増える独り身・高齢者のみ世帯…高齢者がいる世帯の構成割合をグラフ化してみる(2016年)(最新)

2016/07/18 05:05

厚生労働省は2016年7月12日付で、平成27年度(2015年度)版「国民生活基礎調査の概況」を同省公式サイト上などに公開した。国民生活の基本事項を定期的に調査しデータ化したものだが、今回はその中から「高齢者(65歳以上)がいる世帯の家族構成分布」の推移について、状況の確認を行うことにした。高齢者のみの世帯、さらには高齢者一人身世帯の増加が社会問題化している昨今だが、その実情を知ることができよう。特に高齢者一人身世帯に関しては、社会の上での孤立化に留まらず、いわゆる「孤独死」問題も合わせ、留意する必要がある値といえる(【発表ページ:平成27年 国民生活基礎調査の概況】)。

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今調査の調査要件及び注意事項は、先行記事の【平均世帯人員と世帯数推移をグラフ化してみる】にて説明している。そちらを参考のこと。

高齢者(65歳以上)の人口、そして日本全体の人口に占める高齢者の割合が増加の一途をたどっているのは、すでに【「お年寄りがいる家」のうち1/4強・552万世帯は「一人きり」(2014年)(最新)】など多数の記事でお伝えしている通り。その高齢者がいる世帯は、どのような家族構成なのか、特に社会問題視されている「お年寄りが一人のみの世帯」の比率は増加しているのか否か、気になるところ。今件は今回発表された2015年分の値までを反映させたものとなる

↑ 世帯構造別に見た、65歳以上の人がいる世帯数の構成割合年次推移(-2015年)
↑ 世帯構造別に見た、65歳以上の人がいる世帯数の構成割合年次推移(-2015年)

最新の2015年分における調査結果では、お年寄り一人だけの「単独世帯」は26.3%。高齢者がいる世帯のうち、4世帯に1世帯強は「その高齢者が1人だけの世帯」となる。また、子供や孫がおらず、夫婦(大抵の場合は双方とも高齢者)だけの高齢者世帯は31.5%。これらを合わせた「お年寄りだけの世帯」は56.0%となり、過半数を占めるどころか6割近い計算となる。

興味深いのは世帯比率で見た場合、中期的な流れとして

・増加……単独世帯、夫婦のみ世帯、親と未婚の子のみ世帯

・減少……三世代世帯

となり、減少しているイメージのある「高齢者と”未婚の”子供のみ世帯」も増加傾向にあること。【高齢フリーターの推移をグラフ化してみる】などと合わせて考えると、「高齢者と、離婚して出戻り状態の子供、あるいは晩婚化などで結婚待ち、さらには結婚をするつもりの無い中堅層(30-40代、あるいは50代まで)」との家族構成が増加している感はある。さらには該当する高齢者を介護するために、親と同居している事例も想定可能だが、残念ながら国民生活基礎調査ではそこまでの調査は行われていない。

ただし直近の2015年では、この「高齢者と”未婚の”子供のみ世帯」ですら比率が減少し始めている。来年以降もこの傾向が続くのなら、「高齢者の居る世帯では高齢者のみの世帯の割合だけが増加している」となる。これは【「近居」は進んでいるのか…高齢夫婦のみ世帯と子供の住む家との距離の関係を探る(2016年)(最新)】など別記事でいくつか紹介している、高齢層とは同居せず、近い距離同士で別居する「近居」のスタイルが普及浸透しているのも一因かもしれない。

何かリスクとなるような事象(例えば室内における熱中症、ふいの転倒による骨折などで歩行が困難になる事案、ぎっくり腰)が発生した場合、高齢者のみ、特に一人身世帯では手遅れになる可能性は高い。また、日常生活においても「買物困難者」問題をはじめ、社会インフラによる地域サービスの提供の観点で、「高齢者のみ世帯」の増加は大きな問題の要因となる。各種対策について、行政側は早期の対策とその実行が求められよう。


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