松屋は牛カルビメニューのトラブルが足を引っ張り売上マイナス5.6%に…牛丼御三家売上:2012年6月分

2012/07/06 07:00

[吉野家ホールディングス(9861)]は2012年7月5日、同社の子会社である牛丼チェーン店吉野家の2012年6月における売上高などの営業成績を発表した。それによると既存店ベースでの売上高は前年同月比でプラス0.1%となった。牛丼御三家のうち[松屋フーズ(9887)]が運営する牛飯・カレー・定食店「松屋」の同年6月における売上前年同月比はマイナス5.6%、[ゼンショー(7550)]が展開する郊外型ファミリー牛丼店「すき家」はマイナス1.8%の動きを見せている(いずれも前年同月・既存店ベース)(【吉野家月次発表ページ】)。

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吉野家のこの1、2年での動向を確認すると、同社では2010年9月から、メインメニューの牛丼より安価な「牛鍋丼」を発売、これが売上高アップに大きく貢献した。しかしその後は大きな新商品展開のイベントなども無く、オプションメニューの「小鉢」も大きな影響は与えていなかった。そして【吉野家でカレー…吉野家から「こく旨カレー」「旨辛カレー」登場】の通り2011年8月から「こく旨カレー」「旨辛カレー」の発売を開始。さらにトッピングとしてチーズも登場させている。

2011年9月には昨年発売した「牛鍋丼」をリニューアルすると共に、「追っかけ」のバリエーションを変更(【吉野家、「牛鍋丼」を新味に・「おくらとろろ」「とろりチーズ」を「追っかけ」に追加】)。これらの動きを受けて客単価は大きく上昇していたものの、11月にはそれも失速。昨月2011年12月分では【吉野家の「焼味豚丼 十勝仕立て」 、販売累計数300万食突破】にもある通り同年12月8日から発売を開始した新メニュー「焼味豚丼 十勝仕立て」 が好評を博して客数・売上共に5か月ぶりに前年同月比でプラスに転じた。

今回の2012年6月分ではわずかではあるが3か月ぶりに、売上を前年同月比でプラスに押し上げている。同社では6月11日から夏定番の鰻丼の発売を開始しており、これが客単価と客数の引き上げに貢献(客数は前年同月比でマイナスだが、5月と比べれば下げ幅は大幅に縮小している)、それが結果として売り上げに反映したと考えられる。

↑ 牛丼御三家2012年6月営業成績
↑ 牛丼御三家2012年6月営業成績

昨年同月も吉野家では鰻丼を発売しているが、それと比べると今回月は客単価では上昇しているものの、客足は遠のいている。単価が高い商品を導入した際にはありがちな動きだが、売り上げにほとんど変化がなかったのが気になるところ。

松屋は客数と客単価のバランスを取る姿勢が巧みで、客単価が不調気味でもその分客数がカバーをし、売上高を積み増し、安定的な売上を継続するスタイルを踏襲している。しかし今回6月分では客単価は維持できたものの、客数を大きく減らし、これがそのまま売上減につながっている。【松屋、リニューアルした牛カルビメニュー3品を「肉が固い」等の意見を受け翌日発売終了に】などにもある通り、カルビメニュー周りのどたばたが足を引っ張ったようだ。

すき家は「昨年同月(2011年6月)に」主力商品の牛丼値引きで攻勢をかけている。今回月はその反動もあり、客数は大きく減ったものの、客単価の上昇があり、売上減を最小限にとどめている。すき家、200円での朝食メニュー「たまごかけごはん朝食」を発売開始】による客単価減少懸念がある中で、健闘しているといえる。また、同社では7月から【すき家、プリンなどオリジナルスイーツを発売】にある通りオリジナルスイーツを展開しており、これが営業成績にどのような影響を及ぼすのかが気になるところ。

6月分を各社一言ずつでまとめると、「吉野家…鰻丼などで客単価を押し上げ、客数減をほぼ吸収」「松屋…メニューの混乱が客数減の引き金か」「すき家…客単価の上昇が貢献し、客数減の影響を最小限にとどめる」という形になる。

↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年6月)
↑ 牛丼御三家売上高推移(既存店)(前年同月比)(2006年1月-2012年6月)

2011年3月以降は東日本大地震・震災による直接的影響に加え、消費マインドの変化、活力向上祈願も兼ねた安売りセールの連発などで、客単価や客数、そして売上も大きく変化している。売上高の点では吉野家はともかく、松屋・すき家の両社も前年同月比でマイナスを示す機会が多くなったのが目に留まる。景気低迷の折にはむしろ牛丼御三家のようなファストフードは活況を見るはずではあるが、その動きも確認できない。

上記に挙げたすき家のスイーツ展開、そして本日発表された吉野家の「焼味 ねぎ塩豚丼」のように、各社とも現状を打破すべくさまざま施策を打ち出している。昨年以上の電力事情の問題が発生しうる中、どのような姿勢で今年の夏に望み、結果を見せるのか。気になるところではある。


■関連記事:
【牛丼御三家の店舗数推移をグラフ化してみる(2011年12月版)】

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