こづかいを握った手をじっと見る…生活のゆとり感を小遣い面から眺めてみる(2012年版)

2012/07/08 06:40

先に【4万円には届かずも5年ぶりに上昇・2012年のサラリーマンのこづかい事情(2012年発表分)】などで、新生銀行が2012年6月28日に発表した、2012年におけるサラリーマンのおこづかい調査の結果について、内容を多方面の切り口から確認した。今回は昨年の記事の内容を更新する形で、「小遣い面から見た、生活のゆとり感」について見ていくことにする(【発表リリース(PDF)】)。

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今調査は2012年4月23日から24日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は2100人。男女比は1566対534で、年齢階層比は「男性サラリーマン」は20代から50代まで10年区切りで、「女性会社員」「男性パート・アルバイト」「女性パート・アルバイト」は20代・30代でそれぞれ均等割り当て。なお「男性サラリーマン」以外は今回が昨年に続き2回目の調査となる(ただし明記ない限り、データ・グラフはこれまで通り「男性サラリーマン」からのものについてのみ対象としている)。また今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

さて男性サラリーマンの平均月額こづかい額は3万9600円で、2012年は久々に前年比でプラスの動きを示したのは、すでにお伝えした通り。

2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い
↑ 2008年以降における年齢階層別サラリーマンのお小遣い(再録)

それではその小遣い額で、サラリーマンたちは「生活のゆとり感」をどのようなレベルで実感しているのだろうか。小遣いの額面が小さい40代は、やはりゆとりを感じる人の割合も小さい。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2012年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2012年)(「大いにゆとり」「まあまあゆとり」を「ゆとり派」、「やや苦しい」「大変苦しい」を苦しい派)

小遣いの額面の上では20代以上に大きな値を示している50代が、心境的なゆとりの面では20代・30代より下。歳を経るに連れて付き合いなどで消費する額も増えるため、その必要額に追いつかないのだろう。一方で40代はこの数年に渡り、一連の調査では一番低い額の立ち位置を維持している。世帯単位でのお金のやりくりを考えた場合、子供の養育費の負担がサラリーマンのお小遣いに影響している可能性が高い。

小遣いの額面は増加しているものの、ゆとり感は逆にわずかながら悪化している動きも確認できる。

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2012年)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2009-2012年)

物価の上昇はほとんど見られず、小遣い額面は増加。ゆとりの心境が出てきてもおかしくはないのだが、逆に苦しさを覚える人が増えている。リリースでは「大きな動きは無い」と言及されており、誤差の範囲との解釈をしているが、やや気になる流れではある(あるいは【携帯料金の重荷がじわり…サラリーマンのお小遣い事情(2012年発表分)】で指摘した、携帯電話料金が負担になっているのかもしれない)。

この「生活のゆとり感」も正社員と比べて、小遣いが少ないパートやアルバイトなど、非正規社員では低い値を示している。

↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)
↑ 20-30代の会社員とパート・アルバイトの小遣い事情(月額、円)(再録)

↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011-2012年)(正社員・非正社員別)
↑ 小遣い面から見た生活のゆとり感(2011-2012年)(正社員・非正社員別)

併記したように、小遣い額そのものが正社員と比べて非正社員は低いのだから、ゆとりを感じる度合いが低いのも当然の話。若年層のパート・アルバイトで男性7割強、女性で7割近くが「(小遣い面から見て)生活は苦しい」とする状況は、生活感の苦しさがこれらの層に広く深く浸透していると解釈する材料になる。ただし2012年においては男性パート・アルバイトの小遣い額が多少持ち直したため、それに伴い「ゆとりを感じている」人の割合も増加している。この動きも留意をしておきたい。

【派遣以外は増加中…非正規社員の現状をグラフ化してみる(2011年版)】によれば、2011年時点において非正規社員数は約1600万人・労働者の約1/3に達している。単純に乗算しても「厳しさを覚える」人の数が相当数になるのは一目瞭然。パート・アルバイトのお財布事情が良くなるように……というよりは、むしろ正社員として勤めることを希望しているにも関わらず、パートやアルバイトに就かざるを得ない人達を減らす施策を考察、施行すべきだろう。

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