信頼を失いつつある米新聞やテレビニュース

2012/07/13 06:45

ニュースアメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年7月10日、アメリカにおける各メディアや団体、組織に対する信頼性に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、新聞に信頼をおいている人は25%でしかないことが分かった。テレビは21%でしかない。両者とも中長期的には信頼性が失われる方向で推移しており、しかも似たような動き方を示している(【発表リリース】)。

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今調査(直近)は2012年6月7日から10日にかけて無作為抽出で選択されたアメリカ国内に住む18歳以上の1004人に対し、電話口頭インタビューにて行われている。使用言語は英語とスペイン語。回答結果は国勢調査の値に従いウェイトバックがかけられている。

今調査はほぼ1年に1度行われており、テレビニュースは1993年、新聞は1973年から調査項目に加わっている。新聞はかつて最大で51%もの信頼が寄せられていたが、直近調査結果ではその約半数の25%、テレビニュースは最大46%だったものが最新の値では半分以下の21%しか信頼されていない。

↑ 対象メディアへの信頼性(米、新聞)
↑ 対象メディアへの信頼性(米、新聞)

↑ 対象メディアへの信頼性(米、テレビニュース)
↑ 対象メディアへの信頼性(米、テレビニュース)

調査結果のデータそのもののぶれやその時々の時節(事件や景気動向、選挙など)で多少の上下変動はあるものの、概して双方とも下落傾向を示している。これは4マスのうち電波メディアの代表格テレビニュースと、紙メディア代表格である新聞、双方の信頼性が失われつつあることを意味している。

またグラフを良く見ると、双方とも21世紀初頭から明らかな下落傾向にあるのが分かる。これはインターネットメディアの普及に伴い、従来型メディアによる一方向の情報提供というスタイル以外の選択肢が与えられた結果、(既存メディアによる提供情報の検証機会が得られることになり、)信頼性の稀薄化が起きたと考えれば、道理は通る。

冒頭で触れた「似たような動き方」は、時間軸を統一させた上で両グラフを合わせれば一目でわかる。

↑ 対象メディアへの信頼性(米、テレビニュースと新聞)
↑ 対象メディアへの信頼性(米、テレビニュースと新聞)

やはりイレギュラーな動きはあるが、全般的には両者とも同じ動きを示している。双方とも同じ要因(インターネットなど情報取得ツールの多様化)で下落化が起きていると考えると、納得は行く。また別調査機関で行われた同様の調査(【「事実を伝えている」は25%のみ・アメリカでのニュースへの信頼性をグラフ化してみる】【高年収ほどよく信じたがる…米全国・地域報道機関の信頼性の違い】)でも同様の結果が出ており、双方の裏付けになる。

ちなみに属性別の、両メディアへの信頼の寄せ具合だが、男性より女性、高齢層より若年層、低学歴ほど高い傾向がある。

↑ 対象メディアへの信頼性(2012年7月、米)
↑ 対象メディアへの信頼性(2012年7月、米)

性別、学歴別は日本も似たようなもので理解はできる。特に高学歴者のテレビニュースへの拒絶感は目を見張るものがある。一方で世代別では若年層ほどテレビニュースや新聞に大きな信頼(とはいえ、それでもテレビニュースで28%、新聞で38%しかない)を寄せているあたり、日本と異なる事情が透けて見える。



このようにテレビニュースや新聞への信頼性が漸減、特に今世紀に入ってから大きく減っているのは、上記で何度か触れたように、インターネットなど新技術による選択肢の増加、そしてそれらによる検証機会の会得が主な原因と考えられる(下がる傾向を見せ始めたタイミングから考えれば、納得できる理由ではある)。

もっとも多メディア化、他メディアによる検証機会が読者・視聴者に得られた結果として、両メディアの信頼性に関連する面での質が下がる因果・相関関係的要因は考えにくい。相対的な観点での信頼性の減退か、あるいは「元々信頼にはさほど値しない質」であったものが暴露されただけなのかもしれない。

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