高齢者のネットアクセス機器をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/06/29 07:05

シニア層とパソコン総務省は同省公式サイトなどで2012年5月30日に、平成23年(2011年)調査における通信利用動向調査の概要を発表した(【発表ページ】)。これは日本におけるインターネット、携帯電話などのような、情報通信関連の調査結果を集約したもので、毎年7月に発表される【情報通信白書】の基礎データにもなる、同省の情報通信統計としては注目すべき内容となっている。現時点では概要、及び統計データのe-Statへの収録のみで報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「高齢者のネットアクセス機器」をグラフ化してみることにする。

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調査概要や調査対象母集団数などに関しては、2012年6月12日付の記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2011年分反映版)】にある通り。そちらを参照してほしい。

先に【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる(2011年分反映版)】で記したように、自宅のパソコンを用いてインターネットを利用している人は62.6%、自宅以外のパソコンを用いている人は39.3%。スマートフォンも含めた携帯電話を使ってインターネットへのアクセスをしている人は61.4%に達している。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン)(再録)

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン以外)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別2011年末)(パソコン以外)(再録)

その記事の文末でも触れているが、「60歳を超えるとインターネットへのアクセスは”パソコン利用者よりも携帯電話、しかもスマートフォンでは無く一般携帯電話利用者が多くなる”という傾向が見られる」。そこで60歳以上の動向について、「携帯電話」を「一般携帯電話」と「スマートフォン」に分割した上で、グラフを再構築したのが次の図。

↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2011年末)(全体と高齢者限定)
↑ インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率(年齢階層別/2011年末)(全体と高齢者限定)

全体では16.2%を数える「スマートフォンによるネットアクセス者」も、60歳以上ではほとんど無きに等しい。そして60-64歳ではインターネット機器としての利用率において「自宅パソコン」と「携帯電話(スマートフォン除く)」がほぼ同数となり、65歳以降では逆転する。まさに「シニア層には一般携帯電話がインターネットへの窓口となる」状況が見て取れる。

「機動力が高い」「技術的にアクセス環境の整備が容易」「初期投資を安く抑えられる」などの観点では「携帯電話(スマートフォン除く)」も「スマートフォン」も変わらない。むしろ画面処理能力をはじめとした各種機能、アプリケーションによる柔軟性では、はるかにスマートフォンの方が上。にも係わらず現時点で高齢者にスマートフォンが浸透していないのは、利用上のハードルの高さ(操作が難しい、やるべきことが多い)やコスト高の他に、【タッチパネル製品保有の世帯は8割強、携帯ゲーム機5割・カーナビ1/3】でも指摘している「タッチパネル製品が使いづらい」というシニア層ならではの問題点があると思われる。

携帯電話各社の機種展開方針などを見ると(【らくらくスマートフォン F-12D、ドコモから登場】)、今後はこれらの層にも少しずつスマートフォンが浸透してのは容易に想像ができる。とはいえ高齢者が抱える問題をすべて解決しているとは言い難く、若年層と比べて普及スピードはゆるやかなものになるはず。むしろこれらの問題を解決しうる、新たな発想の機種展開も求められよう。

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