本を買うか借りるか…米書籍購入・借用傾向をグラフ化してみる

2012/06/26 12:10

図書館アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年6月22日、アメリカの図書館や本好きな人、そして電子書籍に関する調査結果【Libraries, patrons, and e-books】を公開した。今回はその中から、図書館会員であるか否かによる、本の購入・借用の選択について見ていくことにする。

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今調査は2011年11月16日から12月21日において、アメリカ合衆国国内で生計を立てている16歳以上の男女に、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による口頭インタビュー形式(英語・スペイン語を利用)で行われたもので、有効回答数は2986人。固定電話は1526人、携帯電話は1460人(うち固定電話を持たない人は677人)。インターネット利用者は2571人。統計結果には国勢調査の数字に基づいてウェイトバックがかけられている。

紙媒体にせよ電子書籍にせよ、本を読みたい場合、通常はその本を「買う」か「借りる」の2通りの手段で手元に収めるしかない。そのどちらの手法をよく使うか、対象となる本の形態別に尋ねた結果が次のグラフ。

↑ 本を読み聴きしたい時、購入と借用、どちらを良く行うか(米、2011年12月)
↑ 本を読み聴きしたい時、購入と借用、どちらを良く行うか(米、2011年12月)

わずかだが紙媒体より電子書籍の方が購入性向が高い。これは一般的に「電子書籍の方が安い」「電子書籍は紙媒体の本よりも気軽に買える」ことによるものと考えられる。他方音声本は「借りる」とする意見が圧倒的に多いが、理由について原文では何も触れていない。一過性的なもので、貯めておく必要性が低いからだろうか(聞き流しレベルで調達する楽曲と同じ扱いかもしれない)。

これらの動きについて、図書館会員か否かで再集計したのが次のグラフ。まずは紙媒体の本。

↑ 紙媒体の本を読む際の購入・借用傾向(紙媒体の本購読者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)
↑ 紙媒体の本を読む際の購入・借用傾向(紙媒体の本購読者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)

意外と思う人もいるかもしれないが、図書館会員の方が購入性向は低い。「買う」「借りる」派がほぼ同数で並んでいる。要は「図書館会員」は本好きであるが、「本そのものの取得・貯蔵が好き」なのではなく「読書が好き」なのである。そのために図書館会員になったわけだから、借りれる本は積極的に借りていこうというところか。

続いて電子書籍。

↑ 電子書籍を読む際の購入・借用傾向(電子書籍購読者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)
↑ 電子書籍を読む際の購入・借用傾向(電子書籍購読者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)

紙媒体の本と比べると、やや購入性向が高い。やはり購入ハードルが(価格・購入までの労苦の点で)低いのが要因だろう。原文では「子供のために読んで聞かせる本や、自己啓発系・啓蒙系のような何度も繰り返し読めるタイプの本を買う」という言及が見られる。また、シリーズ作や参考書系、図版が大量に掲載されている本も購入されやすいとしている。

一方で「電子書籍は何らかのトラブルで消えてなくなってしまうリスクがある。だから(電子書籍ではなく)紙媒体の本を選ぶ」という意見も見受けられた。

最後は音声本。

↑ 音声本を聴く際の購入・借用傾向(音声本視聴者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)
↑ 音声本を聴く際の購入・借用傾向(音声本視聴者限定)(図書館会員であるか否か別)(米、2011年12月)

今回取り上げた3形態の中では、もっとも「借りる」派が多い。これは図書館会員も非会員も変わらない。書籍ほどのこだわりがないのかもしれない。

なお違和感を覚える人もいるかもしれないので記しておくが、アメリカでは図書館で電子書籍も借り入れられることが一般的となっている(アメリカの事例は【電子書籍は買うだけじゃない!図書館でもネット書店でも借りられる米国の電子書籍事情(ダイヤモンド・オンライン)】を参照のこと)。日本でも例えば【大阪市立図書館】のように一部の図書館ではあるが、同様のサービスを進めている。これらの様式が浸透すれば、日本でも書籍周りの動向は随分と変わっていくに違いない。


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