シニア層の伸びさらに継続・年齢階層別インターネット利用率をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/06/25 06:55

インターネット総務省が2012年5月30日に公開した、平成23年(2011年)調査における通信利用動向調査結果(【発表ページ】では、日本のインターネットや携帯電話など、情報通信に関係する各種調査結果が反映されている。またこれは、毎年7月に発表される【情報通信白書】のベースにもなる、同省の情報通信統計としては非常に重要なもの。現時点では概要、及び統計データのe-Stat(総務省統計局のデータベース)への収録のみで報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「年齢階層別インターネット利用率」をグラフ化してみることにする。なお各機種ごとの年齢階層別インターネット普及率は、切り口を変えた上で(インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率として)すでに【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる(2011年分反映版)】で記事化しており、今記事はその補完的立ち位置のものとなる。

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調査対象母集団数など調査要項については2012年6月12日付の記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2011年分反映版)】にある通り。そちらを参照してほしい。

最新版「通信利用動向調査」によると、2011年12月末時点のインターネットの普及率(過去1年間にインターネットを利用したことがある人の率)は79.1%・利用者人口は9610万人。この調査結果における「インターネット利用」とは、6歳以上で、過去1年間にパソコン・携帯電話(スマートフォンやPHS含む)・ゲーム機・タブレット機などあらゆる端末でインターネットにアクセスした経験があるか否かのみで判断している。アクセス対象の機器を自分が保有しているか否か、利用目的が私的・仕事上・学校の学習用であるかなどは一切問われていない。要は「インターネットカフェで、備え付けの端末でネットサーフィンをした」「携帯ゲーム機でインターネットブラウザを使ってアクセスした」「スマートフォンでウェブサイトを参照した」でも「利用者」に該当する。

インターネット利用者数及び人口普及率の推移(個人)
↑ インターネット利用者数及び人口普及率の推移(個人)(再録)

ところが年齢階層別にみると、幼年層の6-12歳はともかくとして、13歳以降40歳代までは79.1%どころか9割以上の利用率を占めていることが分かる。

年齢階層別インターネット普及率
年齢階層別インターネット普及率(個人)

この利用率も50歳を超えると段階的に小さくなり、60歳以降は加速度的に下落していくのが分かる。高齢者ほどインターネットの利用率が低くなることは【「新聞って信頼できるよね」「正確だよね」はそれぞれ6割、ただし若者と高齢者の間には大きなギャップも】【減る「テレビ」「新聞」、増える「ネット」……メディアへの接触時間推移をグラフ化してみる(2011年発表版)】など多数の調査機関の調査結果でも明らかにされている通り。その理由については視聴覚の衰えの問題(パソコンやモバイル系端末は小さい文字が多い)や、新たに覚えねばならないことが多い(のに記憶力は減退気味)、失敗した時に「やり直せる」時間が短いため、新しいことをする行為自身がリスクとなる、タッチパネル方式の端末は利用しにくいなどいくつか挙げられる。そして以前【お年寄りのネット嫌い その理由は?】でも推定しているように、「人生全体における、インターネットなどの新メディアとの接触時間の割合が少ない」のが大きな理由として考えられる。

新世代メディアの展開を10年と仮定した時の、各年齢における「自分の人生全体における新世代メディアとの接触年数」(概念図)(再構築版)
↑ 新世代メディアの展開を10年と仮定した時の、各年齢における「自分の人生全体における新世代メディアとの接触年数」(概念図)(再構築版)(再録)

インターネットが本格的に普及してからまだ10年強しか経過していない。お歳を召した方にとっては、ほんの一部の時間にしか過ぎず、考え方の切り替えがうまくいかない場合も多い。それは歳をとるほどに主観時間が短く感じられる(1年ごとに人生の分母が増える。例えば20代にとっての1年は1/20であるが、60代にとっての1年は1/60でしかない)ジャネーの法則のようですらある(【「自分が知ってるそのことを 相手が知っているとは限らない」…ネット上の「暗黙の了解」の明文化】あたりの話も参考になる)。

ただしここ数年、シニア層の大きな伸びが確認できる。80代以降は落ち込んでいるが、60代以降は押しなべて上昇を見せている。【一般携帯電話とスマートフォンのネット利用状態をグラフ化してみる(2011年分反映版)】などでも触れているが、一般携帯電話の普及が多分に貢献している。

今回のデータを見る限り、すでに70代でも4割強、80歳以上でも1割強が「インターネットを利用している」と答えている。そろそろ「インターネットは若年層だけのツール」とする表現は看板を下ろしてもよさそうだ。

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