携帯だけで初めて1割超、PCネット接続も減少へ…メディア視聴時間推移(2012年)

2012/07/02 06:45

メディア環境研究所は2012年6月13日、毎年2月に実施している「メディア定点調査」の最新版「メディア定点調査・2012」の抜粋編を発表した。それによるとメディアの接触時間は今年も去年に続き、わずかではあるが増加したものの、ほぼ頭打ちの状態にあることが確認された。また携帯電話(スマートフォン含む、以下同)からのインターネット接続時間が大幅な伸びを示し続けている一方、ラジオや雑誌が減る動きを見せている(【発表ページ】)。

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今調査は郵送調査方式で行われ、2012年2月3日に発送、2月16日投函を締め切りとしたもの。東京・大阪・愛知・高知の4地区を対象に RDD(Random Digit Dialing)方式で選ばれた15-69歳の男女に対し調査票が送付され、2651通が回収された。デジタル手段ではなく郵送方式で調査が行われたことから、比較的片寄りの無い、昨今の状況を表したデータと評価できる。なお、特記無き限りデータは基本的に(今回公開対象となった)東京地区のもの。また各値はウェイトバックがかけられている。

一連の調査において、各主要メディア毎の一日あたりの平均接触時間を時系列にたどって見ると、2006年から2008年の間に少しずつ減少していた総視聴時間は、2009年以降は少々ずつながら増加の傾向を見せている。ただし2010年以降で見れば、冒頭で記したように頭打ちとも読み取れる。

↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(東京)
↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(東京)

今調査を見る限りでは2006年から2012年の間でテレビ6.1ポイント、新聞27.5ポイント、雑誌15.3ポイント、ラジオは27.5ポイント程度の割合で、時間減少が確認できる。一方で昨年同様にテレビが「全メディアの中では最大の時間帯を確保している」事実も変わりが無い。

それぞれのメディアの増減を、公開されている範囲で最古データの2006年時の値を100%として経緯を見たのが次の図。

↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均)(個々媒体の2006年の値を100%とした時の推移)
↑ メディア接続時間時系列推移(分、一日当たり平均で算出した値が元値)(個々媒体の2006年の値を100%とした時の推移)

上記に挙げたポイント数の推移をはじめとした、各媒体の動向が非常によく理解できよう。

今年の特徴としては、「メディア接続総量」がほぼ横ばいで、各項目の時間・構成比が変化している点にある。ざっとまとめると

・メディア接触全体量……横ばい
・携帯電話経由のネット接続、新聞……増加
・テレビ、ラジオ、雑誌、パソコン経由のネット接続……減少

という傾向にあることが分かる。今傾向の理由について元資料では解説がないが、ネット接続に関してパソコンが減り携帯電話が増えたのは、インターネットへの注力そのものは増加する一方(パソコン+携帯電話のネット接続時間は増加中)、スマートフォン普及によりパソコンから携帯電話への利用シフトが起きているものと推測される。雑誌の減退ぶりは【週刊誌や雑誌、書籍の支出額をグラフ化してみる(拡大版)…購入世帯率や購入頻度の移り変わり(2011年・完全版)】などでも容易に把握できる。

また、新聞の時間増加はやや意外だが、単にイレギュラーな場合の他、高齢化に伴うシニア層=新聞愛読層の増加が、全体に影響を及ぼしている可能性もある。来年以降の動きを見定めた上で、判断した方がよさそうだ。



今回データでは旧来メディアも一部で、利用時間をかさ上げしているように見える。しかし実態としては、大きな流れとして、縮減の方向に向かっていることが次のグラフを見るとよく分かる。このグラフは各年のメディア接触時間全体のうち、それぞれのメディアがどれほどの割合を占めているのかを示したもの。パソコンや携帯電話、そして直近では携帯電話が特に割合を増加させ、旧来メディアが少しずつ新メディアに領域を奪われつつあるのが見て取れる。

↑ メディア接続時間時系列推移(各年の全体時間に占める割合)
↑ メディア接続時間時系列推移(各年の全体時間に占める割合)

既存のメディアが少しずつその足場を削られ、新世代のメディアがそこに割り入る形のグラフ。昨今のメディア絡みではどこでも見かける流れである。例えば【20余年間の広告費推移をグラフ化してみる(経済産業省データ・2011年版)(上)…4マス+ネット動向編】が好例だ。

↑  媒体別広告費(構成比推移、2001-2011年)(経済産業省データより)(再構築の上、再録)
↑ 媒体別広告費(構成比推移、2001-2011年)(経済産業省データより)(再構築の上、再録)

広告費は視聴時間と比べると新媒体(インターネット)が少なめだが、このグラフから「プロモーションメディア広告など」の部分をざっくりと削除すると、形状的に似通っていることが分かる。メディアの接触時間といわゆる「媒体力」、そしてその媒体力への対価としての広告費の動きには、それほど大きな違いはない、ということだ。

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