をするために携帯電話を使った人の割合(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)(再録)

また、具体的な行動においては利用のしやすさやアプリの対応の有無、制限時間などの関係で、スマートフォン利用者の方が大いに「ながら携帯利用」をしているのが分かる。

↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)
↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)(再録)

それでは主要項目について、世代別動向を見てみようというのが今回項目の主旨。まずはソーシャル性が薄い項目について。

↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(世代別)(米、2012年3-4月)(携帯電話保有者限定)
↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(世代別)(米、2012年3-4月)(携帯電話保有者限定)

若年層ほど利用率が高いのは、最初のグラフやデジタル系サービスの事例の通り。若年層ほどスマートフォン所有率が高いのも、確実に影響しているはずだ(残念ながら今報告書では、「一般携帯/スマートフォン」「各項目」で区分したマトリクスな公開データは無い)。それでもテレビ番組内容について、自分自身が気になった項目の補てん情報に関しては、シニア層もそれなりに行動しているようにも見える(一番左の項目、「他人の語りをチェック」はシニア層の行動率が他の2項目と比べて低い)。

これがソーシャル系の項目となると、大きな世代間格差が生じる。

↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(知人と/参加系)(世代別)(米、2012年3-4月)(携帯電話保有者限定)
↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(知人と/参加系)(世代別)(米、2012年3-4月)(携帯電話保有者限定)

左2つの項目「感想の書込み」「SMSでのやり取り」は24歳までの層で非常に大きな利用率を見せる。この層が「テレビ視聴を介した知人とのコミュニケーション」に積極姿勢を見せているのが分かる。学校内などで前日のテレビ番組について色々なやり取りをし合う語らいが、携帯電話を介して「視聴中・視聴直後」に行われている次第である。

逆に高齢層の利用率は非常に低い値。テレビ視聴そのものに夢中なのか、テレビ番組をコミュニケーションの素材として使うことには「さほど」興味は無いようだ(ただし親しい間柄ではそれなりのやりとりが確認できる)。

「番組の投稿コーナー」は、対応アプリがあるか否かなどの問題、そして前提として対応する番組を観ている人の少なさもあり、回答率そのものが低い。中堅層の回答率が高めなのも、視聴そのものをしている率の高低が多分に影響しているのだろう。



元々テレビ番組・テレビ視聴はハードルの低いエンタメという特性から、それ自身を楽しむこと以外に、「他人との共通性の高いコミュニケーション素材」としての役割をも多分に持っている。シンプルな表現なら「話のネタにテレビ番組を使う」という次第。

そのコミュニケーションが携帯電話の普及で「リアルタイムに、その時点で」出来るようになりつつある点には、大いに注目したい。「ながら携帯利用」はスマートフォンの普及に連れ、今後ますます重要視・活用されていく。競合では無く、相互作用を目指すことこそが、テレビ・携帯双方に求められよう。


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