一般携帯電話とスマートフォンのネット利用状態をグラフ化してみる(2011年分反映版)

2012/06/15 06:55

スマートフォンでインターネット総務省が2012年5月30日に発表した、平成23年(2011年)調査における通信利用動向調査(【発表ページ】)は、日本のインターネット・携帯電話のような、情報通信の各種調査結果を反映したレポートで、毎年7月に発表される【情報通信白書】の基礎にもなる、同省の情報通信統計として重要なもの。記事執筆点では概要や統計データのe-Statへの収録だけで報告書の類は完成していないが、今回はそのデータから「携帯電話(PHSやスマートフォンなどを含む)における、インターネットの利用時における機種区分」をグラフ化してみることにする。現状では携帯電話、特にスマートフォンは「所有」=「インターネットの利用」に該当するため、ほぼ「所有状況」と見なせる内容である。

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調査概要や調査対象母集団数などは2012年6月12日付の記事【光回線浸透継続の一方で意外なモノの伸びも-自宅パソコンのネット接続回線の種類をグラフ化してみる(2011年分反映版)】の通り。そちらを参照してほしい。

今回グラフ化したのは、「モバイル系端末(スマートフォンを含み、タブレット機は含まない)」に限定した「インターネットの利用率」。なお2011年分から「通信利用動向調査」の調査項目に変更が生じており、「個人ベースでの所有の有無回答が無くなった(パソコンやモバイル端末所有者は、それらを使ってインターネットを利用していると判断され、「該当端末利用によるインターネット利用者」として調査が行われている)」「区分に『スマートフォン』『タブレット型端末』が明記され、設問によってはスマートフォンと携帯電話は別途カウントされるものもある。タブレット型端末はノートパソコンに類するものとして、携帯電話の範ちゅうからは外されている(但し「モバイル端末」との表記の場合はタブレット機も含める場合もある)」などの動きが見られる。

統計表一覧から「過去一年間にインターネットを利用した人の割合」において、利用機器項目の中でモバイル系端末周りの項目をいくつか抽出。その上で必要な計算を施し、「一般携帯電話(PHS、PDAなども含む。以下同)のみ利用」「スマートフォンのみ利用」「一般携帯電話・スマートフォン双方を利用」の3項目に区分する。

なおモバイル系端末はその特性(プライベートデータが多い、機動力が高い)ゆえに他人の端末を用いる事例はほとんどないこと、そして現在利用されている一般携帯電話やスマートフォンでインターネット機能を使わない事例もまた稀有な事例なことから、今データは「所有率」とほぼ同義と見なしてよい(子供の場合は保護者からの貸与の場合もあるが、「利用のために所有」している以上、同義と考えて構わない)。なお「インターネットの利用」について無回答者は計算から除外していることに注意。

まずは世代別の構成率。

↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)
↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世代別)

未成年層のスマートフォンの浸透ぶりがまずは目に留まる。一般携帯と併用している人も合わせると18.2%。そして20代になるとさらに急激に増え、4割強に達する。30代以降は一般携帯との併用も合わせ次第にスマートフォンのネット利用者は減り、60代以降になるとゼロ近くになる。切り口を変えれば、60代以降の「携帯インターネット」とはほぼ「一般携帯電話」経由であり、「スマートフォン」経由を意味しない。

続いて所属世帯の年収別。これは大方の予想通り、年収が高くなるほどインターネット利用率・スマートフォン利用率双方とも増加する。

↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(所属世帯年収別)
↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(所属世帯年収別)

【スマートフォンとタブレット機、月次支払額はいくら位?】などでも触れているが、スマートフォンの方が一般携帯電話より利用料金は高くつく場合が多い。低年収の方がやりくりが厳しくなるため、スマートフォンまで手が出せない状況が容易に見て取れる。

最後に世帯構成別。要は回答者がどのような構成の世帯に所属しているかを表す。

↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世帯構成別)
↑ モバイル系端末(一般携帯(PHS等含む)・スマートフォン)でのインターネット利用状況(過去一年間)(世帯構成別)

単身世帯(非高齢者。高齢者は60歳以上)の場合は金銭的にもそれなりに余裕があり、自分で何とか技術を習得できる場合も多く、携帯インターネット利用率もスマートフォン利用率も高い。逆に高齢者のみの世帯では(回答者も必然的に高齢者になる)操作などを教えてもらう機会も少なくスマートフォン利用に踏み切れない状況がうかがえる(それ以前に携帯インターネットの利用率そのものも低い)。

一方で二世代に渡る世帯の構成員となると、大抵はスマートフォンによる利用率が一定数を占める。回答者本人が高齢者でも、子供などに教えてもらえる機会があるため、ハードルを超えやすいものと思われる。



世相的には「一般携帯電話=古い、前世代」「スマートフォン=新しい、新世代」という形で、猫も杓子もスマートフォン状態にあることには違いない。しかしながらタッチパネルの操作上の問題や、スマートフォンが「携帯電話」ではなく「パソコン」に近いツールなことから生じるトラブルなども、特にシニア層において多々見受けられる。

現状の携帯インターネット利用状況を見るにつけ、一から十までスマートフォンへの切り替えを促すのでは無く、あくまでもボタン押し方式の一般携帯電話の改良型(「マルチメディアフォン」と呼ぶこともあるそうだ)のラインも一定量は残した方が、需要には合う気がする。


※2012.06.17. 数字の再計算とグラフの再構築を行いました

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