セクハラ経験約1割、パワハラは1/4近く

2012/07/19 06:45

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セクハラ連合は2012年6月13日、主に女性を対象とした「仕事の環境」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)を受けた経験がある人は9.9%に達していることが分かった。パワー・ハラスメントは1/4近くに登っている。またセクハラ経験者の1-2割強、パワハラでは2-3割強の人が、それをきっかけに職場を退いた経験を持つと答えている(【発表リリース、PDF】)。


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今調査は2012年5月8日から10日にかけて、学校卒業後に働いた経験がある(現在就業中であるか否かは問わず)18-59歳の男女に対して携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は10-20代・30代・40代・50代で均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

セクハラとはセクシュアル・ハラスメントの略で、【厚生労働省の定義】によれば

●「対価型セクシュアルハラスメント」
労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給など(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換など)の不利益を受けること。

●「環境型セクシュアルハラスメント」
労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。

の2種類がある。

またパワハラとはパワー・ハラスメントの略で、同じく【厚生労働省の定義】によれば

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為。

と説明されている。

さてそのセクハラ・パワハラだが、今調査母体では(男女合わせて)受けた経験を持つ人はそれぞれ9.9%・24.3%という結果が出ている。どちらも無い人は7割程度。

↑ セクハラ・パワハラを受けた経験
↑ セクハラ・パワハラを受けた経験

セクハラにしてもパワハラにしても(文言上は一応ガイドラインは有るが)該当するか否かの判断は難しい。行為を受けた本人が認識していなくても実はセクハラ・パワハラとして認められる事例もあれば、逆に本人が「間違いなく被害を受けている」と認識していても判定を受けにくいこともある。

今件はあくまでも「受けた」とする側の回答であり、実態とはぶれが生じている可能性を留意しておかねばならない。ともあれ、今件では「パワハラは1/4程度」「セクハラは男性2.8%・女性17.0%が受けた経験あり」ということになる。

さて本人が「セクハラ、パワハラを受けた」とい自認する状況下に陥った際、どのような対応をしたのか。それぞれの該当者に複数回答で聞いた結果が次のグラフ。

↑ セクハラを受けた時の対応(複数回答、該当者限定)(該当者2ケタのため参考値)
↑ セクハラを受けた時の対応(複数回答、該当者限定)(該当者2ケタのため参考値)

↑ パワハラを受けた時の対応(複数回答、該当者限定)
↑ パワハラを受けた時の対応(複数回答、該当者限定)

「セクハラ」は該当者が少ないので多分にぶれ・参考値としての検証であることに注意する必要があるが、「誰にも相談せず・できず」が3割に達する一方、上司や同僚などの職場内での相談をする、あるいは友達に相談する事例が多い。一方で、セクハラをきっかけに退職してしまう人も2割前後に達している(男性の方が多め)。

他方「パワハラ」では「セクハラと比べて職場内での相談が難しく、家族や友達に相談するケースが、とりわけ女性に多い」「男性は半数が誰にも相談できずにいる」「パワハラをきっかけに退職してしまう人が男性では2割強、女性では1/3強にも及ぶ」などの傾向が見受けられる。セクハラだけでなくパワハラの面でも、女性の方が難儀を重ねているようすがうかがえる。



その性質上、セクハラもパワハラも第三者に露呈する事例はさほど多くない。そして職場内で露呈しうる場合、その多くは権限の強いものによってなされるもので、当事者以外が目撃しても対処しにくい場合が多くなる。

しかし上記の定義にある通り、権限の悪用による、ガイドラインを容易に超えるような無理強いをさせる行為に、正当性は認められない。くれぐれも「大人の配慮」で職場での時間を過ごしてほしいものだ。


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