昇給適用4割・ボーナス3割足らず…パートと正社員、手当や制度などの違いは?

2012/07/18 12:00

賃金連合は2012年6月13日、主に女性を対象とした「仕事の環境」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体のうちパート経験者においては、そのパート就労時に正社員同様にパートも同じように・似たような形で定期的な昇給の仕組みがあったと答えていたのは4割程度であることが分かった。ボーナスでは3割足らずにとどまっている(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2012年5月8日から10日にかけて、学校卒業後に働いた経験がある18-59歳の男女に対して携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は10-20代・30代・40代・50代で均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

「パートタイム就労」は「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」によれば「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(※正社員)よりも短い労働者」と定義されている。就労内容については正社員よりもシンプルな場合もあれば、あまり変わらない場合もある。また時間給換算された賃金が安く、福利厚生の面でも正社員とは区別されている場合も少なくない。

今件調査項目では、調査母体のうちパートタイム労働経験者398人(全体の39.8%)に対し、そのパートタイム労働経験の際に実体験した、あるいは就業先の仕組みとしてどのような整備が行われていたかについて尋ねている。

まずは賃金面について。定期的な昇給が行われていたのは4割。正社員と同じ仕組みが適用されていたのは8.0%に過ぎない。見方を変えれば「定期的な昇給が適用されなかったパート経験者は6割に及ぶ」ことになる。

↑ 勤務先でパート労働者も対象となっている・いたか(パート経験者限定)
↑ 勤務先でパート労働者も対象となっている・いたか(パート経験者限定)

次の福利厚生の面でも当てはまるのだが、「パート」の内容が正社員と変わらないのか、本当にサポート的な作業でしかないのかは個々の事例に寄る。「正社員に近い、あるいは同等の制度を適用すべき。それぐらいの仕事はしている」場合もあれば、「とてもではないが同等の扱いは難しい」事例もあるだろう。あくまでも今調査母体の回答該当者による、サンプルと見るべき。

今結果を確認すると、通勤手当は比較的高い割合で適用されているが、それ以外は押しなべて低め。それでも昇給やボーナスはある程度適用されているが、各種手当や退職金は1割前後しかない。もっとも2割前後で「制度・施設無し」とあり、「正社員ですら」適用されない・利用できない事例が多々あることもうかがい知れる(パートを使っている企業限定であることに注意)。

一方福利厚生では、パートへの適用の有無も多種多様。

↑ 勤務先でパート労働者も対象となっている・いたか(パート経験者限定)(福利厚生)
↑ 勤務先でパート労働者も対象となっている・いたか(パート経験者限定)(福利厚生)

さすがに休憩室や更衣室の利用はパートも使える事例が多いが、そのほかの施設、特に金銭的に運用コストが多分にかかるものや、金銭そのものを扱う仕組みについては、パートを対象としない事例が多い。例えば企業年金の場合、パートは正社員よりも離職・退職の縛りが緩く、中長期的な就労の可能性が低いことから、適用させること自体が困難というものもある。

他方、例えば「健康診断」のような、就労期間に関係なく必要性の高い仕組みでも、1/3が対象でなかったのは気になるところ。また【昼食スタイルにも現れる、非正規社員のお財布事情(2012年発表分)】でも解説しているが、別調査機関の結果からもパートやアルバイトの昼食事情は正社員よりも厳しく、その上社員食堂を利用できない事例が多いとのデータもある。広さや提供可能量の問題さえクリアできれば、パートなどへの食堂の解放も、もっと積極的に行ってもよいのではないだろうか。



今調査はあくまでも多種多様なパート事例におかれている・いた人の意見を集約したもの。パートの条件次第で、賃金や福利厚生面で正社員と同じ、あるいはそれに近い対応をすべきか否かは、大いに違ってくる。そして企業側の経営判断という観点も考慮しなければならない。

一概にグラフ上の赤系統の回答区分が無くなれば良い、というわけではないことは、留意しておくべきだろう。

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