「自衛隊が日本に良い影響を与えている」89%

2012/06/10 06:55

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自衛隊アメリカの調査機関【Pew Research Center】は2012年6月5日、震災後の日本における世情変化に関する調査結果【Disaster “Weakened” Nation Japanese Wary of Nuclear Energy 】を公開した。今回はその中から、政府や首相、自衛隊などに対する好感度の現状と動向について見て行くことにする。


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今調査は2012年3月20日から4月12日にかけてRDD方式で選ばれた、日本国内の電話番号(固定電話)に対して電話による通話(日本語)インタビューで行われたもので、有効回答数は700人。地域の人口構成比によるウェイトバックがかけられている。

まずは直近2012年春における、「日本の方向性にどのような影響を与えているか」の評価。要は好感度を示している。これによると調査時点での政府に好感を持つ人は12%、評価をしていない人は86%に達している。個人ベースとしての対象である、現行首相の野田首相への評価も3割程度で、ネガティブな評価の7割近くにははるかに及ばない。

↑ 2012年3-4月時点での各グループ・個人などに対する「日本の方向性にどのような影響を与えているか」の評価
↑ 2012年3-4月時点での各グループ・個人などに対する「日本の方向性にどのような影響を与えているか」の評価

一方、自衛隊への評価は極めて良好。最大級の評価「とても良い」を投じた人だけでも3割を超え、「良い」の57%を合わせると89%、9割近くの人が好感を抱いている。否定派は9%でしかない。いわゆる4マス(テレビ、新聞、ラジオ、雑誌)も野田首相への評価と大して変わらず、自衛隊の値とは対象的。

具体的な細部データの開示は無く、本文中での概要説明に限られるが、現政府への評価についてはいくつかの追加指標が語られている。それによると、

・現与党民主党の支持者に限定しても、政府への好感度は17%。
・民主党支持者における「評価せず」派は82%、自由民主党支持者による「評価せず」は83%とさほど変わりない。
・しかし「とても悪い」の区分では、民主党支持者が15%に対し自由民主党支持者は29%に達している。
・無党派層、あるいは他の政党を支持している人においては、好感度は8%でしかない。そして「評価せず」派は91%、そのうち「とても悪い」は40%に及んでいる。

となる。

Pew Research Centerでは同様の調査について過去2回、2002年春と2007年春にも行っており、それを併記したのが次のグラフ。

↑ 各時点での各グループ・個人などに対する「日本の方向性にどのような影響を与えているか」の評価(2002年春:自民・小泉政権、2007年春:自民・安倍政権、2012年春:民主・野田政権)
↑ 各時点での各グループ・個人などに対する「日本の方向性にどのような影響を与えているか」の評価(2002年春:自民・小泉政権、2007年春:自民・安倍政権、2012年春:民主・野田政権)

2002年春はIT不況の真っただ中、2007年春は「サブプライムローンショック」に始まる金融不況直前でそれなりに景気が良かった時期。政府への印象は多分に景気動向と連動することもあり、2002年春と2007年春の「政府」への評価も理解できる(2012年春の場合は「首相」に対する「とても悪い」の値の大きさなども合わせ、景気だけでは無いが)。

他方、自衛隊への評価は元々高めの傾向にあったものの、2012年春にはずば抜けて高い値を示している。特に「とても良い」の回答率の高さが目に留まる。この動きについてレポート側では「震災対応のたまもの」とする共に、震災後一年経過した時点での調査にも関わらず高率を示していることから、「肯定的な感情・評価は継続する可能性がある」とコメントしている。

また細部データの開示は無く、本文中の概要説明に限定されるが、

・95%は「自衛隊は震災対応で立派な活動をした」と回答。
・民主党支持者の野田首相への肯定的評価は48%。自民党支持者は28%、その他政党支持または無党派層は23%に留まっている。

などの言及が確認できる。

自衛隊への高評価は他の複数調査からも明らかにされている。それらの多くからは「元々高めの評価と共に期待されていた自衛隊が、その期待に応える働きを示した」事へのポジティブな評価によるものであることが分かる。今件はその裏付けとなる結果といえよう。


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