アメリカにおけるテレビ番組と携帯電話の関係

2012/07/19 06:50

テレビと携帯アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年7月17日、同国のテレビ視聴と携帯電話利用に関する報告書【The Rise of the “Connected Viewer”】を公開した。今回はその中から「テレビ視聴中における携帯電話の利用スタイル全般と、スマートフォン・一般携帯電話による利用頻度の違い」について見ていくことにする。

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今調査はアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対して2012年3月5日から4月3日にかけて、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による口頭インタビュー(英語とスペイン語)で行われたもので、有効回答数は2254人。固定電話で出た人は1351人、携帯電話は903人(うち410人は固定電話なし)。調査結果の素値は国勢調査結果によってウェイトバックがかけられた上で、各種計算が行われている。

いつでもどこへでも持ち運びができ、電波状況が良ければあらゆる状況下で利用できる携帯電話。テレビ視聴中においても利用され、補助的ツールとして使われる事例も増えてきた(俗にいう「ながら利用」というもの。逆の視点から「ながら視聴」という解釈もできる)。今件ではアメリカのテレビ視聴における「ながら携帯利用」について尋ねている。

テレビ視聴中の「ながら携帯利用」の事例として7つほどの項目を挙げ、それらのうちいずれかの行動をしたか否かを聞いたところ、全体では半数強の52%が「経験あり」と回答していた。

↑ 過去30日間においてテレビを観ている最中に、一息入れたり情報を入手したり、他人と意思疎通をするために携帯電話を使った人の割合(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)
↑ 過去30日間においてテレビを観ている最中に、一息入れたり情報を入手したり、他人と意思疎通をするために携帯電話を使った人の割合(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)

携帯電話保有者(1954人、全体の86.7%。スマートフォン含む)を対象としており、その他の項目には拘束されないので、テレビ視聴の割合が高い高齢層もそれなりに大きな値を示していそうだが、実際には他のデジタル・IT系の調査同様に若年層ほど高い値を示している。いくらテレビを視聴していても、そのテレビと関係がある形での携帯電話の積極的利用とは、別問題ということか(携帯電話そのものは保有していることに注意)。表現を変えれば、シニア層ほど「ながら携帯利用」をせず、テレビに集中しながら観ている可能性が高いことになる。

また高学歴・高年収者ほど高めの値を示す。これは単に情報収集や参加型プログラムの利用に積極的な姿勢を示す以外に、アクセスしやすい端末の保有率の高低にもよるところが大きい。直後で説明するが、一般携帯電話よりもスマートフォンの方が「ながら携帯利用」はし易く、かつスマートフォンの所有率は高年収・高学歴の方が上なので、必然的に「ながら携帯利用」率も高くなる。

次のグラフは具体的な「ながら携帯利用」について、利用しているモバイルの端末種類別に見たものだが、圧倒的にスマートフォン利用者の方が高い値を示している。

↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)
↑ 過去30日間において行ったか否か(テレビ視聴関連で)(携帯電話保有者限定)(米、2012年3-4月)

これはスマートフォンの方が一般携帯電話より利用しやすいことに加え、利用できるアプリがスマートフォン向けである事例が多いのも一因。また「利用しやすい」は「短時間でアクセス・利用できる」ことを意味し、すぐに番組視聴に復帰できる、CM中に利用可能など「時間制約的な」要素も大きい。短時間で済むSMSの利用は、一般携帯電話の利用率が比較的高いのも、その裏付けとなる。



携帯電話が日常生活に浸透した以上、他の行為と同時並行的に利用する場面が増えるのは当然の話といえる。その際、単に邪魔者・集中力の欠如を助長するアイテムと見なすのか、相互作用をもたらし得るツールと見なすのかは、人それぞれ。

日本でも状況において大きな違いはないだろう。特に世代別の動向には留意しておきたいものだ。


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