アメリカのスマートフォンのシェア動向をグラフ化してみる(2012年2Q版)

2012/07/17 06:40

AndroidとApple iOSニールセンは2011年7月12日、2012年2Q(第2四半期、4-6月)における、アメリカでのスマートフォンのシェアに関するレポートを発表した。それによるとOS別の市場シェアはAndroid(アンドロイド)が54.6%を占め、Apple iOSの34.3%とRIM Blackberryの8.1%を抜き、トップに立っているという結果が出た。一方「メーカー別」で見た場合には、RIMとAppleが独自OSを搭載していることもあり、Appleのシェアが圧倒的に多数を占めていることが把握できる。今回はこのレポートのデータを基に、グラフを再構築し、状況を斜め読みすることにしよう(【発表リリース】)。

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まずは最新データにおける、アメリカのスマートフォンのOSシェア。2012年2Q時点(リリースでは「6月のデータ」とある)の調査結果で、支払い済み携帯電話契約者を対象にしている。今レポートでは有効回答数は明記されていないが、ニールセンでは大規模な調査グループを有しており、今回も前回同様に2万人程度の対象を用いたものと考えられる。また原文では「モバイル端末契約者の54.9%がスマートフォン持ち」「過去3か月以内にモバイル端末を新たに調達した人の2/3はスマートフォンを購入した」などの記述も確認できる。

↑ 米OS別メーカーシェア(スマートフォン)(ニールセン調査)
↑ 米OS別メーカーシェア(スマートフォン)(ニールセン調査)

↑ 2012年2Q・過去三か月以内購入者限定(米・ニールセン調査)
↑ 2012年2Q・過去三か月以内購入者限定(米・ニールセン調査)

過去に公開され記事化したデータと併記したが、この一年間でOSシェア比は大きく塗り替えられ、Android OSとApple iOSが大きな勢力拡大をしたのが分かる。前回・一年前の記事で「Android OSの加速ぶりが目に留まる」としたが、その勢いはまだ堅調。2つのOS「以外」は両OSの成長に丸ごと食われた状況にある。また、直近三か月に限定したシェア比を見ると、今後さらにこの状況(2強状態、その他OSのシェア縮小)は顕著化しそうな勢い。

しかし一方で、Apple OSとRIMはメーカーとOSがそのままイコールとなるのに対し、Androidはそのままメーカーを意味しない。飲料のヤクルトがヤクルトという会社の商品である一方(森永のヤクルトやグリコのヤクルトは存在しない)、乳酸飲料は多種多様なメーカーから発売されているのと同じようなもの(この場合、ヤクルト自身も乳酸飲料のため、ややニュアンスは異なるが)。

メーカーとOSが同一である場合、そのメーカーが大手であればブランド力を信用でき、利用者は安心感を得られる。一方で他社がそのOSに手を出すことはできず、機動力・柔軟性に欠けるという弱点がある。殻の中に閉じこもれば安定感はあるが、そこから飛び出て飛躍する斬新性に欠けるリスクも同時に生じるということ。

各OSをハード別に分割してグラフを創り直したのがこちら。

↑ 米OS別メーカーシェア(スマートフォン)(2012年2Q、支払済み携帯電話契約者)(ニールセン調査)(ハード別構成区分入り)
↑ 米OS別メーカーシェア(スマートフォン)(2012年2Q、支払済み携帯電話契約者)(ニールセン調査)(ハード別構成区分入り)

一応同一OSは同系色でまとめてあるが、かなりごちゃごちゃとした感じになってしまった。それでもApple iOSとRIMの「安定感」と、Android OSのカオスぶり、言い換えれば多種多様性が見て取れる。

一般的に安定性の高い・安心感の強い・手堅いアイテムは中堅層以降、斬新性のある・多種多様性の高いアイテムは若年層が好む傾向がある。歳を取るに連れて新しいことを覚えるのは面倒になり、失敗した時の(特に時間的な)リスクを恐れるからだ。

今回発表資料では主要ハードの世代構成データは公開されていないが、以前の【若年層はアンドロイドがやや多め…米スマートフォン所有者のOSシェアとウェブ利用性向をグラフ化してみる】によれば、Android OSがApple iOSやRIMと比べて若年層に好まれているのが確認されている。

シェアという概念で「Androidは複数のグループの寄せ集まりで互いをライバル視しながら周囲に勢力拡大を推し量っている」「Apple iOSやRIMは一つの勢力でがっちりと地盤固めができており、勢力拡大を模索しているが、大所帯なために動きにくい」と表現すれば、イメージ的には現状と合致するだろうか。ただし今データを見る限り、RIMはこの一年間でスマートフォンの群雄割拠においてはかなり腰が引けた形となり、Android OSとApple iPhone OSによる二強時代が構築されつつある、と評することができる。

グループ市場全体の成長には競争の要素が欠かせない。寡占は既存利権者に安定した利益をもたらすが、時間の経過と共に劣化は否めず、ライバルもいないため「前進」の機運に欠けてしまうのが世の常。もちろん実際には多種多様な要因が絡むため一概には言えないが、今後のアメリカにおけるスマートフォンでのシェア争いについては、このような観点で考えると先が見えてくるかもしれない。

さらに言えば【年15万ドル以上は3/4近く…アメリカのスマートフォン・一般携帯電話保有率を年収と詳細年齢区分でグラフ化してみる】で少し触れているように、スマートフォンは所得にあまり左右されない形での、「高速インターネットへの窓口」として歓迎されている。これらの層の動向が、Android OSとApple iPhone OSのどちらへの有意へと働くのかも合わせ、今後のシェアの流れに注目したいところだ。

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