中国が1番日本は2番…アメリカ合衆国のアジア地域諸国に対するパートナー意識の重要度推移(最新)

2021/06/01 05:14

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2021-0519外務省が2021年5月14日付で発表した、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果によると、調査対象母集団のうち有識者では、アジア地域でもっとも重要なパートナーと認識している国は中国であるとの意見を持つ人が最多割合を占め、35%に達していることが分かった。次いで日本の33%、オーストラリアの9%と続いている(【発表リリース:令和2年度海外対日世論調査】)。

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米国にとってアジアで最も重要なパートナーの国は?


調査要項は先行記事【アメリカ合衆国の日本への一般人信頼度70%・有識者は96%に(最新)】を参考のこと。

今調査全体は1960年度以来ほぼ毎年実施しているが、今件項目は年により選択肢(国)が頻繁に入れ替わっていることもあり、対象年を区切った上でグラフを作成する。

まずは「アジア地域の中でどの国が、アメリカ合衆国・地域にとって最も重要なパートナーであるか」(つまりアメリカ合衆国におけるアジア地域でもっとも頼りにしたい、付き合いを深めたい国)との設問に、択一で答えてもらった結果の推移がこちら。元資料には簡易グラフ化したものもあるが、未計測の年度もあり、それに関するデータが記述されていないため、年度が確定できる範囲で作成している。なお一般人に関しては直近の2020年度では該当項目の調査が行われなかったため、その前年の2019年度の値が最新のものとなる。

↑ アジア地域の中でどの国がアメリカ合衆国・地域にとってもっとも重要なパートナーであるか(一般人、択一)
↑ アジア地域の中でどの国がアメリカ合衆国・地域にとってもっとも重要なパートナーであるか(一般人、択一)

↑ アジア地域の中でどの国がアメリカ合衆国・地域にとってもっとも重要なパートナーであるか(有識者、択一)
↑ アジア地域の中でどの国がアメリカ合衆国・地域にとってもっとも重要なパートナーであるか(有識者、択一)

一般人は2011年度になって初めて、有識者では2010年度に日中の逆転現象が起きた。これは中国の人口・資源を背景にした経済成長に伴う影響力の強化によるもの。1990年以降、とりわけ今世紀に入ってからの中国の値の伸びがそれを裏付けている。

ところが2012年度になると、一般人では日中の立ち位置が再び逆転し、日本が上位につき、有識者でも順位の変化こそ無いものの両国の差は急激に縮まった。この変動の理由については、米中関係の変化(悪化)に伴い、相対的に日本への政治的側面での再評価が行われたもの、そして2011年3月に発生した東日本大地震・震災に伴う米軍の救援作戦「オペレーション・トモダチ」によるものと考えられる(2011年度調査時点では震災関連の動きは反映されていない)。

その翌年の2013年度では、中国の動きは一般人では横ばい、有識者では大きな下落を示している。他方日本は一般人では大きく下落し、再びトップの座を中国に明け渡している。有識者ではほぼ横ばいで、中国との差は4%ポイントにまで縮小した。他方、一般人・有識者ともに韓国が大きく伸びている。

直近の2020年度では有識者では中国が前年度から大きく値を上乗せし、日本は下落。結果として両国のポジションは入れ替わる結果となった。調査期間がアメリカ合衆国の大統領選挙が実施された直後だったのが少なからず影響しているのかもしれない。

日本と中国、米国が考える「パートナー認識の理由」は?


