職場で働き続けるために求められる支援、「やり甲斐」「休暇の取りやすさ」「自己修練可能」

2012/07/16 07:10

子育て連合は2012年6月13日、主に女性を対象とした「仕事の環境」に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、仕事場で働き続けるために必要な支援・環境としてもっとも望まれているのは「自分が必要とされている・期待されているなどの、仕事へのやり甲斐」であることが分かった。次いで「休暇を取りやすい」「自分の能力や技術を高められる」が続いている。また、子供がいる女性では「配偶者の協力」「育児休暇などの支援制度”を利用しやすい雰囲気”」が他の属性より高い動きを示している(【発表リリース、PDF】)。

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今調査は2012年5月8日から10日にかけて、学校卒業後に働いた経験がある18-59歳の男女に対して携帯電話経由のインターネット調査によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は10-20代・30代・40代・50代で均等割り当て。調査機関はネットエイジア。

会社自身が命運を断たれたり、あるいは何らかの形で退職を会社から迫られる、退職せざるを得ない状況に陥らない限り、従来なら従業員は勤めている企業で働き続ける。ところが実際には多種多様な理由で退職・転職を考えたり、それを実行に移してしまう事例が多い。

今項目ではそのような不本意な退職が無いよう、「働き続けるにはどのような支援や環境が必要か」について尋ねている。最上位の項目は「自分が必要とされている、期待されているなどの仕事へのやり甲斐」で、6割近い人が同意を示している。

↑ 働き続けるためにはどような支援・環境が必要か(3つまでの複数回答、上位10項目)
↑ 働き続けるためにはどような支援・環境が必要か(3つまでの複数回答、上位10項目)

いくら福祉厚生が良くても、給与に満足していても、一日の大部分を過ごすことになる職場で「自分の居場所」が無ければ、辛い思いをし続けることになる。悟りを開き、開き直れれば話は別だが、人間そこまで「出来た」人はさほど多くない(「窓際族への配置」が有効なのも、これが事由(そのやり方そのものは決してほめられるものではないが))。

第二位はトップとは性質を大きく異にするもので、「休暇を取りやすい」。本人のプライベートを維持できる、必要な時には有給を容易に取れるなどの仕組み以外に、雰囲気も整っていることが望まれている。有給制度が完備されていても、雰囲気的にそれを申請しにくく、結局消費せずにあまらせてしまう環境では意味が無い。

以降上位層を見ると、「社会的環境としての職場での、自分の確かな地位」「プライベートへの十分な配慮」の2点に注目が集まり、その双方に「雰囲気」というキーワードが絡んでいるのが分かる。職場は働き場所であると共に、長時間を共に過ごすコミュニティであることが再確認できる。

これを男女別、さらには子供が居る・居ない別に区分し、再集計したのが次のグラフ。

↑ 働き続けるためにはどのような支援・環境が必要か(3つまでの複数回答、上位5項目、子供のいる・居ない別)
↑ 働き続けるためにはどのような支援・環境が必要か(3つまでの複数回答、上位5項目、子供のいる・居ない別)

男性は子供のあるなしであまり変化が無く、「女性・子供なし」も男性と大きな差異は無い。しかし「配偶者の協力」と「育児休業など、子育てと両立支援制度を利用しやすい雰囲気」の2項目において、「女性・子供あり」は他の属性と比して高い値を示している(「男性・子供あり」も多少ながら高め)。

この動きからは「子供のいる就業者、特に女性には『配偶者の協力』『子育てそのもの・仕事と子育ての両立の支援制度”を使いやすい雰囲気”の構築』が強く求められている」のが分かる。注意しなければならないのは「制度そのもの」ではなく(順位としては6位以降にあるのだろうが)、「雰囲気」が求められていること。制度の整備がなされても、それが使いづらい状況が多々あることが想像される。

また、この「子育てへの支援を求める動き」は単純に数字の高低だけでなく、「自分自身の修練を後回しにしても、子供のためになる環境が欲しい」という保護者側の想いも透けて見える。「子育てへの支援を求める動き」の高い属性ほど、「自分が必要とされている、期待されているなどの仕事へのやり甲斐」「自分の能力や技術を高められる」が低くなる傾向があるからだ(今件は3つまでの複数回答であることに注意)。

企業側としては従業員の定着率を高めたいのならば、単に制度を作って後は半ば放置、ではなく、必要な人が容易に申請でき、気軽に使えるような制度の工夫と共に、職場全体としての雰囲気作りが求められよう。


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