ギリシャが大幅上昇で9割超え、キプロスもつられて7割を超える(国債デフォルト確率動向:2012年6月)

2012/06/15 12:20

【国債・公債のデフォルト確率上位国をグラフ化してみる(2010年12月17日版)】で説明したように、経済動向を推し量るのを目的とし、債権リスクを示す指針の一つCPDを元に、主要国・地域の国公債のデフォルト確率上位国を2010年12月から1か月単位で確認している。今回は2012年6月分として、15日時点の数字についてグラフ化を試みることにした。

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国公債のデフォルト確率を表すCPD(5年以内のデフォルト可能性)そのものの細かい定義、データの取得場所、そして各種概念は一連の記事まとめ【定期更新記事:CPD(国公債デフォルト確率)動向】で解説済み。そちらを参照してほしい。

今件のグラフは日本時間で2012年6月15日、つまり(日本時間で)本日取得したばかりの一番新しいデータで生成している。前回も掲載されていた国・地域については前回値を併記している。今回は前回からあまり大きな変動は無く、上位10位の登場国・地域はすべて継続されている(順位のみ変動している)。

↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)
↑ 国債・公債のCPD上位10位(市場が見なしている、今後5年間でのデフォルト確率)(2012年6月15日時点)

3か月前に「デフォルト扱いされて『確率』の上で100%となり掲載対象外になった」「CAC(ギリシャ債務交換において発動された集団行動条項)でランキングのはるか下までCPD値が減少した」のいずれかの理由で10位内からは脱落していたギリシャはその次の月、何も無かったかのように高値で復活した。今月は再選挙を17日に控え、どのような結論が出てもリスクは高まるだろうとの市場予想からCPDは上昇。先月比で8ポイント近く上げ、100%に手が届きそうな状態となっている。一昨年の年末にCPD周りの記事を書き始めた際には50%台だったとはとても思えない。

またギリシャの動きに連動する形か、キプロスやスペイン、アイルランドの値も上昇をみせている。先月でも指摘したが、上位陣は【若年層の失業率、スペイン51.5%・ギリシャ52.7%…ヨーロッパの失業率をグラフ化してみる(2012年4月分)】などでも示しているように、失業率の高い国と一致する事例が多く、財務状態と雇用市場の連動性を改めて知る事ができる。

先月「目立つ事例」として取り上げたアメリカ合衆国内のイリノイ州の公債CPDは今回第10位と順位こそ後退したものの、CPD値そのものは上昇。現米大統領のオバマ氏が同州選出の議員だったことを考えると、色々と複雑な思いを寄せる人も少なくあるまい。

なお日本の国債に対する値は4半期ごとに更新されるCMD Visionのリスクレポートの最新版【2012年第1四半期リスクレポート(CMA Global Sovereign Debt Credit Risk Report、PDF)】で確認できる。それによると、CPDは8.0%・格付けはa+で順位は16位。2011年第4四半期の値がCPD値11.2%・格付けaa-・順位20位なので、状況は改善、世界各国との相対的なリスクも低下している。ただ、格付けが一段階下がったのが気になるところ。

先月「新たな火が上がってきた」ギリシャ問題も、直近の山場を再選挙の17日に迎える。前後して何度か「株式市場雑感」や【東京株式市場での外国人投資家の売買動向、2週ぶりの売り超し】で触れているが、スペインの銀行に対する最大1000億ユーロの支援決定に絡み、ギリシャから飛び火した火種が元々の火種と融合して大火にすらなりうる状態。為替レートだけを見てもユーロ安は継続中で、状況の厳しさを反映している。

↑ ユーロ変移(対円、終値、2011年1月3日~2012年6月14日)
↑ ユーロ変移(対円、終値、2011年1月3日~2012年6月14日)

このような状況だからこそ失業率の動向と合わせ、債券リスクに絡むCPDの値は、各国の経済情勢をかいま見る有効な指標の一つとなりえる。今後も失業率同様、CPD値には注意深く監視の目を向けたいところだ。


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