今世紀における中国の値を押し上げた原因としては「経済成長に伴う影響力の強化」が想像できる。その想像の裏付けをしていくことにする。まずは一般人において、日本と中国それぞれをベストパートナーとして選んだ回答者に、その理由を自由回答で答えてもらい、上位5位の推移を見たものが次のグラフ(上記にある通り前回年度の2019年度の結果であることに注意)。直近年度で値が公開されている(上位に入ってる)項目のみグラフに反映させている。

↑ 「日本」と回答した理由(一般人、自由回答)
↑ 「日本」と回答した理由(一般人、自由回答)

↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(一般人)
↑ 「中国」と回答した理由(自由回答)(一般人)

日本では長期間にわたり継続性のある項目は「貿易・経済関係」のみで、直近年度では。それ以外はここ数年で順位が上がって来た項目。かつては「技術力」「国の特質(人口など)」「政治的結びつき」などが上位に入っていたことも合わせ考えるに、一般人における日本への注目点が大きな変化を示しているかもしれない。

他方中国では上位項目の順位はほとんど変わらないため、継続性のある複数の項目が上位を示し続けている。各項目が横ばい、減少にあるのに対し、唯一「貿易・経済関係」が跳ね上がっていた。要は多くの一般人にとって、中国がアジアでの最重要パートナーである理由は、経済関係に寄るところが大きいと見てよい。もっとも2013年度をピークに大きな減少を示しており、「貿易・経済関係」がパートナー認識の理由として選ばない人が増えているようすがうかがえる。一般人の直近年度となる2019年度でも選択肢の中ではトップに変わりはないのだが。

「技術力」は2013年度以降は複数回答形式にもかかわらず、大きく値を下げてしまっているのも注目に値すべき動きではある。

有識者においても一般人と大きな認識の違いはない。グラフの動きがやや粗いのは、元々有識者数が少ないのに加え、それぞれの国と回答した人に限定されているからである。こちらも直近年度で値が公開されている(上位に入ってる)項目のみグラフに反映させている。日本のグラフで間が抜けた状態となっているのは、上位項目が新しい選択肢ばかりだからである。

↑ 「日本」と回答した理由(有識者、自由回答)
↑ 「日本」と回答した理由(有識者、自由回答)

↑ 「中国」と回答した理由(有識者、自由回答)
↑ 「中国」と回答した理由(有識者、自由回答)

日本においては長期間にわたり継続性のあった項目は皆無。前年度まで継続して挙がっていた「貿易・経済関係」も、直近年度では無くなってしまった。直近年度で上位陣として値が公開された選択肢は、ここ数年で順位が上がって来た項目ばかり。有識者の間でも日本に対する注目点に関して大きな変化が生じているのだろう。「国の経済・好景気」「よい関係、同盟国」などの値が上位についているのは気になるところだ。

他方中国では「貿易・経済関係」「国の経済・好景気」が継続して上位に入っているが、それ以外では「国のパワー」などが高い値を示しているのが目にとまる。人口などの絶対的な数量としての国力に注視していることが透けて見える形となっている。



先行記事「アメリカ合衆国の日本への一般人信頼度70%・有識者は96%に(最新)」でも言及しているが、2013年度分の調査から調査会社が変更されたのに伴い、一部調査項目でこれまでとは異なるスタイルで調査が行われたことが確認されている(外務省自身にも追認で確認済み)。今項目では自由回答形式には変わりないものの、過去においては「もっとも該当しそうな項目”のみ”に各国を選んだ回答者を振り分け」た上で、それぞれの項目の該当者の比率を算出している。それに対し2013年度分以降においては「該当しそうな項目”すべて”に各国を選んだ回答者を各項目毎に振り分け」た上で、それぞれの項目該当者の比率を計算している。

つまり2012年度までは単一回答スタイルでの結果であり、2013年度以降は複数回答スタイルの結果が出ていることになる。例えば「政治的な結びつきが強いけど、貿易・経済関係もそれなりにあるかな」と回答した人は、2012年度では「政治的な結びつき」のみ、2013年度以降では「政治的結びつき」「貿易・経済関係」の双方でカウントされることになる。なお2019年度分は調査実施会社が変わったものの、調査スタイルは同一の模様である。

一部項目、例えば中国の「貿易・経済関係」が2013年度以降に飛び跳ねている。しかしこれは多分にこのような設問の違いによるものであり、各国に対する認識の大きな変化とは言い難い。その点について、十分注意をした上で各データ・グラフを見てほしい。


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