米は主要項目すべてで額面上昇、総額50兆ドル突破(日米家計資産推移:2012年1Q分)

2012/06/20 12:00

日本銀行は2012年6月19日、2012年第1四半期(1-3月)における資金循環の日米比較に関するレポートを公開した。それによるとアメリカは主要項目すべてにおいて額面上で上昇し、一連の記事上で取り扱っている2006年第1四半期以降初めて家計金融資産の合計が50兆ドルを突破した。一方日本は「保険・年金準備金」はやや増加し、「株式・出資金」は大きく増えたものの、「現金・預金」「債券」がやや減少する動きが見受けられる。経済、金融市場の回復ぶりが、そのまま反映されたようだ(【リリース掲載ページ】)。

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今リリースは日本銀行が年4回定期的に速報値として発表しているもの。それに伴い以前掲載した、日本の家計における金融資産の構成比率の変化を精査する記事から連携・連動させる形で色々とグラフ化・考察を行っており、今回はその最新版データに基づいた記事となる。

まずは直近、2012年第1四半期(1Q)時点での、日米の家計における資産構成比率。日本が「現金・預金」に大きく傾倒している一方で、アメリカが「株式・出資金」や「投資信託」「債券」を大量に保有している図式に変わりは無い。なお今回も前回同様に、数回前から元資料に掲載されるようになったユーロエリア(逐次最新情報への継続更新に違いは無いが、日米と比べて四半期遅れた情報開示となっている。つまり今件は2011年4Q分)についても、参考の形で掲載した。

日米欧家計金融資産構成比率比較(2012年1Q)
↑ 日米欧家計金融資産構成比率比較(2012年1Q)

3国・地域とも「保険・年金準備金」の比率はほぼ同じであること、「現金・預金」と「投資信託」「株式・出資金」などの有価証券保有比率がユーロ圏は日米の中間にあることなど、興味深い傾向が確認できる。

これをいつもの通り日米別に、その推移をグラフ化する。まずは日本。構成比率と絶対額の推移を確認する。

日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2012年1Q)
↑ 日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2012年1Q)

日本の家計金融資産構成推移(1997年-2012年1Q)(単位:兆円)
↑ 日本の家計金融資産構成推移(1997年-2012年1Q)(単位:兆円)

直近数年(2008年前後)で「現金・預金」の比率が大きく伸びたのは、貯金額そのものが増えたのも多少はあるが、それ以上に株価の低迷によるところが大きい(相対的に「現金・預金」比率が上がったという理屈。また損切りによるポジション整理も多分にある。「株式・出資金」の額・比率が同じタイミングで大きく減少していることからも、その動きが理解できる)。もう少し詳しい挙動(四半期単位)を知りたいところだが、残念ながら現時点においては、合間を埋めるデータ(2007年-2008年)を見つけ出すことはかなわない。

今期においては冒頭で触れたように、株価の上昇を受けて「株式・出資金」には大きな上ぶれを見せており、同時に「現金・預金」が値を落としている。「投資信託」も大きく上げているところから、リスク資産に資金が投入された動きと見受けられる。もっとも1Qで「現金・預金」が上昇するのは定例行事的な流れなので、それほど驚くものでは無い。

一方アメリカ。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2012年1Q)
↑ 米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2012年1Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2012年1Q)(兆ドル)
↑ 米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2012年1Q)(兆ドル)

アメリカの該当期も、株価動向は堅調に推移。この流れの中で「投資信託」「株式・出資金」共に大きく増加している。同時に「現金・預金」の絶対額もここ数年来の傾向に従う形で漸増中。

グラフには記載していないが、家計金融資産の総額は2012年1Q時点で日本が1513兆円、アメリカが52.5兆ドル。これはそれぞれ直近前期から(日本)プラス1.98%・(アメリカ)プラス6.47%の変移となっている。為替レートの問題もあるため両国間の額面での単純比較はできないが、それぞれの国において3か月でどれだけ家計の金融資産の評価額が積上げされたか、そしてその上昇率からそれぞれの国の景気の勢いが推し量れよう。なお冒頭でも触れたように、アメリカの家計金融資産合計額は、一連の記事で把握している2006年以降で初めて50兆ドルを突破している。インフレによるところも小さくないが、資産「額」のふくらみぶりが理解できる。

記事執筆時点では欧州の債務危機問題の懸念が上乗せされる形となり、さらに新興国の情勢不安も相まって、為替レートは大きく変動、それに伴い株価も低迷の動きを見せている。次期には「株式・出資金」「投資信託」の額面減少が予想されるが、実態として家計の金融資産動向にどこまで影響を与えるのか、次回の発表内容が気になるところだ。


※2013.06.25.更新
今件記事は説明が多分に重なる部分などを省略した簡略版です。全体版及び最新版については【日米家計資産推移(日銀)最新記事】にて掲載しています。

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