たばこ自販機は前年比台数11.4%減…自動販売機の現状をグラフ化してみる(最新)

2018/05/03 05:07

2018-0502ジュースなどの飲料水やたばこに始まり、新聞・書籍やお菓子類などの実商品の販売、食堂やファミレスや牛丼チェーン店での食券、さらには両替機やコインロッカーのようなサービスの提供にいたるまで、世の中には多種多様な自動販売機が展開され、機能を発揮している。そして先の震災に伴う電力需給問題に絡んでバッシングを受け、省エネ化の動きが加速されたり、タスポの導入やたばこ需要の減退でたばこ自動販売機の数が激減するなど、社会情勢の変化を受けながらも、自動販売機は毎日活動を続け、人々の生活を支え続けている。今回はその自動販売機の動向を、業界団体の日本自動販売機工業会が毎年公開している報告書を基に、確認していくことにする(【日本自動販売機工業会:自販機データ】)。

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たばこ自動販売機は減少続く


まずは直近、2017年末時点の自動販売機台数。飲料水、各種サービス、たばこその他もろもろを合わせ、全部で427万1400台。

今回発表された2017年分からは、これまでの発表値とはいくつかの変更が行われている。まずは自動販売機による販売金額(自販金額)が非公開となった。これは商品価格や決済方法の多様化で算出が困難となったからとの説明がされている。また日用品雑貨自動販売機に関して、従来カード(プリペイド式他)の項目で合算されていた公衆電話用プリペイドカード機を除外したたため、該当項目が大きく減少する形となったことから、全体数も大幅な減少。さらに自動サービス機にはこれまで「その他」に含まれていた一部機種が内部の自動精算機に合算されたため、単純比較が不可能となっている。

これらの事情により、台数の一部に不自然な動きがある他に、自動販売機の自販金額に関するグラフの生成もできなくなっている。
↑ 自動販売機普及状況(万台)(各年末時点)
↑ 自動販売機普及状況(万台)(各年末時点)

種類別では飲料自動販売機がもっとも多く6割近くの244万台、次いでコインロッカーや両替機、ビデオソフトやパチンコ玉貸し機などの自動サービス機が129万台。切手や乾電池、新聞などの日用品雑貨自動販売機の24万台が続く(前年比で大きな減少を示しているのは上記の通り、公衆電話用プリペイドカード機を除外したため)。飲料自動販売機内では清涼飲料がもっとも多く213万台、残りが牛乳やコーヒー・ココア(カップ式)、お酒やビールなどとなる。

たばこ自動販売機去年からの変移を見ると、たばこ自動販売機の減少が著しい。この動きは2011年分から継続している傾向だが、2011年は震災による物理的ダメージに加え、たばこそのものの出荷制限や品目数の減少なども影響を与え、採算性の問題や省エネの観点から撤去する事例も多く、大きく減少していた。しかし2012年以降は少なくとも震災や出荷制限による直接原因は無いにも関わらず、相変わらず大きな減少を続けている。

これは【たばこ販売店と自動販売機の推移をグラフ化してみる】で詳しく解説している通り、たばこそのものの需要が減退しているのに加え、節電対策の矢面に立つ形で自動販売機そのものが一時停止させられたり照明を消されることでアピール度が減り売り上げが落ち(今なお節電の貼り紙とともに、灯りを消されているたばこ自動販売機の姿を目にすることもある)、採算が取れなくなる事例が増えていること、さらにはタスポ絡みや震災後の出荷制限などを経て、たばこを自販機で買う人そのものが少なくなっているのが要因(コンビニでの購入にシフトしつつある)。

その上、だばこの自動販売機を併設している「街のタバコ屋さん」的なたばこ販売店が、店主の高齢化に伴い閉店、それに伴い自動販売機を撤去してしまう例も増えている。現在稼働中の自動販売機でもビジネス面で厳しい状態が続き、来年以降もさらに台数が減少するであろうことは容易に想像ができる。

なお日用品雑貨自動販売機と合計部分が空欄となっているのは、上記の通り公衆電話用プリペイドカード機の除外のため、単純試算できない状態であるのが原因。

↑ 自動販売機普及台数前年比(2017年)
↑ 自動販売機普及台数前年比(2017年)

報告書からいくつかの動向に関して解説を拾うと次の通り。飲料自動販売機では「管理運営に携わる人員不足などにより効率化が図られたことや、飲料商品の販売チャネルの増加により、不採算ロケーションからの撤去が進んだ」のが減少の原因としている。コンビニの普及が「販売チャネルの増加」と見てよいだろう。食品自動販売機は「オフィスビルや工場の中など、一定の需要は見込めるものの店舗出店が困難な職域や、駅構内の小型売店に代わって、自販機コンビニコーナーが拡大を見せ」とあり、一部コンビニが進めている戦略が堅調な実情がうかがえる。

券類自動販売機は「ICカードの利用比率の高まりにより、乗車券券売機が微減となったものの、小規模人数で営業する飲食店においては、注文や清算業務の手間が省ける食券自販機の導入が促進され」とあり、他業種の環境変化が大きく影響したことがうかがえる。

飲料自動販売機の推移を知る


最後に日常生活でもっとも目に留まる、そして利用されることも多いであろう飲料自動販売機の過去からの推移を確認する。公式サイト上には直近1年分のデータしか無いが、各種キャッシュデータなどから2005年以降の各値を抽出。普及台数・販売金額の前年比をグラフ化した結果が次の図。なお上記にある通り、自販金額は2017年分から非公開となっているため、前年比も当然2016年分までのものとなる。

↑ 飲料自動販売機普及状況(前年比)
↑ 飲料自動販売機普及状況(前年比)

2008年から2009年にかけて販売金額に大幅な減退が確認できる。これは「飲料自販機分野では、天候不順、経済情勢の悪化に伴う企業の人員整理・残業減少に加え、たばこ自販機に併設された自販機における『ついで買い』が減ったこと」「一部地域で販売商品価格の下落」などの説明がされており、「景気後退」「ついで買いの減少」「安売り競争」が大きくマイナスに作用したことによるもの。

一方台数は少なくとも2006年以降においては、2010年の1.0%増を除けば押し並べて減少状況にあった。そして震災の影響が及んだ2011年では、物理的損失以外に節電などの影響で撤去されたことによる、大規模な減少が起きている。2012年と2013年は転じて台数が増加しているが、これは震災後の電力需給問題から自販機が撤去された場所において再設置の需要が高まったのに加え、ヒートポンプ式飲料自販機など省エネタイプの機種の導入が進んだことが理由として挙げられる。もっとも2014年以降は再び台数も減退に転じている。業界全体として設置投資意欲の減退によるところが少なくない(上記解説の通り、採算性の低い台の撤去が進んでいるようだ)。

震災直後ほどでは無いものの、今なお自動販売機に対する無理解に端を発する、電力に絡んだバッシングの声を見聞きする。引き続き自販機業界には「合理的」な対策を求めるとともに、一般の人たちにおいては感情論的・非論理的非難を起こさないよう願いたいものだ。


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