2012年5月度外食産業売上はマイナス1.5%・悪天候と消費ムードの落ち着きが原因か

2012/06/26 12:00

日本フードサービス協会は2012年6月25日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2012年5月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でマイナス1.5%となり、先月から転じて前年同月を下回った。活発的な販促で客数はわずかに上回ったものの、天候に恵まれず、さらに消費ムードの後退などを受けて、客単価の減少を補てんするまでには至らなかった(【発表リリース】)。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が222、店舗数は3万2837店舗。今月は前月と比較して事業社数・店舗数共に増加している。

全業態すべてを合わせた5月度売り上げ状況は、前年同月比で98.5%と前年同月を下回った。今年は昨年と比べて雨の日が少なかったものの、東日本を中心に荒れ模様の天候が続き、これが客足の伸びを最小限に留まらせることになった。各社とも積極的に販促キャンペーンをしたり、低価格メニューを展開することで客入りの増加を模索したが、前年同月比で客数はプラス0.9%でしかなかった。客単価は展開メニュー内容によりマイナス2.4%となり、売り上げはマイナス1.5%と落ち込んでしまう。

業態別ではファストフードが先月から転じてマイナス。客数はそれなりに伸びたが、客単価の落ち込みはカバーしきれなかった。牛丼チェーン店が含まれている「和風」では、「売上97.5%」「客数93.1%」「客単価104.7%」。メニューの種類増加と、値引きキャンペーンが行われた昨年同月との比較ということもあり客単価は上昇したものの、客の入りは厳しく、売り上げもマイナスに。

ファミリーレストラン部門はかろうじてトントンのレベル。休日数の減少が大きく響き、伸び悩んでいる。唯一焼肉が前年同月でプラス2.6%と健闘しているものの、これは前年同月に食中毒事故で売り上げが大きく落ちており、その反動でプラス化したのが大きい。

全店データ
↑ 全店データ

震災の影響で
大きく値を減らした
前年同月との比較による
リバウンド的な動きは
ほぼ終了。
消費ムード後退との
指摘も。
東日本大地震・震災の直接的、一次的影響は、少なくとも外食産業においてはほぼ終わりを見せている。一方で消費性向における自粛・節電シフト、食品の安全に関する問題などの二次的影響(風評、扇動によるもの含む)は消費者・提供側双方の懸念材料として残り、中長期的な客数の減退が不安視される。また「焼き肉」項目のように、震災とは別個の方面で、個別業態の動向を大きく揺るがす事象も発生している(厚生労働省では今年7月1日から牛の生レバーの提供禁止を決めているため、「牛のレバ刺し」が焼肉店では販売できなくなる)。その上これからは消費税や住民税など税金回りの話が家計に大きな影を差すため、消費性向、特に外食にはマイナスの動きを見せる可能性が高い。

震災を経て、すでに各種プロモーションなどで新たな歩みを進めている企業・業態もあるが、暗中模索状態の企業も少なくない。消費者の生活・消費スタイルは確実に変容しており、直近ではこれから夏にかけて、生命線ともいえる電力需給問題も具体的な形としてクローズアップされてくる。これらの難局に対して今後外食産業がどのような対策を講じていくのか、色々と気になるところではある。

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