アメリカ合衆国の日本への一般人信頼度70%・有識者は96%に(最新)

2021/06/01 05:10

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2021-0519外務省は2021年5月14日、アメリカ合衆国における対日世論調査の結果を発表した。それによると調査対象母集団においては、一般人の70%・有識者の96%が「日本は信頼できる友邦である」と認識していることが分かった(【発表リリース:令和2年度海外対日世論調査】)。

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今調査は外務省が【ハリス(The Harris Poll)社】に委託し、アメリカ合衆国内において2020年12月‐2021年1月に実施されたもので、有効回答数は一般人1013人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。一般人にはインターネット経由で、有識者には電話によるインタビュー形式で実施されている。

今調査は1960年以来ほぼ毎年実施しているが、少なくとも一般人向けの設問としてはその最初の調査から調べられている項目。それによると「日本はアメリカ合衆国の信頼のおける同盟国・友好国(友邦)か否か」との設問で、信頼できる区分の選択肢を選んだ人の割合は一般人で70%、有識者で96%に達した。

なお2019年度までは単純に「信頼できる」「信頼できない」「分からない」のみだったが、2020年度からは「信頼できる」「どちらかというと信頼できる」「どちらかというと信頼できない」「信頼できない」「分からない」と細分化されている。グラフ上の表記や分析の上では、「信頼できる」「信頼できない」の合算を「信頼できる」、「どちらかというと信頼できない」「信頼できない」の合算を「信頼できない」として勘案する(発表されている結果概要報告書でもこの方法が用いられている)。

↑ 日本はアメリカ合衆国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)
↑ 日本はアメリカ合衆国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)

↑ 日本は米国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)(2001年度以降)
↑ 日本は米国の信頼できる友邦か否か(信頼できる・信頼できない・意見無しの三択中、「信頼できる」の回答者)(2001年度以降)

有識者に対しては1993年度以降に設問が用意されているが、今世紀に入ってからはほぼ9割を維持している。2015年度分はやや下がって83%と9割を割り込んだが、2016年度はいくぶんの持ち直しを示した。一般人については多少の上下を繰り返しながら1990年度代以降は上昇傾向にあり、2012年度においては2011年度から続く形で、それまでの最高値となる84%を記録した。一方それ以降は減少傾向にあり、2015年度でようやく底打ちし、2016年度では大きく上昇し、有識者に近づく形となった。そして2017年度では、はじめて一般人の値が有識者の値を上回る結果が出ている。

直近年度となる2020年度分では、前年度比で一般人は15%ポイント下落、有識者は7%ポイント上昇。両者の値は大きく離れ、有識者の方が高い状態がより明確化する形となった。もっとも一般人の大幅下落に関して詳細を見ると、2019年度ではゼロだった「分からない」が19%と大幅に増えており、これが大きな要因だと考えられる(「信頼できない」は2019年度では15%だったが2020年度では11%と逆に減っている)。

「信頼できる」と回答した人にその理由を複数回答で尋ねたのが次の結果。一般人と有識者とでは傾向が異なり、有識者の方が高い値=多方面の理由を挙げている。

↑ 「日本は信頼できる」回答者による理由(複数回答)(2020年度)
↑ 「日本は信頼できる」回答者による理由(複数回答)(2020年度)

一般人では一番の理由は「友好関係」、そして「経済的結びつき」が続く。一方で有識者では「友好関係」よりも「経済的結びつき」が高い値を示している。「世界経済(の)安定・発展貢献」も第3位という順位は変わらないものの、一般人と有識者の間では回答値には大きな差が生じている。

差異はあるが一般人は有識者と比べて大きく差を開ける形で低い値を示しており、一般人は「世界における日本の具体的な影響力は期待したほど高いものではない」との認識があるようにも解釈できる(公開資料の限りでは両者で質問の様式が異なるようには見えない)。

選択肢の中で一番低い回答値は、一般人は「国際社会における開発協力」、有識者は「価値共有」。それぞれの日本に期待している、注目している(そして失望している)観点の違いが表れているようで興味深い。



やや余談ではあるが補足をしておく。今件調査は外務省が毎年定期的に調査依頼と公開をしているものだが、単年時公開分を調べた限りでは、2012年度分まではギャラップ社に2月から3月(時には2月から4月)と春先にかけて行われていた。それが2013年度以降はハリス・インタラクティブ社(Harris Interactive)に依頼先が変更となっている。また一部項目では調査項目に変更が見受けられるため、単純比較をすると真意を見誤る可能性がある。一方2014年度分以降は依頼対象社がニールセン社に代わったが、内部的には同じであるため(ハリス・インタラクティブ社は2013年11月にニールセン社に買収されている)、2013年度と様式は同一と見なしてよい。実際、各項目の回答値を見ると、それを裏付ける結果が出ている。

一方で2019年度以降はハリス社が調査を実施しているが、ハリス社自身は2017年1月にスタッグウェルグループ(The Stagwell Group)によってニールセン社から買収されており、現在ではスタッグウェルグループの一員となり、社名もハリスインサイト&アナリティクス(Harris Insights&Analytics)と改められている。

特記すべき留意点がある場合には個々で行うが、調査会社が異なる期間においては連続性の点で精度の低い結果が出ていることを認識した上で、各データを見るべきだろう。


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