インターネット機器としてのモバイル機器とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2011年分データ反映版)

2012/06/21 07:00

総務省が2012年5月30日に公開した、平成23年(2011年)調査分の通信利用動向調査結果(【発表ページ】)は、日本のインターネットや携帯電話など、情報通信に関係する各種調査結果を反映した報告書で、毎年7月に発表される予定の【情報通信白書】の基幹部分にもなる、同省の情報通信統計としては高ウエイトなものである。現時点では概要、そして統計データのe-Statへの収録だけで詳細な報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「個人が所属する世帯の年収別、インターネット機器としての携帯電話をはじめとしたモバイル機器とパソコンの利用率」をグラフ化してみることにする。なお携帯端末に限ればすでに【一般携帯電話とスマートフォンのネット利用状態をグラフ化してみる(2011年分反映版)】で解説済みであり、今件記事はそれと合わせての確認をお勧めしたい。

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調査概要や調査対象母集団数などは2012年6月12日に公開済みの記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2011年分反映版)】で解説済みなので、そちらを参照してほしい。

今件記事は本来【携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)】のデータ更新版となるはずであった。しかし「通信利用動向調査」では2012年発表分から単なるパソコン・モバイル端末の保有率に関する調査結果の発表は無くなり、インターネット機器としての利用状況結果が公知されている。これは昨今においては「パソコンにしてもモバイル端末にしても、インターネットへのアクセスを前提として利用されている」状況であるため、煩雑さ・データ取得の際の錯誤を避ける理由があるものと思われる(保有率という点なら以前の【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2012年分データ反映版)】にもある通り、内閣府の消費動向調査でも明らかにされている)。

早速、今調査結果をグラフ化する。なおこれまでの記事同様、インターネット利用に関する非回答、さらにはインターネット利用の機器について未回答者は利用率算出の際に除外されている。またモバイル端末にはスマートフォンを含む(タブレット機は明記こそないものの、使用スタイルなどからパソコン(ノートパソコン)扱いと思われる)。


↑ 世帯年収区分別・インターネット機器としてのパソコン、モバイル機器、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2011年末)(インターネット利用者限定)

昨年の同様の記事「携帯電話とパソコンの所属世帯年収別利用率をグラフ化してみる(2010年分データ反映版)」でも示した通り、全般的には「自分が所属する世帯の年収が低いほど、パソコンも携帯電話も利用率が低い」という傾向が確認されており、金銭的な問題が利用ハードルとなっていることが分かる。

ただしモバイル端末に限れば「1000-1500万円未満」までほとんど変化が無く、むしろ「200万円未満」の世帯の方が高い(そしてパソコンよりも利用率が高い)。これは「インターネットが必要不可欠なインフラ」であるのと同時に、「パソコン経由のインターネットアクセス環境を整備するのには、多分に費用がかかる」「携帯電話などのモバイル端末なら操作も比較的簡単、コストも安上がりで済む」のが原因と思われる。

もう一つ気になる傾向としては、極世帯年収の高い層、具体的には1500万円以上になると、モバイル端末のインターネット利用率が急に上昇を見せ、同時にパソコン利用率が減少していく。2000万円以上では双方において逆転する動きすらある。忙しさのあまり、固定端末としてのパソコンや大きなサイズのノートパソコンを利用する余裕がないのかもしれない。しかしそれ以上に、比較的高齢者に高年収者が多いことから、直接「高年収」=「パソコン利用低迷・モバイル上昇」ではなく、「高年収」≒「高齢者」≒「パソコン利用低迷・モバイル上昇」的なつながりを考えたほうが道理は通る(【インターネット機器としての個人の携帯電話やパソコン利用率をグラフ化してみる(2011年分反映版)】)。


↑ 世代区分別・インターネット機器としてのパソコン、モバイル機器、家庭用ゲーム機などの利用率(個人、2011年末)(一部)(インターネット利用者限定)

また、今件結果では中堅所得世帯以上になると、1割強ほど「ゲーム機やテレビなどでインターネットへアクセスする」と回答している。今後さらにインターネットとのつながりを重視するハード・ソフトが浸透すれば、この比率も順次増加を見せることになるかもしれない。もっともその場合、パソコンやモバイル端末とどこに違いを見いだせるのか、特に携帯ゲーム機の場合はスマートフォンでよいではないか、ということにもなりかねないが……。


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【自宅でネットを使わない、その理由】

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