会社と働き手のつながり強化のために求められるもの、賃金・雇用・公正な評価
2012/06/22 07:00


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今調査は2012年4月1日から4日にかけて携帯電話経由のインターネットリサーチ方式によって行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は1対1、世代構成比は20代から50代まで10歳区切りで均等割り当て。調査実施機関はネットエイジア。
リストラ、非正規雇用形態の拡大や失業率の増加、賃金問題など、企業・会社と労働者との関係の再確認が求められる昨今。会社と労働者とのつながりを強化していくために、どのような仕組みや制度を拡充すべきかを聞いた結果が次のグラフ。最上位には「安定した賃金」が7割超の回答率で位置することになった。

↑ 会社と労働者とのつながりを強くするために、拡充すべきだと思う仕組みや制度(複数回答、上位10位のみ)
次いで多いのは「安定雇用」、さらに「客観的かつ公正な評価制度」「長期休暇制度」が続き、ここまでが過半数の回答率を占めている。見方を変えればこれらの項目について、現在の会社・社会全体としては不十分であるからこそ、拡充を求めているということになる。確実な「賃金」と「雇用」、そして「理不尽でない評価制度」。今の労働市場・労使関係で足りないものを率直に体現している。
これを男女別に再構築すると、性別の労働環境やとらえ方が見えてくる。

↑ 会社と労働者とのつながりを強くするために、拡充すべきだと思う仕組みや制度(複数回答、上位10位のみ)(男女別)
全般的には女性のほうが拡充の要望が強い。それだけ現状に不満を抱いていることの裏返しといえる。特に「出産・子育て支援制度」には男性に対し10ポイント強ほど上回る値をつけている。
男性が女性を上回る項目は2つ、「住宅手当」と「高齢者雇用制度」。特に後者は男性の方が退職後の再就職への希望が大きいことから、理解はできる動きといえる(【高齢者の仕事事情(高齢社会白書(2011年版))】)。
回答者の中には経営サイド・管理職サイドの立場の人もいるだろうが、多くは労働者・被雇用者サイド。つまり今件は多分に雇用される側の意見であることに留意しなければならない。労使間のつながりの弱体化は職場の活力の低下、働き手のモチベーションの低迷、さらにはそこから商品・サービスの質の低下や安全性の問題にまで波及しうる。
会社と労働者とのつながりの強化は、短期的な成果は見えにくいからこそ、中長期的な視野から望み、重視しなければならないポイントであるのは言うまでもない。
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