世帯平均人数は2.49人…平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/07/18 05:03

厚生労働省は2016年7月12日、平成27年(2015年)版の「国民生活基礎調査の概況」を発表した。これは国民生活の基本事項を調査し、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているものだが、資料性の高いデータが豊富に盛り込まれており、精査に値する内容のものである。今回はその中から「平均世帯人員と世帯数推移」の長期的推移をグラフ化し、状況の変化を確認することにした。一人身世帯の増加に伴い平均的な世帯あたりの人数は減少傾向にあるとの話は良く耳にするが、その実態を把握できる結果が出ている(【発表ページ:平成27年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査は2015年6月4日・7月16日にそれぞれ「世帯票」「所得票」を配ることで行われたもので、本人記述により後日調査員によって回収され、集計されている(一部は密封回収)。回収できたデータは世帯票が4万6651世帯分、所得票が6880世帯分。なお【国民生活基礎調査:解説ページ】に説明がなされているが、今調査は3年おきに大規模調査、それ以外は簡易調査が行われている。今回年(2015年分)は簡易調査に該当する年であり、「健康票」「介護票」「貯蓄票」に該当する調査は省略されている。

また1995年分は阪神・淡路大震災の影響で兵庫県の分、2011年分は東日本大地震・震災の影響で岩手県・宮城県・福島県(被災三県)の分、2012年は福島県の分はデータが取得されておらず、当然各種結果にも反映されていない。

今調査(1953年開始の「厚生行政基礎調査」など統合前の各種調査含む)において取得されている、1953年以降の日本国内における世帯数そのものの推移、そして世帯の平均人数の動向推移をグラフ化したのが次の図。なおグラフ中に特記はされていないが、上記にある通り2012年分は福島県分が除かれていることに注意。

↑ 平均世帯人員と世帯数推移(人)
↑ 平均世帯人員と世帯数推移(人)

1950年代には世帯平均人数が5人、具体的には夫婦に子供3人だった事実を確認するに、現状と比較して驚く人も多いに違いない(あるいは祖父母と夫婦、加えて子供から成る三世代による世帯構成も十分考えられる)。これが1970年代までにかけて世帯構成人数は急速に減少し、1961年には4人を切る(子供2人の夫婦)形となる。

1970年代以降は世帯人数の減少傾向はやや落ち着くものの、1980年代後半以降再び減少幅が大きくなり、1992年には3人を切る。直近の2015年では2.49人。「子供のいない夫婦が多い」少子化傾向だけでは無く、いわゆる独り身の世帯こと「単独世帯」が増加しているのも一因(【種類別世帯数の推移をグラフ化してみる】)。

一方、その「単独世帯」増加が後押しする形で、世帯数そのものは漸増傾向にある。平均世帯人員の減少が急になればなるほど、世帯数推移も増加している。総人口そのものはほぼ横ばいから漸減の状況にあるのが現状だが、同時に世帯の分散化(少人数による世帯構成化)が進んでいるのが見て取れる。ただし直近の2015年においては、前年比で世帯数もわずかではあるが減少している。同じような現象は2003年や2008年にも生じており、一時的なぶれによるものと考えられる。

上記グラフにおける、直近での動向が分かりやすいよう、1990年以降に限定して再構築したのが次の図。阪神・淡路大震災のため兵庫県のデータが除かれた1995年、そして東日本大地震・震災の影響で被災三県のデータが除かれた直近の2011年(、福島県の分が除かれた2012年)はややイレギュラーな値を示しているが、それ以外は「平均世帯人員数の減少」「世帯数の増加」といった流れが少しずつ、しかし確実に進んでいるのが確認できる。

↑ 平均世帯人員と世帯数推移(人)(1990年-2015年)
↑ 平均世帯人員と世帯数推移(人)(1990年-2015年)

大きな変化がない限り、この傾向は継続されるに違いない。



国土交通省の試算では、単独世帯はさらに今後増加を続け、2050年には全世帯の4割を超えるとの結果が出ている(2000年の国勢調査時点では27.6%、2015年では32.5%)。特に晩婚化に伴う若年一人身世帯、高齢化による高齢一人身世帯の増加が著しく、とりわけ後者は孤独死や買物困難者問題をはじめとした各種の社会問題とも密接に影響しうる要素となる。

それらに限らず、世帯構成員数の変化は、社会そのものの構造変化にも大きく影響する。中長期的な視点で考察・推測した上で、各方面の対応が欠かせないのは言うまでもない。


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