単身若年男性が9割を切る…カラーテレビの普及率現状(2012年)

2012/06/01 07:00

先日5月6日に掲載した【エアコン普及率をグラフ化してみる(2012年分データ反映版)】などにある通り、内閣府の【消費動向調査】で公開されている値を基に、主要耐久消費財(テレビや自動車など、長期に渡って使用される商品。原則的に1年以上)の普及率の動向の確認と分析記事のデータ更新を行っている。今回は【携帯電話の普及率現状をグラフ化してみる(2012年版)】などに続く番外編として、過去には作成しなかった視点からの切り口、最新の2012年分の値からカラーテレビ(ブラウン管・薄型を問わず)の普及状況について見て行くことにした。

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「消費動向調査」そのものの解説や「世帯」の区分、「普及率」の定義についてはまとめ記事【定期更新記事:主要耐久消費財・普及率(内閣府・消費動向調査)】で説明されている。そちらで確認をしてほしい。

今件は冒頭にもある通り「ブラウン管・薄型を問わず」カラーテレビの有る無しに関する検証。種類についての考察は無い。テレビ放送を受信可能な固定型テレビを視聴できる体制を備えているか、という考えで見てほしい。文中・グラフ中で単に「テレビ」と評している場合も、今件では「カラーテレビ」を意味することを念のために表しておく。

全般的な世帯普及率だが、単身世帯は96.2%、一般世帯は99.4%。やや単身世帯が低めだが、実質的にほぼ100%と評してもあながち間違いとはいえない値を示している(単身世帯は20人に19人程度だから、やや外れている感もあるが)。

↑ テレビ世帯主性別普及率(2012年3月末)
↑ テレビ世帯主性別普及率(2012年3月末)

女性の方が普及率が高いのは納得が出来る結果。

続いて「保有世帯あたりの」平均保有台数。「保有の有無を問わず全世帯における」では無いので要注意。保有状況の把握としては、こちらの値の方がイメージしやすい。

↑ カラーテレビ世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)
↑ カラーテレビ世帯主性別・保有世帯あたり平均保有台数(2012年3月末)

単身世帯はほぼ1.4台。リビングと自室(寝室)それぞれにテレビを配しているのか、あるいはブラウン管から薄型テレビに買い替えた際に古い方をそのまま残している事例が反映されているのかもしれない。一方一般世帯では2台を超えた保有状況。世帯構成人数も多く、部屋割も多数に及び、家族共通のテレビ以外に一部の個室にもテレビを配している状況が想定される。同じ部屋に複数台のテレビが置かれることはあり得ないので、少なくとも2部屋にテレビがそれぞれ置かれている計算だ。

続いて世代別保有率。単身世帯に限り、より詳しい区分の値も用意されているので、二つまとめて生成する。

↑ カラーテレビ世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)
↑ カラーテレビ世帯主性別・年齢階層別普及率(2012年3月末)

↑ カラーテレビ世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)
↑ カラーテレビ世帯主年齢階層別普及率(単身世帯、2012年3月末)

各世代とも単身世帯より一般世帯の方が普及率は高い。特に女性は全階層で100%という、ある意味珍しい結果が出ている。女性自身のテレビ好き以外に、育児環境を整備する際のツールとして考えられているのだろう。

一方で単身世帯では女性でややイレギュラーな動きがあるが、一般的に若年層ほど普及率は低くなる傾向がある。特に男性は女性より低く、29歳未満に限ると9割を切る値を示しているのが分かる。

さらに世帯主年収別普及率。

↑ カラーテレビ世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)
↑ カラーテレビ世帯主年収別普及率数(2012年3月末)(単身世帯は750万円以上が上限)

テレビ視聴は基本的に無料(電気料金などはかかる。また、有料放送を受信できる環境を整備して視聴すれば、当然対価が必要)。そのためか、年収による普及率の差はほとんど見られない。多少の違いはあれど法則性は無く、また多い少ないも誤差の範ちゅうでしか無い。



「乗用車」「携帯電話」ならここでオシマイとなるのだが、今件ではせっかくなので多少イレギュラーながらももう一段階、踏み込んだ図式を付けくわえていく。

まずは単身世帯・一般世帯の区分別での、時系列的な普及率推移。消費動向調査はかつて一般世帯のみでの調査で、単身世帯は別途「単身世帯消費動向調査」で調査が行われていた。そこで1998年以降の動向を探る今グラフでは、一部にその「単身世帯消費動向調査」の結果を用いている。

↑ 世帯種類別カラーテレビ普及率(単身世帯の一部は「単身世帯消費動向調査」から)
↑ 世帯種類別カラーテレビ普及率(単身世帯の一部は「単身世帯消費動向調査」から)

単身世帯の方が普及率は低いのはいつも変わらず。そして一般世帯の普及率が高いまま推移する一方、単身世帯では多少の凸凹がありながらも、わずかながら漸減方向にあることが分かる。

ついで大まかな枠組みでの世代別。一般世帯は2005年以降のもののみ、単身世帯は先の「単身世帯消費動向調査」を使い1998年以降の値で生成する。

↑ カラーテレビ普及率(単身世帯)(一部は「単身世帯消費動向調査」から)(世帯主世代別)
↑ カラーテレビ普及率(単身世帯)(一部は「単身世帯消費動向調査」から)(世帯主世代別)

↑ カラーテレビ普及率(一般世帯)(世帯主世代別)
↑ カラーテレビ普及率(一般世帯)(世帯主世代別)

一般世帯が高いまま推移しているのはどの世代も変わらない。変化が見えるのは単身世帯。2005年あたりを境目に、29歳以下の層で明らかに低下傾向を示している。いわゆる「若者のテレビ離れ」を意味するのか、あるいは「若者の(固定受信型※)テレビ離れ」の表れなのか。単年度のイレギュラー的な結果ではないだけに、注視すべき傾向といえよう。


■関連記事:
【テレビやパソコンなどの普及率をグラフ化してみる(上)……テレビ・パソコン・ファックスなど(2012年分データ反映版)】


※「固定受信型」……今件「カラーテレビ」はあくまでも固定据置型のものに限られる。ワンセグ機能を持つモバイル端末、パソコンは該当しない。ワンセグによるテレビ視聴がさほど行われていないとはいえ、そして今件があくまでも「固定受信型」のテレビ視聴環境があるか否かのデータ・検証であること、そしてワンセグを搭載した端末が巷に満ちあふれていることを考慮すると、今件値と、「テレビ視聴環境の整備動向」「テレビ視聴者動向」とは多少のずれが生じている可能性があることを示唆しておく。つまり男性若年層の値が下がっているのは、ワンセグに乗り換えた可能性もあるわけだ。

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