米図書館での書籍借り入れ性向をグラフ化してみる

2012/07/02 06:40

図書館で電書書籍の借り入れアメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年6月22日、アメリカの図書館や本好きな人、そして電子書籍に関する調査結果【Libraries, patrons, and e-books】を公開した。今回はその中から、何冊の本を借りているか、その傾向について見ていくことにする。

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今調査は2011年11月16日から12月21日において、アメリカ合衆国国内で生計を立てている16歳以上の男女に、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による口頭インタビュー形式(英語・スペイン語を利用)で行われたもので、有効回答数は2986人。固定電話は1526人、携帯電話は1460人(うち固定電話を持たない人は677人)。インターネット利用者は2571人。統計結果には国勢調査の数字に基づいてウェイトバックがかけられている。

以前【図書館会員は根っからの本好き…米図書館会員の読書性向をグラフ化してみる】でも触れたが、過去一年間で平均して図書館会員は20冊、非図書館会員は13冊の本を借りている(紙媒体以外に電子書籍、音声本も含む。また図書館以外からの借り入れも含む)。

↑ 過去一年間の購読冊数(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)
↑ 過去一年間の購読冊数(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)(再録)

それでは全体として、どれぐらいの頻度で図書館から本を借りているのか。紙の書籍では1/4近くが「年間1-5回」、1割が「年間6-10回」という結果となった。

↑ 過去一年間に図書館から何回「紙の書籍」を借りたか(過去一年に紙の書籍を読んだ人…全体の77%…限定)
↑ 過去一年間に図書館から何回「紙の書籍」を借りたか(過去一年に紙の書籍を読んだ人…全体の77%…限定)

半数強は「図書館では借りていない」と答えている。もっとも【米図書館会員率58%、図書館を「大切だ」と思う人は69%】でも示しているが、図書館会員比率は全体の58%であることを考えれば、あながち高いとも言い切れない。また原文では【世代、学歴、収入別…米図書館利用性向をグラフ化してみる】でも示している通り、若年層や子供を持つ母親の方が借りる冊数は多いことを示唆している。

↑ 図書館利用性向(過去1年間)(米、2011年12月)
↑ 図書館利用性向(過去1年間)(米、2011年12月)(再録)

これらは先の記事でも解説した通り、「学業で必要」「子供への読み聴かせ用」に図書館から本を借りるため、必然的に回数も増えたと考えれば道理が通る。

一方、電子書籍は借りる人そのものが非常に少ない。

↑ 過去一年間に図書館から何回「電子書籍」を借りたか(過去一年に電子書籍を読んだ人…全体の26.6%…限定)
↑ 過去一年間に図書館から何回「電子書籍」を借りたか(過去一年に電子書籍を読んだ人…全体の26.6%…限定)

直近1年間で1回以上、電子書籍を図書館から借りた人は、電子書籍を読んだ人の中でも12%でしかない。また、電子書籍を図書館から借りた人の人数自身が少ないので、統計上ぶれが生じるリスクが大きく断言はできないものの、「電子書籍を図書館から借りた人」は「電子書籍を図書館から借りていない人」と比べ、本そのものの借り入れ回数が多い傾向にあるという(要は「より読書好き」な人が、「図書館から電子書籍を借り」ているということになる)。

図書館から電子書籍を借りる人が少ない理由について原文では「そもそも貸し出しの仕組みがあることを知らない」「図書館を使っていない(貸し出しカードを持っていない)」「不便、もっと簡単に本を取得・借り入れする方法がある」などの事由を挙げている。図書館で電子書籍を借りることに違和感を覚えるのか、ラインアップやシステム上の問題があるのか、啓蒙が足りないのかまでは不明だが、電子書籍の世界では先を行くアメリカでも、図書館との連動性については試行錯誤のさなかにあるようだ。

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