「ネットで買えば安い、かな?」米・買物の際の携帯電話を使った価格比較傾向をグラフ化してみる

2012/07/22 12:00

お店で確認アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年1月30日、同国の年末セールにおける実店舗での購入と、携帯電話とのつながりに関する報告書【The rise of in-store mobile commerce】を公開した。今回はその中から「店舗で商品を目の前にしたとき、手持ちの携帯電話でその商品の価格を調べたか否か」について見ていくことにする。

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今調査はアメリカ合衆国内に住む18歳以上の人に対して2012年1月5日から8日にかけて電話による口頭インタビュー(英語)で行われたもので、有効回答数は1000人。固定電話で出た人は600人、携帯電話は400人(うち184人は固定電話なし)。調査結果の素値は国勢調査結果によってウェイトバックがかけられた上で、各種計算が行われている。

先に別記事で挙げた通り、店舗内で商品を目の前にした際に、携帯電話でその商品の価格を調べた経験がある人は「携帯電話保有者の1/4(全体比では22%)」に達している。

↑ 年末の買い物時期の際の携帯電話利用(直近一か月以内)(米、2012年1月)
↑ 年末の買い物時期の際の携帯電話利用(直近一か月以内)(米、2012年1月)(再録)

リリースでは詳細の説明は無いものの、「レビュー確認」「価格確認」のいずれか一つ以上を行った携帯電話保有者は33%、そしてそのうち約半数の17%分は「レビュー確認」「価格確認」の双方を行ったと回答している。

次のグラフは属性別の「店頭で商品を目の前にした際に、携帯電話で価格をオンラインにて確認した」人の割合。他のデジタル系サービスの事例に従うがごとく、若年層・高学歴ほど利用率が高い。

↑ 年末の買い物時期の際、お店で見つけた商品の価格をオンラインで調べた人の割合(直近一か月以内)(属性別、携帯電話保有者限定)(米、2012年1月)
↑ 年末の買い物時期の際、お店で見つけた商品の価格をオンラインで調べた人の割合(直近一か月以内)(属性別、携帯電話保有者限定)(米、2012年1月)

男女別では男性の利用率が女性の1.5倍程、世代別では50歳未満が50歳以上の2倍を超える利用率を示している。価格へのこだわり具合では女性の方が上のようなイメージがあるが、価格調査時の面倒さがハードルとなっているのかもしれない。

また居住地域別では明確に「人口密集地域ほど高い利用率を示す」傾向がある。これは「周囲に代替的な店舗が存在する可能性」を考えれば理解はできる。要は「購入する場合は、今居る店舗で買うしかないのだから、比較してもあまり意味がない。だから価格を調べる必要もない」ということだ(オンライン上ではどのような場所でも購入可能だが、オンラインでの購入を優先するのなら、わざわざ実店舗に足を運ぶ理由は「あまり」無い)。

このような思惑が見え隠れする「価格確認」だが、それでは価格をオンラインで調べた後、どのような行動を取ったのだろうか。一番最後の(直近の)行動を答えてもらったのが次のグラフ。

↑ 最も最近に、「お店で見つけた商品の価格をオンラインで調べた」あと、その商品をどうしたか(米、2012年1月)(該当者限定)
↑ 最も最近に、「お店で見つけた商品の価格をオンラインで調べた」あと、その商品をどうしたか(米、2012年1月)(該当者限定)

1/3強はその店舗で購入を果たしている。価格が納得できるものだったのだろう(一番安い、あるいはそれなりに妥協できる額だった)。一方、他の店舗で購入した人は8%、オンラインで買った人は19%。これらの人は元々ロイヤリティ(今件では「その店舗での購入意欲」)が低いことは容易に想像でき、たとえ価格情報を取得できていなくても、実際に買ったか否かまでは分からない。

また「買わなかった」の37%も、目の前の商品・ネットで調べた商品共に手が届きにくい価格だったため、手を出さなかったと考えれば、「携帯電話で価格を調べられてしまったので、購入検討者を逃してしまった」ということにはならない。元々買う意欲が旺盛なら、価格を調べた結果、目の前か他の店舗かオンラインショップかは分からないが、価格や手間などが妥協だと判断した店舗で購入するからである。



豊富な情報提供でお客の判断材料を増やすと、客離れ・商品販売の機会が減ると考える販売サイドの意見もある。しかしそれは正しい考えとは言い難い。むしろ「価格を調べる」時点で、対象客は多かれ少なかれその商品に興味関心を抱いている点に目をつけ、どういう切り口を使えばその気持ちを維持しつつ、目の前の商品をレジに運んでもらえるかについて、店舗側は考えるべきだろう。


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