新たな本との出会いのきっかけ、図書館会員はより大きな「耳」を持つ

2012/06/25 12:10

図書館アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年6月22日、アメリカの図書館や本好きな人、そして電子書籍に関する調査結果【Libraries, patrons, and e-books】を公開した。今回はその中から、図書館会員であるか否かによる、新しい本のおススメを受ける機会について見ていくことにする。

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今調査は2011年11月16日から12月21日において、アメリカ合衆国国内で生計を立てている16歳以上の男女に、RDD方式で選ばれた電話番号に対する電話による口頭インタビュー形式(英語・スペイン語を利用)で行われたもので、有効回答数は2986人。固定電話は1526人、携帯電話は1460人(うち固定電話を持たない人は677人)。インターネット利用者は2571人。統計結果には国勢調査の数字に基づいてウェイトバックがかけられている。

定期購入をしている本や、たまたま見かけた、思い付き、さらには必要に迫られて手を伸ばす場合もあるが、人が社会的生物である以上、第三者によっておススメされた本を調べてみたり、購入する機会は多い。インターネット上で「今月号の●×は内容も付録も抜群」的な書込みを目にし、インターネット通販で注文するのが代表的な例といえよう。

今調査項目では主要4パターンにおいて、本のおススメ情報を受けているか否か(見方を変えれば「おススメ情報を入手しているか」)をチェックしている。「図書館会員」とは「図書館の会員カードを持っている人」。原文では「Library card holder」だが、分かりやすい表記に直している。

↑ 本に関する「おススメ情報」をどこから受けるか(米、2011年12月)
↑ 本に関する「おススメ情報」をどこから受けるか(米、2011年12月)

もっとも多くの人が本を薦められる機会は「家族、友達、同僚」。伝達媒体は指定されていないので、オンライン上のものも含む(もっとも、これらの人物から直接ではなく、わざわざオンライン上で本を薦められるという状況はあまり考えにくい)。要は「身近な人からのおススメ本」ということになる。続いてネット本屋・ウェブサイト。そして本屋の店員さん、図書館員や図書館のウェブサイトと続く。

注目したいのは「図書館会員であるか否か」の違い。4項目すべてにおいて、図書館会員の方が高い値を示している。仕事などで使う事例がある場合を除けば、本に興味を持たない人はわざわざ会員カードを作って図書館で本を借りたりはしない。図書館会員である以上、一定頻度の割合で図書館から本を借りる場合が多く、度合いはともかく読書好き・本好きである可能性は高い。必然的におススメ本と出会う機会も多く(場合によっては積極的に覗くこともあるだろう)、値は高くなるという次第。

なお同一調査結果を別切り口で勘案した事例を以前【家族や友達、同僚からが一番…米書物推奨情報性向をグラフ化してみる】で解説したが、それによれば電子書籍リーダーやタブレット機の所有者は図書館会員と似たような動きを示している。

↑ 読みものについてどこで推奨情報を手に入れるか(米、2011年12月、16歳以上)
↑ 読みものについてどこで推奨情報を手に入れるか(米、2011年12月、16歳以上)(再録)

本好き、読書好きならば図書館会員である可能性も高く、タブレット機などで電子書籍を積極的に読もうとする。「本好き」という基本的な性向がさまざまなアクションを取らせる、積極化させるという視点で見ると、これらの値の動きにも納得ができる次第である。

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